2 8 歳のひきこもり男性の告白
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2 8 歳のひきこもり男性の告白

2020年03月18日(水)6:33 PM



以下の文章は、関東自立就労支援センターに相談に来ている男性の告白です。この男性は、「死なないと、ぼくの気持はわかってもらえないのでしょうか」と苦悩する日々を送っています。





市役所で管理職をしている父は、休みの日には家の手伝いをし、僕をドライブにも誘い怒ったりすることもなく、母に心配をかけるようなこともありませんでした。多分、周りの人たちから見ると良い父親だと思います。





でも僕には、父の心の温かさがなかなか伝わってきませんでした。口数が少なくて仕事の話もほとんどしないので何を考えているのか、正体がつかめませんでした。





どこか合理的というか理論的で、「冷たい人」と思うこともたびたびありました。褒めてくれたり、喜んでくれたりするにも”素直”ではなく感情の「裏付け」を説明してからするのです。





それがどこか他人行儀で、父の懐に「ストレート」に飛び込んでいけないもどかしさを、僕はいつも持っていました。そして僕は、中学二年生のころから自分も父親に似ていると思い始めたのです。僕は、そのことでとても苦しくなりました。





口数が少ないのではなく、話し方が分からなくなっていたのです。話すと相手もいうことも聞かなければならず、そして、その話に合わせないと関係が悪くなると思ってしまうのです。





それはとても疲れてしまうことなのです。僕は小さいころから、他人が何を考えてどうしたら友達になっていけるかということを誰からも見せられたり教えてもらったりしてこなかったのです。





特に父親は、人付き合いのお手本にはならなかったように思います。父は「自分らしさ」を強調する人でした。だから僕も自分にとって嫌な時はいやだと、いい時は自分はこうしたいと理由をつけて主張するような変な癖がついていました。





その結果、正しいと思って「自分らしさ」を言い続けていたら、一人になってしまいました。友達からは「理屈が多い」とか「屁理屈をこねまわして」とか言われ、僕の気持ちとは反対に友達はどんどん遠ざかっていってしまいました。





僕はどうやったら友達と親しくなれるのかと悩んで、無理して話しかけてみようと努力しましたが、自分のみんなの中から浮いてしまい、人間関係が空回りしていることに気づき、僕には友達ができないと思い込んでしまったのです。





それから口数は少ないというよりも話さなくなり、話しかけられる場からも遠ざかるようになりました。「暗い」「何を考えているのかわからないやつ」と言われるようになり、僕は学校に行くと心の中ではパニック状態となり、キレそうになりました。





成績が下がったことを理由にして、不登校したのも本当は嘘で、もうこの孤独の状態に耐えられる方法は家にいるしかなかったのです。友だちの前で、そんな「みじめ」な自分をさらけ出さなくていいように逃げ出すしかなかったのです。





不登校が僕の精神的安定を 得る、パニックから病気にならないための一つの「治療」だったのです。両親は担任や相談所の指導で冷静に対応してくれて、特に何も言いませんでした。それはそれでよかったのですが、僕の人間関係の悩みは消えませんでした。





そのうちに友達は高校を卒業し、大学に進学しました。僕は心の底から友達が欲しくてたまりませんでした。これから先、この大学を卒業する友達と生きていけるのかと非常に不安になりました。





でも、自分から友達を求めていく方法も見当がつかず、意欲もありませんでした。20歳を迎えると、父親はいきなり怒鳴り出して「働け!」と言い出しました。僕は父親を「するい男」と思いました。





何も僕のことが分かっていなかったのです。働けるくらいなら学校に行っていました。僕は集団の中で立ち振る舞うことができない人間なんです。





そんな僕に対して、父はこの数年間、何もしてくれなかったんです。「人間関係が楽にできる人間になりたい」と両親にずっと言ってきたのに、父親はいつもそのことから逃げてばかりいて具体的に何も教えてくれなかったのです。





父は「見守っていた」といいますが、僕には「傍観」としか思えません。僕は今、この父に「お前は病気だ」といわれ続けています。でも僕は、父は無責任だと思います。父は生きられでも、父に似た僕は生きられないのです。友達とも親しくなれないという苦しみが、僕が死なないと父にはわかってもらえないのでしょうか。





そしてもっと大きな苦しみは、自分はいつまで両親にこんなことを言っているのかという無力感です。家を出て一人暮らしを始めて、早く一人前の人間になりたいんです。わかっていただけますか 、僕の気持ちが・・・・・・・。





こんなことを言っているのは、世界中で僕だけなのでしょうか。


「私から」


これは、明日が見えない苦海の中で懸命に生きているうめきです。人で傷ついた心は、人でしか癒すことはできません。





でも、せめて傷ついた苦しい胸の内を誰かに語ることで、ひとまずはほっと一息つけるものです。





そして、人間関係を取り結ぶための第一歩を踏み出すことも可能になります。



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団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
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理事:
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住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援