ひきこもりのコミュニケーション不全
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ひきこもりのコミュニケーション不全

2020年02月03日(月)12:09 AM





コミュニケーション不全の子どもは、「せめぎあって、折り合って、お互いさま」という世界がイメージできません。




相談に来たある子どもは、こんなふうに言っていました。「せめぎ合うだけ、折り合うだけならわかりますが、お互いさまはほとんどわかりません。





そして、それがつながらないんです」せめぎ合うとは、お互いに本音を言うこと、換言すればアサーション(自己主張)です。ただ、最近、アサーション・トレーニングやディベートが注目されていますが、これらは使い方を間違えると大変なことになります。




正しいからといって、何を言ってもいいとはかぎりません。人にはそのことに触れてもいいときと悪いときがあります。相手も大切にするアサーションを勉強していく必要があります。




一見いい子は本音を言わないことがあります。トラブルを起こしたくない気持ちも働いています。実態としては「抑圧」です。そして、、抑圧になじんでしまうと絡み合うことをあきらめて、「いい子」に安住することがあります。



結果、人に甘えるのが下手になり、プライドばかりが高く、「自分」を維持しようとします。「いい子」が意外にがんこなところがあるのも、それです。そして、日ごろから感情の小出しがトレーニングされていないので、ときに一気に爆発することがあります。




これが、いわゆる「キレる」という現象であり、感情調整の能力が育っていないのです。折り合うとは、人に歩み寄る、近づく努力をすることです。ときには矛盾も引き受けなければなりませんが、それを自分だけが我慢していると思ったら大間違いで、一方では、他人を我慢させてもいます。



つまり、お互いさまなのです。ある子はこんなふうに言っています。「僕がけんかしても仲直りできるんだというコミュニケーションを身につけていたら、不登校にもひきこもりにもならなかったと思います。




でも、僕は喧嘩即決裂で、自分の意見を譲ることが敗北に思えてしまうんです」これは、「せめぎあって、折り合って、お互いさま」という営みがない典型例です。




喧嘩しても仲直りできる、ということがイメージできなかったら、対立することが非常に怖くなります。対立が怖いから、集団の場も拒否しがちになります。人と触れ合いたいのに、触れ合えなくなります。




人間関係の修復能力に自信がなく、新たな関係を築くまでのあいまいさに耐えきれないのです。誰だって、折り合うときには、多かれ少なかれわずらわしさやうっとうしさを覚えるものです。




しかし、そうしたことを経験してこそ、人間関係のわずらわしさやうっとうしさに堪える力を身につけることができるのです。




最近の若者には、あいまいさに堪えられないという特徴がありますが、人間関係のわずらわしさやあいまいさを経験してこそ、間の取り方が身につくのです。




ところが最近、日常生活の中で、折り合う、歩み寄る、譲り合うということが非常に少なくなってきています。「せめぎ合って、折り合って、お互いさま」の中で、人間関係の修復能力を学べば、人と喧嘩をしても、仲直りができます。




これは理屈ではなく、身をもって体験していかなければなりません。人は仲直りの「納期」はわかりませんが、いつか分かり合える日がくるのです。




子育ての中で伝えていかなければならないのは、情緒を豊かにすることです。情緒は、人間同士が絡み合ってこそ獲得できるものです。いくらひとりで本を読んでいても、人間関係の機微など理解できないし、ましてや身につくものでもありません。




ある大学生は、「やさしさについて、文章はいくらでも書けます。しかし、僕にはどうすることがやさしさなのかよくわかりません」と言っていましたが、人は相手のことを思うから矛盾を抱えるのであり、そのときにやさしさや思いやりを感じるのです。




この「思う」ということは、言葉を聞くのではなく、気持ちを聞くということです。気持ちを聞くには手間がかかります。その苦労に人は折り合う可能性、お互い様の世界を見るのではないでしょうか。




ところが、これまでの戦後の日本社会は、この気持ちを聞く生活を、経済的豊かさを求めるあまり軽視してきたのです。だから見たことのみで判断する生活を作り上げてきました。そして、とかく白黒を決めつけるようなコミュニケーションに傾くしかなかったのです。



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