子どもの思いを引き出す会話のしかた
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子どもの思いを引き出す会話のしかた

2020年04月05日(日)10:49 AM




子どもの話を聞いているときに、親に遠慮してストレートに表現できないことがあったり、いちばん訴えたい感情を抑えているように思えた場合には、どのようにしたらいいのでしょうか。





カウンセリングでは、相手の気持ちをおしはかって会話をすることを、「明確化」と言います。ストレスを小出しにするリスニングでチャレンジしていることです。





子どもの本音にそっとふれ、その気持ちを支えてあげることによって、子どもの口からはなかなか言えない感情や考えにまで心を向けていくやり方です。





ここでも大切なことはよく聞くことです。そして、子どもの気持ちを理解したうえで、子どもの気持ちを代弁してあげることです。「いつ、だれが、どこで」といった細かい部分は聞き逃してもかまいません。





「すごく悔しかった」「泣きたかったんだよ」「こんなにがんばったのに」といった言葉は、心の表現として大切ですから、ある程度、話の区切りがついたら、「○○がくやしかったんだね」、「・・・・だから、泣きたかったんだよね」というふうに感情表現に注目して、心の中を明確にしてあげるようにしましょう。





このような言葉を返すと、子どもから反応があります。「うん、そうなんだ」という返事が、明確化が適切なら返ってきます。でも、こちらの理解が不十分ですと、「そうじゃないんだ」と話を振り出しに戻して話し始めます。





「どうしても理解してほしいんだ」という気持ちが、もう一度話すという行動に駆り立てるわけですから、またじっくり聞いてあげましょう。そして、再び「こうだったんだね」と理解を伝える返事をします。感情の動きをしっかり押さえていれば、「そうなんだよ」ということになります。





子どもの思いを聞く場合には、話がはずむような質問を心がけることも大切です。抑えきれないうれしさ、誰かに聞いてほしかった悲しみやつらさを、さりげなくそっと引き出してくれる質問を、子どもは心待ちにしています。





質問のしかたには、二通りあります。閉ざされた質問と、開かれた質問です。閉ざされた質問とは、「はい、いいえ」で答えきれてしまう訊きかたです。





たとえば「宿題はもうやったの?」という質問です。この場合「まだやっていないわよね」という訊きかたをすると否定的になってしまいます。「食事が終わってから、宿題をやろうと思っているんでしょ」という融通のきいた肯定的な質問も可能です。





閉ざされた質問の効果は、答えを特定することでそれを足がかりとして子どもの心を知ることができることです。ただし、そうした質問ばかり続くと、訊問されているような圧迫感を与える可能性があります。ただ、気後れ気味の子どもには、このほうが答えやすくて心くばりになることがあります。





開かれた質問とは、「あの研究課題のあそこはどんな形に工夫してみたの?」「友だちの○○君は最近どうなの?」といったものです。こういう訊きかたでは「はい、いいえ」で答えにくいのですが、答えからキーワードを探して、「そう、○○君は元気がないんだ」とその気持ちについていけば、子どもは安心して話を続けることができます。





いずれにしても、子どもの表情を見ながら各々の利点を兼ね合わせた質問をすることが大切です。そうした質問やその対応の際に、特に注意したいことがあります。





「違いないよね」「決まっているでしょ」といった絶対表現より、「かもしれないわね」といった融通表現、あるいは余韻を残した表現をすることを心がけるということです。





子ども本人は何に対して不安なのか、わからないことが多いものです。まずそのことを理解してあげて、そこから問題発見の糸口を探していくようにしてあげてください。





子どもの本音がわかったら支持してあげましょう





わたしの好きな言葉に「眼聴耳視(げんちょうじし)」という言葉があります。京都の陶芸家、故河井寛次郎先生の言葉です。友人からこの造語のあることを聞き、京都五条坂の河井寛次郎記念館を訪ねました。





色紙に書いてあるこの言葉を見て、これが人が求めている心だと思いました。それ以来、相談室で子どもたちと向き合うとき、この心を大切にしています。





「子どもは何も言わないけれど、いま何をわたしに語ろうとしているのか、その気持ちを聴こうとすること」と、わたしなりにそう解釈しています。





この「眼で聴いて耳で視る」を働かせれば、子どもの気持ちを理解することは難しくないはずです。子どもは思春期になると、だんだんと口数が少なくなります。親との会話も重苦しい雰囲気になりがちです。ときには突っ張っていて、ふてぶてしい態度で話をしてきます。





でも本来、わたしは無口な子どもはいないと思っています。誰でもおなかのなかには言いたいことがたくさんつまっていると思います。その言いたいことを安心して吐き出せなくなっているのです。





とりわけ親から否定された経験の多い子どもは、言うことが怖くなったり、話をしていくエネルギーが出てこないのです。わたしは、子どもの語られない感情にこそ真実があると思っています。





親としては、子どもの声が耳に届いてきたことで、その姿を推しはかり視て、眼で見た事で声にならないその思いを聴くことが重要ではないでしょうか。





そして、子どもの本音がわかったら、”支持”してあげること忘れてはいけません。「すごいなあ」「やったわね」「なるほど、そうだよね」といった感じで、子どもたちの言動を認めてあげる言葉を、具体的に伝えることです。





みなさんのなかには、「そんなこと、子どもには言わなくてもわかる」と考える方がいるかもしれません。でも、言わなくては、子どもに支持されたときの印象が残らないのです。支持された原風景は、いざというときの踏ん張りになります。





はっきりと支持してあげることで、子どもたちの喜びは倍増します。認められたと強く意識し、それが次の活力につながるのです。特に子どもに限らず人が「うれしいなあ」と感じるのは、見えない努力を丸ごと「評価」してもらったときです。





ここでいう努力というのは「成果」ではありません。「結果」でもありません。成果が出なくても、結果が出なくても、努力したことを認めて丸ごと「評価」することです。





努力して報われる努力もありますが、報われない努力もあるのです。子どもはこうした大人の支えを得て、自信を深め、肯定感を持つことができます。この肯定感が、ストレスに耐える力を生み出すのです。





癒しへの導きとなるスキンシップ





聞き入って子どもの思いを受け入れる以外に、大切なアプローチの方法があります。それは「スキンシップ」です。スキンシップとは、心と心の触れ合いに対して、手を握ったり、肩に手を置いたり、体と体を触れ合うことです。





親と子が体が触れ合って、その触れ合いを直に感じることで、不安感は不思議と薄められ、親と子が身近な存在としてお互いに意識しあうのです。





こうした触れ合いは、何も特別なことではありません。自分の感情に素直になって、声かけするように自然とボディメッセージを送ることが大切です。わたしたちがさまざまなストレスに耐えながら、人の中で生きていけるのは人の温もりや優しさに出会えていればこそです。





無力な幼児が安心してスヤスヤと眠れるのは、親がしっかり抱きとめてくれるからです。スキンシップやハグ、ホールディング(抱っこ)は、無防備な、素直な自分になる心地よさと自己肯定感を獲得させてくれます。





誰でも肩の力が抜けるとやわらかな自分の心に出会えます。だからこそ、いくつになっても抱っこは恋しいのではないでしょうか。



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