ひきこもりの対話復活への足がかり
ホーム > ひきこもりの対話復活への足がかり

ひきこもりの対話復活への足がかり

2020年01月27日(月)12:35 PM




他人との関係を拒絶し、精神的、物理的いずれにしろ、人間関係からひきこもる若者たちが増加しています。




なかにはもっとも心を開いていいはずの家族とさえ、何年も言葉を交わさない深刻なケースも少なくありませんが、その実数については推論で言えても、対象がひきこもっているだけに、なかなか明らかにはなりません。




ただ、このテーマを相談活動を通して10年くらい前からテレビ、新聞、雑誌などでわずかに紹介するだけなのに、その反響の大きさにわたしは驚かされます。




とくに2000年になってひきこもり状況に関連した若者が悲しい事件を連続的に引き起こしたこともあって、マスコミはかなりの時間と紙面をさいて容疑者の若者とひきこもりを報道しました。




その結果、ひきこもりはコミュニケーション不全という理解の原点が軽視され、怠け、「危険な状態」という不安、恐怖心だけが印象づけられ、ひとり歩きした感じがします。




さて、それはともかく、関東自立就労支援センターに問い合わせてくる若者の多くは、「僕みたいにひきこもっている人が他にもいたんですね。少し安心しました」とつぶやきます。




本人も周りも、これまで互いの存在が見えなかったのです。彼らの存在は、学校を卒業したり、自主退学したりしたその時点に社会から消えていたのです。「そういえば、その後、あの子はどうしているのだろう」と、「行方不明」を心配するのは、同窓会などが開催されたときくらいでしょう。




進路指導の対象からもれていた不登校や高校中退者の「その後」は手がかりさえ見つけることができず、忘却のかなたに押しやられているのが実態です。




ひきこもりの長期化には、学校や職場など、次なる仲間集団の場に旅立ちきれず、社会、さらには家族からの孤立を選択して、自閉状況をつくりだすこともあります。




そして、相談に来る親子に出会うたびに、最近になって顕著になってきた新卒者の若者たちの就職拒否の傾向も、能動的コミュニケーションについていけないひきこもりの延長線上にあるのではないかとわたしには思えてきます。その多くは人と触れ合いたいのに、触れ合えないでいるのです。怠けでもなんでもなく、コミュニケーション不全なのです。




とくに20代を迎えると、自立をより強く意識するために、同世代からの置き去り感、社会や親からの見捨てられ感が増幅し、わずらわしい人間関係を避け、将来への不安と緊張の日々を余儀なくされる事態も起こってきます。




ここで言う自立とは、社会的責任のともなうコミュニケーション能力のことです。近年の成人式に全国で見られる若者たちの未熟さは、自立の「適齢期」に見直しを迫るものだと思います。




彼らの抱える本質的な課題は、たんに学校とか職場に限定されたものではなく、社会における人間関係そのものの取り結び方です。人間関係を強制されたとき、その人の輪の中でどう漂っていったらいいのかがわからずに悩んでいるのです。




だから、学校が職場に変わったからといって、10代から20代に年齢を重ねたからといって、その悩みが解消されるものではありません。




関東自立就労支援センターの相談室には、こうした悩みを抱える若者、その親御さんたちが、せつなく、つらく、心細く、さびしい気持ちに押しつぶされるかのようにしてやってきます。また、スタッフの度重なる家庭訪問を経て、やっとの思いでたどりつく若者もいます。




その悩みや孤独を、自らの体を傷つけてまで、せめて親にだけでもわかってほしいとひたすら願い続けながらも裏切られたと、くやし涙にむせぶ若者もいます。




いずれにせよ、彼らはひとりの自己責任をとれる人間として先行きへの不安を、心おきなく話すことができ、受け止めてもらえるコミュニケーションの起点の場を探しています。




そして、そんなコミュニケーション復活への足がかりとして、わたしたちのような第三者としての相談相手が存在しているのではないでしょうか。



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援