不登校の子どもたちの討論会の様子
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不登校の子どもたちの討論会の様子

2020年01月01日(水)12:33 PM





ここでは関東自立就労支援センターに来ている十二歳以上の不登校の子どもたち七名に、自由にいろいろ語ってもらった討論会の様子を記載したいと思います。





N 「朝、起きるのはバラバラだけど、四日前は昼の三時頃だったよ。学校の先生に会ったときなんかは、よく眠れなくてね。帰ってから頭が痛くなったりするんだ。今、高校に行こうかどうしようか迷っているんだ」





T 「僕が起きるのは朝の九時くらいだよ。高校に入ってから行かなくなって、二、三ヶ月したら夏休みになったんで、今は板前のバイトをしています。時間がもったいないから、来年、高校を受け直したいと思っています」





S 「小三の夏休み明けから行かなくなって、私立の中学に入ったんだけど、寮でうまくいかなくて学校も行かなくなっちゃった。それで、もしかしたら、寮でなければ大丈夫かもしれない、その学校は高校になれば下宿をしてもいいことになっているしと思って、高校に入ってからまた行き始めたんだ。でも、すべてうまくいってるわけじゃない。
勉強は好きだけど、先生と合わないし、クラスで浮いている感じがするし・・・・。僕が政治のことを話題にすると、何を言ってるんだろう、という感じなんだ。僕は軍事的なことに興味があるんだけど、学校が左翼的なところだから、即、戦争が好きだと思われてしまうし。
社会の授業で、「戦争が好きな人なんていないだろう?」と先生が言ったら、クラス中のみんなで僕のほうを注目するんだ。あの視線の恐怖ったらなかった。
自分は車やファッションなんかに興味があるのと同じ意味で、兵器に興味があるんだと言ってるのに、話を聞いてくれないんだ。深く追求すると逃げるし、変わったしつこい奴だと思われるだけ」





K 「日によって起きる時間はバラバラです。学校には、「行きたいなあ」と思うこともあって、たまに行っています。でも、行くと疲れてしまって五時ごろから寝てしまいます。そうしないと体がもたない感じなんです。
たまに学校に行くと、「なんで来たんだろう?」って思うんだけど、家にいると行きたくなるのよね。秋に中学校の相談学級に行ってみたら楽しくて、「学校ってこんなものだったんだ」と思って、それで高校に行きたくなったの。将来は看護士になりたいと思っていたし」





J 「僕は、朝の六時に起きて駅員のアルバイトに行っています。学校には小学四年の五月から行ってません。そのころは体調を崩して、病人のような状態だったらしいんだけど、どのように苦しかったのかは全然覚えていないんです。
それで、五、六年のときは、僕は電車が好きなので小遣いがあるうちは関東一円あちらこちらの電車に乗りに行って、お金がなくなると家でゲームをするという生活をしていました。それで、小学六年の冬から不登校の子どもたちが集まるたまり場みたいなところに行くようになって、中学三年から勉強を始めました。
だから、高校に行くことも難しいし、めんどくさいし・・・・・・・。やればできたかもしれないけれど、みんなが高校、高校と迷っているのを見て、僕はあんなみっともない真似はしたくない。高校に行かなくても、立派に出世してみせるってガンと決意したんです」





~学校は深い話ができないところなんだろうか?~





S 「まじめに話そうとしても、相手にしてくれない感じ」





K 「小学校のときは、まじめな話を聞いてくれる人がいたんだけど、中学に入ると、部活やなんかで忙しくなっちゃって、話がなかなかできないんだよね」





J 「ちゃんと聞いてくれないのは、疲れているからなのかなあ?忙しいから、真剣に聞くのが面倒くさくなるんだろうか?」





S 「まだ未成年なんだから、そんなことを言うのは大人になって、選挙権が手に入ってからにしたら?っていう奴がいるんだけど、それでは未成年だったら何もするなってことになる。たとえば、兵器に興味を持つのはこういうことでいけないんだ、と反論してくるなら話し合いになるし、理解し合えるのに」





Y 「聞こうともしないんだよね。それで、こっちがどんどん言うと避けちゃって、わたし、わかんないって言うの」





J 「そういう態度が、学校では軽い話が主流になるということの根っこにあるのかなあ?」





~高校に行くことについて、みんなはどう考えてる?~





H 「僕は不登校のキャリアは長いんだけど、学力はないから、定時制やなんかに行ってもついていけないかもしれない。だから、夜間中学に行って、できるところからやってみるのがいいかもなんて考えているんだ。それに、つき合いはないのに、なぜか今でも小学校のときの友だちに未練があってね。
今、あんまり友だちがいないからなあ。友だちはほしいよね。やっぱり勉強よりは友だちかな」





