ひきこもりの当事者からの相談事例
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ひきこもりの当事者からの相談事例

2020年04月13日(月)12:53 PM




相談事例   同窓会に出たのですが・・・・・





同窓会に思いきって参加しました。みんな別人のようでした、というより僕が浦島太郎のようでした。かなり緊張していましたが、飲み続けて二次会に行きました。





親友が「今、何してるの?」と聞いてきたので、思いきってひきこもり生活について話しました。でもだんだん雲行きがあやしくなり、売り言葉に買い言葉になってしまいました。「何だよそれは、自分で何とかしろよ!」と言われてショックでした。僕が普通に学校に行くなり、仕事をしていると思っていたようです。





同窓会だから中学時代に戻れると思っていたのに、思わぬ展開になってしまいました。なんだか見捨てられてしまった感じです。折り合うなんて無理そうです。働いている人たちにはわかるはずないと、今度会ったらケンカになりそうです。誰かに苛立ちをぶつけたくなってしまいます。





回答





思いきって自己解放を試みたのですね。溜まりかねて飲んで吐きたくなるのは、誰しもあることです。しかし、あらかじめ理解されないまま怒りを表現すると「何、キレてるの?」と、そのわけを静かに聞いてもらえないのも事実です。はっきりしない不安や苛立ちを、互いに必死にこらえている時代であるからこそ、「自分で何とかしろ!」と言われてしまうのかもしれません。





ひきこもりに関する情報も整理されつつあり、理解が深まりつつあるのは喜ばしいことです。しかし、親友であったとしても、その方にはわかりづらいストーリーだったのかもしれませんね。





ひきこもりの表明には、恥や照れを伴うものであるからこそ、あなたは飲み続けていたのかもしれません。友達も「見てはいけないものを見てしまった」、「聞いてはいけないことを聞いてしまった」という心の揺れを感じていたのかもしれません。





「わかってくれるはずなのに」という気持ちを整理するためにも、「・・・・・・に困ってきたんだ」とか「・・・・・に怒りを覚えるんだ」と、ひきこもりの時代を5W1H(いつWhen、どこでWhere,だれがWho,何をWhat,なぜWhy,どのようにHowという6つの要素をまとめた情報伝達のポイントのこと。5W1Hにあたる内容を相手に伝えるようにすると、情報をわかりやすく、もれなく伝達することができる。)で整理しておくのもひとつの方法です。





言葉を選び、わかりやすい話にしておくと、話題の一部として軽く置いていけるでしょう。親しいからこそ「わかってくれない!」と思う場合もあるようです。





むしろ親子・夫婦・親友だからこそ、不安や苛立ちはわたしたちのような援助者のようには共有できず、たしなめたりしてすっきりしない気持ちは八つ当たりに変わってしまうのかもしれません。せめぎ合って折り合えれば、それは懐の深い楽な関係です。仲のよい親友だったからこそ、あなたはその言葉にさらに傷ついたのでしょう。





「苛立ちをぶつけたくなってしまう・・・・・」のは、ひきこもる不安や葛藤が、見捨てられるはずのない同窓会でも出口をふさがれてしまったからなのでしょう。





もし、当り散らしたい原因があなたの中で整理できるのなら、「僕の中にも整理しきれない気持ちがあったんだ」と、あらためて告げてみてはいかがでしょう。





相談事例  長い間ひきこもっていて不安しかありません。





もう長い間ひきこもりの生活を続けていて、将来が不安です。今後、どのようにして生きていったらいいのかわかりません。





回答





「仕事」、「恋愛」、「結婚」という形は社会的旅立ちの印となり、わかりやすいものです。「男らしく」、「女らしく」という目標もあるでしょう。旅立ちにも5W1Hがあるとすれば、「あの町?この町?」、「あの島?この島?」、「あの国?この国?」という考え方もあります。





世間は今、不確実性に不安をあおられ、旅立たないほうがよいのではないかと思うくらい物騒になってきています。出口がふさがれる不安や苛立ちを、上手くこなしていけるかどうかもこれからの新たなノウハウになっていくのかもしれません。





ひきこもりは「男性の悲劇」とも言えます。特に「仕事」、「責任」に追われる宿命は女性よりも重いかもしれません。しかし、「キャリア・ウーマン」や「男女雇用機会均等」の時代に少しずつ女性のひきこもりが増えていることも、ひきこもりがいかに「仕事」、「責任」に密接に関わっているかを証明しています。





またひきこもる男性が恋愛を機会に働き出したとか、ひきこもる女性の不安が働き者の恋人の登場で緩和されたという話は珍しくありません。さらに結婚までゴールインし、「子どもができました」という報告を受けると、「癒し」、「カウンセリング」の世界からは卒業し、ついにひきこもりからの旅立ちを達成したのだと感動します。





しかし世知辛い世の中の雰囲気や、夫婦、親子、家族の絆が崩れてきているのも現実です。「仕事には就いたけれど・・・・・」とか「結婚はしたけれど・・・・・」、「子どもはできたけれど・・・・・」と旅立ったからこそ生まれてくる新たな問題もあるのです。





わたしたちは人生でさまざまな課題に遭遇します。そこにはいつも不愉快さや葛藤があり、また口ごもり、ひきこもり、閉じこもるかもしれません。





職場にも不愉快なことはたくさんあるでしょう、家庭にも不愉快なことはたくさんあるでしょう。しかし旅立ちとは「仕事」や「恋愛」や「結婚」という形にあるのではなく、その場を打開し、「よし・・・・・」と言えるひと言なのです。





旅立ちとはどこか遠くの世界に出かけることではなく、今すぐそこにある対人関係に気づき、なだめ、めざめ、修正していけることなのです。21世紀になっても輝かしい未来はやってきませんでした。むしろわたしたちは、旅立とうとしてきた世界はどこだと失望しています。





多くの人が旅立ちに不安を抱く「ひきこもりの時代」の到来です。しかしこの「妄想分裂的世界」が、実は自分自身の内的世界でもあることに気づいた時、今、ここにある、そこにある絆を大切にすることが真の旅立ちであることを知るのです。



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