摂食障害(拒食症・過食症)について
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摂食障害(拒食症・過食症)について

2020年04月11日(土)4:11 PM




摂食障害とは





病気や怪我などのためではなく、本人自身がみずから引き起こす障害で、拒食と過食を繰り返す「拒食症」と、過食だけがみられる「過食症」があります。





過食後には嘔吐する場合や、下剤を多量に使用することがあります。思春期から20代前半の女性が圧倒的に多いのですが、小学生や30代での発症、男性の発症など徐々に幅が広がってきています。





こんな症状が





拒食症の症状は極端に食事量が減るためにやせることですが、標準体重よりやせている場合でも本人にはやせているという実感がなく、さらにやせようとします。





食事の量だけでなく、主食や脂質の多い食品を特に嫌い、低エネルギーの食品に偏ります。人間は、長い間飢えに苦しんできたという歴史を持っているため、本能的に強い食欲を持っています。





拒食症では最初のうちはその本能にうち勝っているという満足感があります。身が軽くなったこともあり、活動的で積極的、勉強やスポーツでも好成績に結びつくことが多く、自信にあふれた生活を送ることができます。





しかし、やせが進んでくると、体力や活力がなくなり、皮膚にはうるおいがなくなり、月経が止まったり、むくみや低体温などの症状も出てきます。ところが、危機感が乏しいために、医療機関に行くことが遅くなる傾向があります。





いったん食べ始めたら止まらなくなるのではないかということと、体重が増えることへの強い不安もあります。事実、食べ始めると止まらなくなることがよくあります。





そのため、極端な過食のあとで吐いてしまったり、自然に吐かない場合にはのどに手を突っ込んで吐いたり、下剤を使ったりします。体重が増え始めると、一足飛びに標準体重を超えてしまい、再び拒食をするという繰り返しに陥る傾向もあります。また、摂食障害では家庭内暴力(特に母親に対して)、母親に甘えるなどの退行(幼児返り)もよく見られます。





原因は





個人的な性格、家庭環境、社会的背景も関係しています。性格的には、いわゆる「よい子」が多く、親の期待に応えようとしたり、好成績をあげようとしたり、かわいくなりたい、美しくなりたいという気持ちを強く持っています。





一種独特のプライドと競争心もあります。たとえば、みずから体重を増やすことに対しては強固に拒否するのに、点滴されることは平気であるとか、入院中の同室者の食べる量を横目で見ながら、その量より自分は減らすなどといったことです。プライドの裏には自己不全感や挫折感などがあります。自己不全感からのがれるために、価値基準を一元化してそれを満たそうとします。





よい子、かわいい子、などといった価値基準です。やせ願望もこの価値基準の延長上にあります。しかし、この価値基準が満足いく結果を生まないと、自己嫌悪がふきだします。





そして、万引き、リストカット、大量服薬などの極端な行動をとることもあります。家庭環境では無力で弱い父親と過干渉な母親が目立ち、夫婦関係がよくないケースが多いといわれています。





とはいえ、日本の多くの家庭が父親が仕事ばかりで子育ては母親任せであるという実態を考えれば、特殊な家庭環境とはいえないでしょう。周囲に大人のモデルとなる人がいないことも指摘され、そのために成熟することへの拒否感があるとも考えられています。社会的な背景としては、メディアなどによるやせ礼賛の情報過多もあります。





治療法と家庭での対応





認知行動療法、家庭療法などを行います。栄養指導も必要ですが、やせがひどい場合は中心静脈栄養法という点滴を行うこともあります。これは、上大静脈という太い静脈にカテーテルを留置し、高濃度の栄養輸液を体内に送り込む輸液療法です。症状によっては抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬などを使うこともあります。





摂食障害では家族の対応が重要なので、家族療法も行われます。子どもが食べないということは、親に非常に強いストレスをもたらしますが、食事の強制や子どものプライドを傷つける対応は逆効果となります。





また、甘えてくる場合は、十分甘えさせることが大切ですが、ひどい暴力をふるうときは、親戚の家など安全なところに避難しましょう。治療には長期間かかることもありますが、主治医に相談しながら改善するのを気長に待ちましょう。





摂食障害の症例  行動上の問題もあった14歳(中学2年生)女子の場合





両親は離婚しており、母親との2人暮らしです。小学3年生のとき転校をきっかけにして腹痛、頭痛などを訴えて登校しなくなり、すぐに治ったものの6年生のときも一時的に不登校になりました。





中学に入ってから身体的な訴えが強くなり、欠席、遅刻、早退も頻繁になり、やがて不登校が継続するようになりました。自宅にひきこもっているうちに生活リズムが乱れ、摂食障害も見られるようになりました。





1日1~2回しか食事をしなくなり、食事の量も減り、特にごはんと脂肪を含むものをほとんど食べなくなりました。それが1ヶ月ぐらい続いたのち、過食に転じてスナック菓子や菓子パンを買い食いするようになりました。大量に食べた後で吐いたりもしていましたが、結局太ってしまい、それをひどく気にするようになりました。





総合病院の小児科を受診して入院しましたが、食事を拒否する、病院を抜け出す、万引きをするなどの行為が目立つようになり、強制的に退院させられました。そして、1ヵ月後、別の病院の女子思春期病棟に入院となりました。





入院後しばらくは、食事を拒否したり、「自分は恵まれていない。自分だけを特別にたいせつにしてほしい」という意識が強く、ほかの子どもの世話をするスタッフに自分の世話を要求し、ほかの子が持っているものをほしがりました。





要求が通らないとパニックを起こし、万引きをしました。繁華街へ出て見知らぬ男性にお金を無心して暴行されそうになったこともありました。知能指数は正常範囲ですが、院内学級の授業には集中できませんでした。





薬を変更したころから万引きや衝動的な行動は減少しましたが、今度は対人恐怖、視線恐怖などが目立つようになりました。肥満やネクラや勉強ができないなどといった自己評価の低さからくる不安感が強くなったようでした。





そこで簡単な課題を与えて、できたときに褒めるなどして自信が回復できるように対応しているうちに、病棟内では問題を起こさなくなりました。ただ、自宅に泊まると、母親に幼児のように甘え、物を買ってくれとせがみ、要求が通らないと興奮する状態は治りませんでした。





母親は自分の果たせなかった夢を娘に託す気持ちが強く、常に新たなハードルを乗り越えることを要求していたようです。娘は母親の期待に応えたいという気持ちと応えることができない現実とのギャップに苦しんでいるようです。





治るまでにはまだ時間がかかりそうですが、病棟で重い知的障害のある子どもたちの世話をするなど、改善の兆しも出てきています。



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