ひきこもりと親の人生
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ひきこもりと親の人生

2020年01月25日(土)12:24 AM




「楽しむ」というと甘やかせばよいのかと誤解する人たちがいます。「連れてきてください」というと、無理やり拉致することかと言う人がいます。親のこの極端さは、何なのでしょうか。




たいていの場合、親自身の生活や考え方に余裕がないときに、こうした発言になります。ひきこもり当事者ではなく、親のほうが切羽詰まった状態なのです。




親たちの世代は、がむしゃらに働いてきた世代です「24時間働けますか」とCMに後押しされ、栄養ドリンクを飲み続けて頑張ってきた世代です。




父親は産業戦士として、母親は専業主婦として子供の教育へのめりこみました。そして、好景気を支え、バブルを演出しました。ところが、バブルは弾け、せっかく育てた子供たちが就職時になると、就職氷河期になっていたのです。




頑張ってきた親の目論見は、こうして崩れ去ってしまいました。年間の自殺者が3万人を超えるようになって10年近くになります。主に中高年男性がリストラや倒産で経済的破綻をきたし、それが原因で自殺した人が増えたことが、その理由とされています。




自殺まで追い詰められた彼らの気持ちを察するとつらいものがありますが、仕事以外にも楽しみや価値観を持っていれば、違った結果になったと考えられます。




がむしゃらであることは、時には必要ですが、それしかない、という価値観に陥ると「別の生活を楽しむ」ことができなくなり、行き場がなくなって、社会からの撤退=ひきこもりだったのです。




「これしかない」と思い込んでいる親が、多様な生活を送り、それを楽しむことは、短期的に身につくことではありません。しかし、親が別の価値観を探して、生き方を変えようと努力すれば、当事者にもその努力は伝わります。実はそれがとても大切なのです。




夫婦でも、親子でも、よもやま話、世間話などの会話を楽しむ、食事や散歩や軽スポーツなどをともに楽しむことは、家族間の雰囲気を根本的に変えます。




親の態度が変化すると、当事者も変化していきます。これはよく見られる現象です。定年退職後の人生設計はできていますか?がむしゃら世代は、ともすれば定年がゴールと思いがちです。ゴールした後は、余生、つまりおまけの人生と考えてはいないでしょうか。




しかし、平均寿命が延びた現在、定年後の人生はとても長くなりました。余生とするには、あまりにも長い期間です。なぜ私がこんなことを言うのかと言えば、ひきこもり当事者の年齢が上がることは、そのまま親の年齢も上がり、80代の親の元で、50代の息子がひきこもり当事者ということもあるからです。




それは現実としてあるのです。80代の父親が一喝して40台の当事者を外来、居場所に連れてきたケースもあります。70代では、何人も息子の引き出しに成功しています。体力的な低下は、スポーツや散歩を心掛けることや知恵を働かすことで補充できます。




親が高齢になったからと言って、我が子の引きこもりをあきらめないでほしいのです。歳を重ねたからできることも多いのです。




定年後に発想転換して生き方を変えることは、困難を伴うと考えられがちです。退職は仕事から解放される期待でいっぱいですが、すぐにそれは、不安と喪失感に変わります。




会社、仲間という帰属する集団があり、その中で仕事をし、人生を歩んできた人にとって、それらがなくなるのは喪失体験であり、孤独につながります。




でも、これはチャンスでもあります。発想の転換をするまたとない機会と言えます。我が子とじっくり向き合うこともできます。また、親の会に参加することもできます。




居場所で、若い人との交流も可能となるのです。会社人間として経験できなかったことが、定年退職し、我が子と向き合うことで体験できるのです。



これぞまさしく、人生の転換であり、価値観の転換です。これを機会に「産業カウンセラー」「ひきこもり相談員・支援員」などに挑戦して、心の健康の問題にチャレンジすることも面白い展開と言えます。




しかし、ここで注意してほしいのは、会社の規範、つまり部下と上司の関係を応用したりしないことです。なぜなのか、それは父親を再び「会社人間」に引き戻すことになってしまうからです。




ひきこもり当事者が部下で、父親が上司ではないのです。それと同時に、ひきこもり問題にだけ取り組むことは「がむしゃら時代」に戻ることにつながりますので、そこも注意が必要です。がむしゃらに自分を追いつめ、追い込んでしまうのは、ひきこもり当事者を追いつめ、追い込んでしまうことにつながるのです。




ですので、定年退職後は、様々な事柄に挑戦してほしいと思います。時代の新しい取り組みとしては、パソコンにチャレンジすることもいいでしょう。




パソコンは、便利で面白い機器であり、今やなくてなならないツールです。若者に教わることは刺激的な体験です。パソコンを挟んで、親と当事者の会話が開始されることもあります。アナログ世代が、60歳を過ぎてデジタル化されていく自分を発見することも面白い体験となるのです。



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