家庭内暴力と父親
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家庭内暴力と父親

2020年04月20日(月)2:48 PM





現代の父親は、昔に比べると、子どもと遊ぶ時間を持つようになりました。それは喜ばしいことですが、子育てというよりも、友達同士の感覚が強いように思います。会津の藩校には「什の教え」というものがあり、その一番最後に「ならぬものはならぬのです」というくだりがありました。




これが一番重要な言葉なのだそうです。なるほどと思いました。現代の親にかけているものがあるとすれば、だめなものはなんと言われようとだめだという、覚悟ではないでしょうか。友達感覚の親もよいのですが、子どもが成長していく過程には、ここいちばん親が踏ん張るときというのがあるはずです。




「ならぬものはならぬ」と踏ん張れない、もっとも典型的な例は、家庭内暴力に悩む親たちです。父親も母親も一生懸命に子どものことを考えていますが、最後の最後、親が体を張ってでもがんばらなければならないとき、「お前、そんなに文句を言うのだったら、出て行け」とか「お前はお前で暮らしなさい」と言えないのです。




ある意味では、親が子ばなれをしていないのかもしれません。子どもを実際の年齢より低く見ているという傾向もあります。子どもを突き放して、不良少年になり社会に迷惑をかけるようになったら困ると思い、なにもいえなくなってしまうのかもしれません。




子どもの人生は子どものものと、割り切って考えることができないようです。あるいは下手に言うとかえって暴力がエスカレートすると心配します。それなら、精神科の女医さんたちは、荒れ狂っている高校生や青年と対応することができません。しかし、現場では、気迫で立ち向かっています。




子どもが暴力をふるうには理由がありますが、いくら理由があってもやってはいけないことはやってはいけないのです。限度を超えた場合には、第三者に助けを求めることも考えておきます。隣近所の人でも警察でもいいのです。




はずかしいなどと言っている場合ではありません。子どもに、ある限度を超えたら、社会的な批判を受けるということも、経験させる必要があるのです。このようにわたしが言うと、多くの親は「では、今度、そちらに電話しますから、警察に電話してください」といいます。




後で子どもにわかったとき、「お父さんは警察に電話なんかしていない」と言い訳できるからです。これは、責任逃れではないでしょうか。以前、子どもが暴力をふるって手がつけられないという連絡がくると、家に行き、子どもと話し込むことがよくありました。




このままわたしが帰ってしまうと危ないと思うときは、取っ組み合いになりながらも強制入院をさせたこともありました。しかし、2、3日して面会に来た親は「お父さん、お母さんはこんな病院に入院させたくなかった。あの人が勝手にやったのだ」というのです。




わたしが子どもと取っ組み合いになり、ネクタイは引きちぎられ、ワイシャツは血だらけになっているのに、親は黙ってそれを見ているだけです。何もしません。子どもはそういう親の姿をよく見ていて、自分には何も言えず、理不尽な要求をしても、親はどこまでも折れるということを知っています。




子どもを受診させようにも、家から一歩も出ようとしません。最近では、子どもを受診させるための業者も登場しました。いやがる子どもを病院に連れて行くのはたいへんなので、お金を払って業者に頼むのです。




ある意味ではクールな対応ですが、親として乗り越えるべきものを乗り越えていないように思います。アスペルガー症候群の子どもの子育てにも、こうした踏ん張りどころが何回か訪れるかもしれません。




自分の子どもがはじめてアスペルガー症候群と診断されたとき、多くの親はショックを受けます。と同時に、育て方の問題ではなかったことがわかり、ほっとするとも言います。やがてなんとか発達の遅れを取り返そうと必死になり、課題を次々とこなし、問題行動に対しても、一生懸命対応しようとします。




子どもが一進一退するたびに、親は一喜一憂し、精神的に疲れてしまうこともあるでしょう。そうした段階を経て、親は子どもの障害を受容できるようになっていきます。そして、目の前の課題に背伸びして取り組むのではなく、将来を見通した現実的な対応をしようと思い始めるのです。




こうしたつらい道のりも、母親と父親がしっかりと手を取り合い、いざというときに逃げない覚悟をもって、学校や医療、福祉と連携していければ、なんとか歩んでいけると思います。



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