ひきこもりと神経症
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ひきこもりと神経症

2020年01月31日(金)3:46 PM






親たちは、不登校・ひきこもりの原因を、いじめや教師との軋轢などに求める傾向があります。





しかし、対人関係や対人不安の問題が、いじめより多く、また思春期の社会不安障害やうつ状態の問題も、不登校の発生に大きく関わっていると思われます。不登校や引きこもりに陥った人を、すべて「正常心理」で捉えようとすることは、神主義的にすぎると思われます。





不登校や引きこもりの過程で、「正常心理」を見失うこともあること、思春期の心の病によって、不登校や引きこもりに陥ることがあることは、医学的に見て当然といえます。





私がそのようなことを指摘するのには、理由があります。ひきこもり外来を訪れた125名の8割以上に、ごく軽い疾患も含めて、精神医学的な診断をつけることが可能でした。





かなりの高率で抑うつ状態や社会不安障害(対人恐怖)が先行することが明らかになったといえます。不登校や引きこもりの過程で、精神症状をきたす場合もあります。





不登校の好発年齢でもある中学1年を対象にした統計調査では、4%の生徒に抑うつ症状が認められたという報告がなされています。生まれて初めて心身ともに不安定化する思春期・前青年期において、うつ状態や社会不安障害をきたしても不思議ではないのです。





思春期のうつ状態や社会不安障害の知識が、親にも教師にも不足するままに、心の病が見落とされてしまう可能性があります。18年引きこもった青年は、「過敏性大腸」の症状が不登校の当初から存在し、引きこもり期間中もずっとあったと述べています。





これは、早期発見・早期対応があれば、予後が違っていた可能性を示すケースといえます。うつ状態や社会不安障害は、不登校や引きこもりによって、さらに悪化することがあります。摂食障害などのわかりやすい症状を伴う疾患ですら、親も教師も気付かないことがあります。





授業中に「本を読みなさい」と指されて、過度の緊張から震え・動悸・発汗をきたし、不登校・引きこもりになった男性は、22年後に支援者の援助によって来院するまでは、社会不安障害の存在について気付かれることはありませんでした。





ひきこもりに合併するうつ病が、普通のうつ病(定型うつ病)と症状が異なる可能性もあります。過食・過眠・昼夜逆転、批判への鋭敏さ、回避行動などは、典型的ではないのですが、うつ病の可能性があるのです。





社会不安障害の回避症状として引きこもった場合に、うつ病・うつ状態になる可能性は高くなります。当事者が、ひきこもりのなかで、神経症やうつ病や摂食障害を進行させること、長期化の中でパーソナリティ生涯として先鋭化することなど、親にも周囲にも極めてわかりにくい点です。





ひきこもりは、医師のもとを訪れることが極端に少ないために、医学的な研究では無論のこと、医療現場でも認識されにくい状態にあり、今後の医学的な解明が待たれるところです。



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