ひきこもりに伴いやすい症状や問題行動
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ひきこもりに伴いやすい症状や問題行動

2020年04月01日(水)10:53 AM



学校に通ったり働いたりといった形での社会への参加や、家族以外との対人的な交流をほとんど持たなくなってしまい、自宅を中心とした生活を送るいわゆる「ひきこもり」状態を呈した人々に対する社会的な注目が近年非常に高まってきています。





臨床現場では、1970年代後半ごろより徐々に増加してきたのではないかと推測されていますが、ひきこもりを取り上げた書籍としては、田中千穂子氏の「ひきこもり『対話する関係』をとり戻すために」、斎藤環氏の「社会的ひきこもり」などが代表作といえるでしょう。





ひきこもり事例の正確な総数は不明ですが、数十万人から 百万人程度ではないかと推測されています。2000年、2002年と厚生労働省による全国規模の調査も行われ、ひきこもり事例の長期化や高齢化の実態が報告され、より良い援助の在り方が議論されています。





本論では、ひきこもりの精神病理について述べるに当たり、斎藤氏の「二十代後半までに問題化し、6カ月以上自宅にひきこもって社会参加をしない状態が持続しており、ほかの精神障害がその第一の原因とは考えにくいもの」という「社会的ひきこもり」の定義に準拠することとします。





この定義からわかるように、「社会的ひきこもり」はあくまで状態像であり、疾患名ではありません。また、ある精神障害が存在し、そのためにひきこもりが生じている場合は社会的ひきこもりとは言いません。





では、心の病気ではないとすれば単なる怠けや甘えなのかというと、ことはそう簡単な事態ではありません。もし怠け心からひきこもっているのであれば、状況が許す間はできるだけ長くひきこもりを続けたいと本人は考えるはずです。





しかし、実際はそうではありません。家族の目にはそのように映ったとしても、当の本人は何とかしてひきこもりから脱出したいと考えているものなのです。





これからひきこもりの精神病理について述べていきますが、それを理解していただければひきこもっているということがいかに大変な事態であるかをお分かりいただけると思います。





なお、このようなひきこもり状態にある人が世界の中でも突出して日本に多いと考えられることには、精神病理学的な観点からも社会経済的な観点からも非常に興味深いテーマでありますが、本論の守備範囲を超えることになるので割愛することにします。





ひきこもりに伴いやすい症状や問題行動





定義でも述べたように、そもそも何らかの精神障害が存在し、その症状のためにひきこもりが生じている場合には社会的ひきこもりとは言いません。





しかし、ひきこもり状態にある人は、様々な精神症状をともなうことが多く、その症状のために苦しみますますひきこもりを強めてしまいます。





なぜそのような精神症状を生じるかといえば、ひきこもっていること自体が様々な精神症状を引き起こす原因となりえるからです。ひきこもりに伴いやすい症状や問題行動について説明していきます。





不登校





不登校とひきこもりは、しばしば重なり合う状態です。就学年齢にあったり、何らかの学校に所属している人がひきこもると、必然的に不登校状態となってしまいます。





また、不登校からひきこもりに発展することも多く、斎藤氏はその率を約 20パーセントと推測しています。





不安、緊張、焦り





ひきこもっている人は、不安感や緊張感に常に苦しめられているといっても過言ではありません。一見、のんきにひきこもり生活を続けているように見えたとしても、心の中はいっときも穏やかな時がなく、強い不安や焦りを抱えて過ごしています。





ゲームなど、何か趣味のようなものに没頭していたとしても、実際には不安や緊張から気持をそらすためのことが多く本心からは楽しめていません。





睡眠障害





不眠や過眠、昼夜逆転などが起こりやすい。





家庭内暴力





一時的なものも含めると半数以上の症例に認められます。自分のひきこもりの原因が家族にあるとして怒りを向けることが多いです。また、後述する「退行」や「強迫症状」と関連することも多いです。





対人恐怖





いじめなどをきっかけに対人恐怖症が出現してひきこもり始める場合もありますが、対人接触の少ない状態を続けているうちに、対人恐怖症が強くなることが多いです。





被害関係念慮部分も





ひきこもり期間が長くなると「近所の人が自分の噂をしている」「人に白い目で見られている」など、被害的な訴えをすることがあります。





念慮というのは、確信にはいたっておらず、違うかもしれないがそのように思えるという状態です。ひきこもりという状況から十分了解可能なものでありますが、確信の度合いが強かったり内容が奇異な場合には統合失調症などの可能性も考慮しなければなりません。





強迫症状に





不合理な内容と自分でもわかっているにもかかわらず、ある考えが浮びそれを打ち消そうとしても不安が高まりかえって打ち消せないようなものを強迫観念、ある行為を繰り返しせずにはいられないものを強迫行為と言います。





手が汚れているような気がして何度も何度も手を洗わずにはいられない、トイレに行った後は入浴して下着をすべて着替えないと気がすまないといった不潔恐怖の形をとったり、生活のスケジュールや物事の手順を厳密に決めて少しでも狂うと許さないといった形をとることもあります。





そして、そのような行動に家族を巻き込み、要求がかなえられないと暴力に及ぶことも多いです。現状についての不安や焦燥に対する防衛として生じてきていると考えられる場合が多いです。





抑うつ症状





自分の状況に対する絶望感や罪悪感に伴う抑うつ気分です。死にたい気持ち(希死念慮)を持ったり自殺を図る(自殺企図)場合もあります。うつ病の症状としての抑うつ気分とは異なっており、うつ病と診断されることはほとんどありません。





退行





いわゆる子供返りの状態であり、依存的になったり、幼児のように甘えるなどの行動が見られます。子供が駄々をこねたりかんしゃくを起したりするような形で暴力に結びつきやすいです。長期間家族としか交流しないという状況から起ってくると考えられます。




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