経済成長と引きこもりの子どもたち
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経済成長と引きこもりの子どもたち

2020年01月24日(金)2:01 PM







毎年夏に、文部科学省の学校基本統計調査が発表されます。ここで中心テーマになるのが不登校、登校拒否です。




その数は、義務教育における児童・生徒で13万人(2018年8月発表)を越え、高校中退者も10万人を数えています。このような状況を重く見た文部科学省は、不登校・登校拒否その後の子供たちの実態調査に乗り出すことを決定しました。




不登校・登校拒否をし、「形式卒業」した子供たち、あるいは高校を中退した若者が、20歳位を過ぎた今、どうしているのでしょうか。そしてもう一つ、大学生の就職拒否が新しいテーマとして加わってきました。




就職しない若者たちの中には大学院、研究生などへの進学者も含まれていますが、無業者と言われる若者たちが11%も占めています。それだけではなく職場、学校、さらに家族の中にもその存在が証明されない、行方不明という若者たちが確かにいるのです。




私のところに相談に来る親の言葉でわかりやすく言うと「うちの子は大学を卒業してもまだ、親のすねをかじってぶらぶらしてるんですよ」ということです。就職しない若者たちの増加が、就職拒否(ニート)という問題として大きなテーマになって久しいです。




私はこの「ひきこもり」現象は不登校・登校拒否として現れた子供たちの心の問題を、人間関係のスリム化で先送りしてきた結果だと思うのです(これだけが理由ではありませんが)。




それは、子どもたちの心が多様な人間関係の中で育ってきていないということであり、私たち大人が自らの人間関係を「すっきり、さっぱり、さわやかに」と粗末にしてきた結果なのだと思います。




「僕は人間関係がつらい、わからない、信じられない」引きこもる子どもたち、若者たちの呟きは、人と人との関係を取り結ぶ関係を強制されることがつらい、うっとうしい、めんどくさいということを現しています。




だからといって街に出ないわけではなく(出られない人もいますが)、時には友達とお酒を飲んだり、ライブにも行ったりします。その場が「人間関係を強制」されなかったらなんということはないようです。




大切なことは、ひきこもりイコール閉じこもりというわけではないということです。学校や職場にはいっていても、うっとうしい人間関係からは一切身を引いていることも多々あります。




親から見れば、唐突に引きこもってしまったように見えるケースが多いのはそのためです。子どもたちがどんな人間関係を築いているかを見るのは、大切なことです。




例えば、人に見つめられると緊張するのは当たり前のことです。なぜなら、その人に人間関係を強制されたからです。どんな言葉が投げかけられるかわからない、相手がどんなリアクションするのかわからないのですから。




私は講演会で、よく会場の中を歩きます。それを見た20代の若者が言いました。「恐ろしくないんですか、あんなことして」。講演会といえば、普通、講師は舞台や演台から動かないものです。




それでお互いの間が保証されているから、聞く方も安心していられます。ところが私の講演会では、私はみなさんの中に入っていくこと、触れ合っていくことをするわけです。




でも、いきなりそんなことをするわけではなく、この人はどんな人かなと、間を推し測りながら近づいていきます。不思議なもので、はじめは緊張していても、だんだんと仲良くなっていきます。




けれど、その間を推し測るのが苦手な人から見たら、それは恐ろしいことなのでしょう。自分から人間関係を求めるというのは相手を巻き込んでいくことであり、そのリスクを私が背負っていくからです。




引きこもる子どもたちがわからないのは、その間のとり方と言ってもいいでしょう。そんな若者たちが、日本が高度経済成長に入る昭和40年の出生から増えてきています。




その後、日本社会は、人間関係を合理化して生産性向上を追求しながらひたすら突っ走ってきました。




「人間関係がつらいから就職できない、学校に行けない」と言う我が子の言葉に、「父さんだって人間関係は辛くても会社に行ってるんだ」とつぶやく親子の心の違いはどこにあるのでしょうか。



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