ストレスは子どもにどんな症状を引き起こすのか
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ストレスは子どもにどんな症状を引き起こすのか

2020年04月07日(火)12:33 午後





人間が外部からある刺激を受けて緊張、歪みの状態を起こすと、これらの刺激に適応しようとして人間の内部にさまざまな反応が起こります。





つまり、人間の体や心を歪ませるような刺激・外圧(厳密にはストレッサーといいます)が加わったとき、それを押し返し元に戻ろうとする力が生じます。これがストレス反応です。





簡単な説明ですが、このことを生理学的に学ぶと次のようになります。わたしたちの体は外部からの刺激(ストレッサー)に出会ったとき、それに対応しようとして、まず「交感神経」が興奮します。





脳神経が興奮し、機敏な動きができるように筋肉も十分に動ける状態になります。これは脳や筋肉にエネルギーが供給される状態になるからです。





呼吸は速くなり、気管支が拡張し、たくさんの酸素が体内に送り込まれます。体の重要な臓器に血液を集中させるため、消化器官の機能が抑制され、末梢神経は収縮します。





手足が冷たくなるのはこのためです。心臓がドキドキするのは、脳や筋肉に酸素やエネルギーをたくさん送るためです。交感神経は別名「闘う神経」といわれています。外部からの刺激に対して身を守るために働く神経だからです。





しばらくして、外部からの刺激に対して体がうまく適応できて、休息が必要になると、今度は「副交感神経」が優位に働き始めます。心臓や肺を休ませ、交感神経が活発なときに抑制していた消化器官の運動を元に戻します。胃や腸が働き始めるわけです。





このことから、副交感神経は「休む神経」と呼ばれています。例をあげて考えてみましょう。海の上で優雅にゴムボートを浮かべているところを想像してみてください。ゆったりした気分で波間を漂っています。すると、少し向こうに不気味な黒い影が見えました。よく見るとサメの影であることがわかりました。





みなさんはどうするでしょうか。サメだと気づいたとたんに心臓がドキドキと高鳴ります。目を凝らしサメの様子を観察しながら、どうしたらいいのかと必死になって頭を働かせます。





すぐにボートを岸に向けると、持てる力を振り絞ってオールを漕いでサメから逃れようとするはずです。こうした身体的な反応は、人間が生きていくうえで都合がいいシステムです。ストレッサーという外部の刺激を受けたとき、体はこの緊急事態に対して、闘う神経である交感神経を活発にしてその事態に適応しようとします。





そして、その状態が過ぎ去った後は、次の緊急事態に備えて休む神経である副交感神経が働き、エネルギーを蓄えていくのです。みなさんもよくご存知の「自律神経」とは、この交感神経と副交感神経を合わせたもののことです。





わたしたちの体は、ストレッサーに対して、自律神経のバランスを微妙にとりながら対応しているのです。でも、ストレッサーを受けた緊急事態に働く体の反応は、本来短時間しかもちません。





長く続くと体は消耗し、無理をして速く動かしていた心臓に負担がかかります。脳は興奮しているため、不眠などの症状が出たり、頭痛が起こります。人によっては胃潰瘍や肩こりなどの症状もあらわれます。





また、体の側の自律神経をコントロールする機能が弱かったりすると、それほど重いストレッサーでなくても、体のさまざまな個所に機能障害が出ることがあります。ストレスというと自律神経失調症が思い浮かぶのは、こうした自律神経の機能が重要な意味を持っているためです。





ですから関東自立就労支援センターの相談室を訪れる対人関係に悩む若者の中には、医師から自律神経失調症と診断され、ひとまず休んで体調を整えている人も多くいます。





登校、就職したくてもできないのは怠けでもなんでもなく、この病のケースが多いのです。ただ、ストレスのかなりの部分は対人関係なので、仲間集団のなかでどう自分を維持するかとなると、自律神経失調の治療目的だけで病院を訪ねても、先が見えないこともあるのです。その焦りも伴って、相談室に人間関係のマニュアルを求めて来談される方もいます。





起立性調節障害





重いストレスを受けたり、緊張状態が長い間続くと、自律神経のバランスが崩れてさまざまな症状があらわれます。そのなかの一つに「起立性調節障害」というものがあります。ここ30年ぐらいの間に思春期相談のなかで話題になってきました。





起立時の低血圧、立ちくらみ、めまいなどの症状があらわれる状態のことです。長時間立ち続けていると、血液が下半身のほうにたまって脳貧血を起こしそうですが、大部分の人は平気で立っていられます。





これは、自律神経が反応して下半身の血管を収縮させて脳に血液が回るように調整しているのが理由です。人間の体はよくできていると改めて感心してしまいます。





この調節が「起立性調節」で、これが子どもの成長期にうまく働かなくなることがあることから、こういった名前がついています。名前はやっかいですが、ほとんどの場合、ある成長期を過ぎると自然に治っていくといわれています。





みなさんの周りで、疲れやすい、寝起きが悪い、頭が痛くなって保健室に行く、午前中は調子が悪いが夕方からは元気になる、といった子どもたちを見かけることはないでしょうか。





最近では、小中高生の約一割がこの症状を訴えるともいわれています。小児科で問診を受け、心電図、脈拍、血圧などの検査を受け、循環器症状が診断基準に当てはまると「起立性調節障害」という病名がつけられます。





この症状が出ると朝方調子が悪くなることが多いので、どうしても学校を休みがちになります。そのため、学校に行きたくないと思っている子どもにこの症状が出ると、不登校の状態が進行することになって悪循環が生まれます。





専門家のなかには、起立性調節障害の半数近くが不登校や保健室登校になっていると指摘する人もいます。ですから、「不登校」ではなく「障害」なんだというわけです。





それでずいぶんと登校できないことから解放された子どもはいます。ただ周りの目は、身体の障害を意識するばかりに心の障害には腰をすえた看護ができないようです。





そして、結果には必ず原因があるという考えのなかで育ってきた子どもは、心の不安感に病名をつけてもらうことでひとまず安心できている事実もあります。一般的に、この症状の原因のひとつとして「生活リズムの乱れ」があげられます。生活リズムが崩れると、自律神経に悪い影響が出てきます。





食事が不規則だったり、夜ふかしをして睡眠不足が続くと、体も疲れてくるのです。ですから、わたしたち親としてできることは、子どもの自律神経のバランスを整えるために、食事と睡眠を規則正しくとれるように注意することです。





そのためには、親子で食事を一緒にとるためにやりくりすることが大切です。親の都合を優先しておいて後から基本的生活習慣への不安を持ち、子どもに早寝早起き、三度の食事を励行させても、それは一朝一夕にはできません。





ただ、生活リズムの乱れのほかに、ストレスの存在が大きな原因になっていると指摘する専門家もいます。体の疲れにストレスが働いて、心の疲れが発生したとき、このような症状があらわれることが多いというわけです。





ですから、生活習慣を改善することとあわせて、ストレスの原因を取り除いたり、ストレスを乗り越える方法を子どもたちに伝えることも忘れてはならないでしょう。とにかく、肉体労働と神経疲労のバランスがいずれかに偏りすぎるのは望ましいことではありません。



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