Y 「わたしは看護士になりたいから、その資格を取るために高校に行こうと思ってるの。中卒だと准看護士にしかなれないから」





J 「だけど、目標のためにあと五年も我慢できるの?」





Y 「日本じゃなくて、発展途上国なんかで看護士をしたいし、性格的に完璧主義のところがあるのよね」





T 「でも、中卒で専門学校に行って、准看護士になってから経験を積んで国家試験を受けて看護士になる道もあるはずだよ」





S 「僕は結局、楽して高卒の資格がほしいから、今の高校に行ってるんだ。しかし、これからどうしたらいいんだろう。あと二年半したら、高校を卒業してしまうんだよ」





J 「高卒の資格があれば、その後、生きるのずいぶん楽だろ?俺は高卒の資格がないから、これから先、定職に就くまでそうとう波乱万丈だよ。もしかしたらプーさんやっているかもしれない。でも、高卒の資格があったらほんとに安心なのかなあ。その先はまだわからないだろう?」





H 「僕は高校には行きたいとは思っているんだけど、高校に行って何するの?って聞かれると困っちゃうんだよね。そこらへんで、僕は行くってどういうことなんだろうかって考えちゃう」





F 「僕は今の高校をやめようと思っています。選択が失敗だったので、来年やりなおそうと思って・・・・・・。単位制だったら、ゆっくり時間をかけてやれると思うから」





M 「わたしは中学のときに不登校をして、今、定時制の高校に行っています。だけどわたし、小さいときから外国に行きたくて、今度、全寮制の学校に替わる事にしたの。そこの学校に行くと、カナダの学校に留学できるから」





~高校(学校)でやっていけない人が、普通の社会でやっていけるのかって言う人がよくいるけど、どう思う?~





J 「こういうのって、よくある議論なんだよね。普通の厳しい学校に行けなくなって、私立の学校に転校する、ところがそこがキリスト教の学校だったりすると、またきつくなってくる。今度は私立の自由な学校に変わったらそこもダメで、フリースクールに来たら、またここも合わないって・・・・・・・・。
そういうのって、それぞれの場所をランクみたいに考えているんだよね。だけど、そんなのあんまり関係ないよ。あ、そうだ、会社なんかではどうですか?





K 「会社はね、仕事さえやっていれば大丈夫。会社に逆らわないかぎりは。いやだったら別の会社に行けばいいのよ。会社や学校は一つじゃないでしょう。それに、学校は我慢して行っても何にもならないけれど、会社は行ったらお金もらえるのよね。
わたしはある出版社に編集で入ったのに、会社の本が売れなくなってしまったので経理にまわされちゃって。しばらく電卓を我慢してたたいていたけど、どうしても本が作りたくてやめちゃった。
本を作る学校に通うようになって、その関係でここにも子どもたちの話を聞きたいと、わざわざ来ているの」





~学校に行かなくなって得をしたことは何かある?~





S 「学校に行かない時間がなかったら、政治になんて興味を持たなかったかもしれないな」





H 「日本は戦争で民間人をあまり殺さなかったとか言っているけど、本当はたくさん殺しているんだよね。お母さんは、学校の教育の本をいろいろ調べていて、学校の教育に欠けていた事を教えてくれたんだ」





J 「それは、学校に行かなくなったから、親子で話す余裕が生まれたということかなあ?」





S 「学校に行かないで、お母さんといろいろ話していると、世代の断絶なんて嘘みたい、と感じるときがあるよね」





M 「うちも家族が仲良くなったよ。余裕が出てきたし、いろいろなことを考えるようになったし、友だちがあっちこっちにできた。学校に行ってたときも友だちはいたけれど、表面的なつきあいだったし・・・・・。
あと、お父さんを尊敬するようになったよ。いろいろなことを考えてるし、いろいろなことを知っているので」





話題は流れに任せて縦横無尽でした。大いに笑い転げながらも、思いのたけを吐き出した人もあり、迷いをありのままに語った人もいました。





つまるところ、自分だけの、一回きりのこれからの人生に対する答えが出たわけではありません。誰もが何らかの不安を抱えて、それでも生き生きと、みずみずしい「いま」を生きています。





安心して語り合える雰囲気の中で、その事実を分かち合えたことそのものが、そこに居合わせたわたしの貴重な体験でした。



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団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援