「子どもの悪いストレス」をつくる親のひと言
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「子どもの悪いストレス」をつくる親のひと言

2020年04月02日(木)7:15 PM




わたしたちは、子どもを励ますためについ強い言葉を子どもにかけてしまいます。子どものためによかれと思って、子どもの将来を考えれば、ここでしっかりした教育をしておけなければと思って子どもに言葉をかけます。



「まだ、こんな点数で安心してはいけないよ」「お前はやればできる子なのに、残念だよ」「お母さんの子どもだから、大丈夫・・・・・・」



日頃、何気なく口にしている言葉が子どもたちにとってどのように映っているのか、考えてみたことはあるでしょうか励ましのつもりで、つい口にしてしまう言葉にも、子どもは内心で反発しています。



なぜなら、子どもの前途が親の前途になっているから不安で親は子どもを叱っているのです。子どもはそのことをとっくに見抜いています。だから、「子どものために叱っている」というのは嘘で、みんな「親のため、世間体」なのです。



そこをしっかりと踏まえてくれない言葉がけは、”押しつけ”であり、ストレスになっているのです。ときに励ます言葉が子どもを傷つけ、無用なストレスを生じさせる原因になっていることに気づいてほしいと思います。



子どもたちは、こうした言葉を言われ続けると、徐々に不満がたまり、心でどうにも対処できなくなり、いよいよ怒りの臨界点を迎えることになります。



そして、ある日、突然に態度が変わってしまいます。親に暴力をふるう、友人をいじめる、万引きをする、といった問題行動を起こす場合ももちろんあります。




それより後になってその深刻さがわかるのは、親との人間関係をあきらめて引きこもっていく場合です。物理的に部屋に閉じこもりがちになるだけではなく、コミュニケーションから完全に身を引いてしまいます。その場合、親子の対立がなく、一見平和なのです。そうした子どもからのストレスのサインに気づかない親は、次のようなひと言を再び発します。



「あの子、最近、本当に聞きわけがよくなってきたわ」「あいつも中学生になったら、急に無口になったよな・・・・・」親に心を閉ざし、仮面をかぶってしまった子どもたちに、親は「大人になった」「無駄なことを言わなくなり、利口になった」「親に似てきた」などと勘違いして、子どもの成長が順調であり、それがあたかも親の関わりの成果のように口にすることがあります。



「親がいたからここまで成長できたんだ。ありがたく思え、感謝したらどうだ」と言わんばかりです。親にその気がなくても、子どもにはそう聞こえてしまいます。



「結局、親は何もわかっていない」と、子どもは親との関係をあきらめていくのです。そして、子どもは内心では「なにを偉そうなことを言っているんだ。おれがどんな気持ちかも知らないで」と、ますます心は怒りで煮えたぎっていきます。



でも、「いい子」ほどその心を吐き出そうとはしません。トラブルを起こしてこれ以上ストレスを抱えたくないからです。それが心の濁りとなるのです。強迫性障害などはその濁り、汚れを取ろうと手を洗うような回避行為をします。



つまり、わたしたち親の期待が子どものストレスをつくり、また親の何気ないひと言が子どものストレスを拡大させているのです。しかし、親や周りから何も期待されない子どもはまた寂しいものです。子を思う親の思いの深さが、ときに押しの強さになることを、しっかりと親は自覚しておくことが大切です。



そして、その臨界点を感じた子どもが「もういいかげんにしてくれ」と言える家庭環境をつくることが大切です。親とケンカしても、仲直りできるとわかれば、ストレス過多になってもガス抜きができるのです。わたしはこれを「感情の小出し」と言っています。



ストレスの性質を決定するのは、出来事それ自体ではなく、わたしたちがストレスをどのように見るか、どのように関わったかによって違ってきます。ストレスを抱えたときの親子関係こそ、肯定のチャンスでもあるわけです。



努力して報われているときは励ましも意味をもちますが、努力しても報われないときは追いつめる言葉にしかなりません。そして、その努力をしたか、しないかと評価できるのは本人なのです。



ストレスは人格形成の糧となる



前述したように、親の期待が子どもにストレスを与えるというなら、子どもに何も期待しなければいいのでしょうか。親である以上、そんなことは不可能でしょう。そこまで極端でなくとも、「放任主義」をとっていれば、問題は起きないのでしょうか。



とくに思春期の子どもをもった親の中には、子どもの生活にまったく無関心で、何をしているのかを知ろうともしない親がいます。子どもが進路の相談をしても、「自分でやりたいことを見つけなさい」という調子で、押しつけのかけらもないという親です。



もっともやっかいなのが、それが「子どもの自主性」を育てていることなんだと思い込んでいる親です。子どもにとって、親から何も期待されないのもつらいものです。そういう親をもった子どもは、「自分は信用されているはず」と思う一方で、「うちの親は親としての責任を回避しているのではないだろうか」と満たされない気持ちになってしまいます。



ある男子高校生が、キャリアウーマンの母親に相談室でこう言ったことがあります。「何が主体性を尊重しただよ。お母さんは俺を保育園と学校と塾と偏差値教育にあずけっぱなしにしただけじゃないか」と。



思春期の子どもには、適度なストレスは必要です。むしろさまざまなストレスにさらされ肯定され、大人への準備をしていくのがこの時期の子どもたちの姿ではないでしょうか。



さかのぼって幼児期、児童期の子どもたちのことを考えると、幼稚園や保育園、小学校に入り、親子間とは異なる人間関係を経験すること自体、かなりのストレスといえます。



でも、こうした”娑婆”のストレスを経験し渡り歩いて子どもは成長するのです。そもそもストレスは外界からの刺激です。口はばったい言い方ですが、人間は本来遺伝子的要因だけで成長するわけではありません。



外界からの刺激、環境によって成長していくのです。狼に育てられた子どもの話は有名ですが、人は人の輪のなかに漂い人格を形成することができるのです。



ですから、外界からの刺激であるストレスは、人格の形成にとって欠かせないものといえます。ストレスは人格形成の糧となるものです。わたしたちは、このことをしっかり認識しておきたいものです。



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