不登校・人間不信・家庭内暴力、それぞれのケース
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不登校・人間不信・家庭内暴力、それぞれのケース

2020年04月27日(月)6:52 AM

心の痛みの多くは、人間関係のゆがみです。そして、そのゆがみと向き合いつつ関係の修復に努め、新たな希望を獲得するには、そのつらさに寄り添ってくれる「添え木」が必要です。




「僕は学校という言葉の響きを聞くだけで、吐き気がしていたんです」中学3年のAくん(15歳)は、そう言って長かった闇の3年間を振り返りました。




集団生活には馴染んでいましたが、小学校の高学年になっても少し緩慢だったこともあって、クラスメートにからかわれることがありました。




「誰にも迷惑をかけていないのに、どうしてからかうんだ」Aくんは限界まで堪えると、今度は人が変わったように、そのつど「不正」に立ち向かっていきました。




彼自身、正義感のつもりでしたが、友達や上級生のあいだでは、「極端で怖いけど、からかうとおもしろいやつ」と思われるようになりました。




担任の女性教師は、彼の複雑な気持ちを理解しようと思いながらも、その「極端な性格」による凶暴さばかりが目についていたようです。



度重なるAくんの「問題行動」に疲れていた担任は、きつい口調で言いました。




「もうけんかはやめなさい。どんなことがあっても暴力はいけません。そんなふうだから、みんなからからかわれるのよ」




「けんかの原因は相手にあるのに、いじめられている自分だけが叱られる」矛盾に、納得がいきませんでした。




「堪えに堪えて、極端にいい子でいると、結局は極端に問題児になってしまいます。




その悩みや苦しい気持ちを担任にじっくり聞いてほしかったのに」しかし、彼は担任にそんな心を打ち明ける努力をあきらめました。




そして、「理解してくれない担任や友達は無視する」ことにして、けんかをやめました。




そうしたら、自分のまわりには「誰もいなくなっていた」といいます。




孤立からのさびしさをまぎらわすには、不登校しかありませんでした。




事態を打開する方法として、中学2年のとき、転校することになりました。そこでめぐりあった新しい担任の一言に、Aくんは救われました。




「君のせいじゃない。つらかったろうね」




やっと、「添え木」に出会い、弱音をはくことができたAくんには、安堵感が漂いました。




関東自立就労支援センターの相談室を訪ねてくる若者たちが、十分とは言えないまでも、ひとしきり話し終えたあと、最後につぶやく言葉があります。




「結局、僕の気持ちを親や教師はわかってくれない。ただ、聞いてほしかっただけなのに。




聞いてくれるだけでよかったのに」いかにも投げやりなように見えますが、心の奥底ではけっこう前向きに生きようと努力している・・・・それを信じて、愚痴や弱音をただ黙って聞いてもらいたいのです。




弱音がはけるから、つらい現実も乗り越えていけるのです。そんなせつない思いを受け止め、寄り添ってくれる「添え木」を、彼らは必死に探し求めているのです。




言葉を聞くのではなく、そう言わざるをえない、追い詰められた心境に耳を傾け、うなずいてやるだけでいいのです。




ときに、まわりの大人が「聞き流す」努力をするだけで、子どもは仕切り直しの旅立ちを試みようとします。




小学校6年生で家庭内暴力、中学時代にはシンナー依存の生活を繰り返していたある男性がいますが、彼が、卒業式を終えた後、わたしにつぶやいてくれた一言を、あらためてかみ締めたいと思います。




「子どもはいつも、親や先生の喜ぶ顔を見て成長する。だから、子どもはいつも親や先生に喜んでもらおうと思って生きている。




とくに迷惑をかけた親や先生には自分の成長を一日も早くプレゼントしたいと思っている。




だから、いつもとは言わないから、たまには親や先生に子どもの弱点を見逃す努力もしてほしかった」




人は人に傷つき、人に癒されます。わたしはこの少年の気持ちをわかり続けるためにも、いやわたし自身が子ども時代からそう願っていたことを思い起こし、訪ねてくる子どもたちの青春リターンマッチに寄り添い続けたいと思っています。




そして、リターンマッチとは、それまでたどってきた道がムダという意味ではなく、今日を生きていると考えれば、「必要な道」であったことに気づくことです。




わたしがわたしになるために「たどるべき道」でもあったのです。



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