いじめによる不登校とその事例
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いじめによる不登校とその事例

2019年12月29日(日)12:07 PM




いじめは、不登校、ひきこもりになる大きな要因です。昔からいじめは存在していましたが、ここしばらくは、その様子が少々変わってきているようです。





最近は、いじめを統率するような親分格の子どもがいなくて、いつ、誰がいじめにあってもおかしくない状況になっています。





また、いじめ方も陰湿なものが多く、その加減が分からない場合も多いようです。結果、いじめられた子どもの自殺、いじめによる殺人にまで至ってしまうケースもあります。





共通して言えることに、いじめっ子の親はその子を妙にかばいたがるということがあります。そういう親に育てられている子がいじめる側に回るケースが多いです。





人を思いやる気持ちが親にも欠けているのかもしれません。また、いじめる側、いじめられている側の親双方とも、子どもを観察することが不十分です。





見ようとしていないから見えないのです。見たくないという気持ちが見えなくしてしまっているのかもしれません。いじめられている子というのは、見ていればすぐにわかります。





表情が暗く、乏しいです。字も小さくて弱々しいものです。いじめられれば、当然学校に行きたくなくなります。そして最初は学校に行かず、家にいることによって守られるのですが、親がいじめに気づかないとますます家から出られないようになります。





そのようなとき、無理をして学校に行かせるのは子どもにとってはマイナスでしかありません。子どもの気持ちも分からず、「なんで学校に行かないの!」などと叱り、無理やり学校に行かせればまたいじめにあい、さらに行くのが嫌になりひきこもりにならざるをえません。





いじめられている子どもたちが一番嫌な時間は、昼休みです。他の休み時間よりも長いので、どうやって時間を使っていいのか分からないのです。





みんなが楽しそうに遊んでいるのに、一人だけぽつんと座っていて、それが毎日繰り返されるのであるから、子どもにとっては非常な苦痛となります。





教師はできるだけいっしょに昼食を食べるなどして、とにかく早く生徒に時間の使い方がうまくできるように話し相手になってあげてほしいと思います。





それによって、昼休みに対する不安が消えていきます。また、女の子の場合、いじめられると心に傷を負ってしまうことが多いです。それが症状に出て、拒食症になったり過食症になったりします。





最近顕著なことですが、いじめられた子が、あるときから突然いじめっ子の仲間に加えられ、ほかの子をいじめる側に回ることがあります。





いじめる側になると、逆に快感になってしまいます。いじめることでいじめられることから逃れられるということもあります。いじめの場合、わたしはカウンセリング技法のひとつとして「見えない椅子」というものをやることがあります。





いじめられている子は、自分が言いたい不満を直接いじめっ子に言えないわけですが、わたしとその子の二人だけの部屋でいじめっ子が前に座っていると仮定して、それに対して本当の心の中を話してもらうのです。





初めは遠慮して小さい声で文句を言っているのですが、しだいにどんどん強い口調になって話していきます。全部吐き出したところで、今度は逆の立場になってもらいます。





その子に「自分をいじめる」いじめっ子をやってもらうのです。そして、いじめられている「自分」に対して、いじめっ子である「自分」が、どうしてどういう気持ちでいじめていたのかということを話させます。その中でどうして自分がいじめられていたのか気づくことがあります。いじめる側、いじめられる自分、双方の立場を理解できるのです。





この方法は効果が高いです。まず何にしろ、いじめの原因はその親にあるケースが多いです。だから、子どもをカウンセリングして変えていっても、親が変わらなければ同じです。





ケースごとに慎重で我慢強い対応が必要となります。また、親自身が会社等でいじめにあっている場合もあります。そうしたとき、家庭内は当然暗くなり、家族同士の会話も少なくなります。少なくとも、子どもには影響のないように親が考えて、気を配っていかなければなりません。





「いじめの事例」





16歳の女の子です。両親ともに教師です。友達との付き合いが小学生の頃からまったくできず、浮いてしまっていたようです。普通は思春期になればある程度は親から独立していくのですが、その子は親の言いなりで、親をそのまま映したような感じの子になってしまっていました。





たとえば、いろいろな悪さを他の子がやると、すぐに先生に言いにいきます。それが正しいことだと思っていて、融通がききません。それでクラスの他の子どもたちから総スカンを食らってしまいます。親の過保護な教育のせいで、親離れがまったくできていませんでした。





高校に入学したときも、子どものことなのに代わりに全部親がいちいち担任に電話をかけていたようです。それも毎日のように・・・・。





子どもが担任に聞くべきことをみんな親がしてくるので、子どもの自主性が欠けてしまいます。子どもも親の言うことが全部正しいと思っていて、いじめにあっても自分で立ち直る力がありませんでした。





表情に乏しく、ほとんど笑うことがありません。家庭の中でも笑いがなく、勉強の話くらいしか話題がないといいます。この子の場合は、わたしと話をしていても、ほとんどわたしの目を見ることができませんでした。話していても、最初はうなずくこともなかなかしてくれませんでした。





人間不信に陥っていたのかもしれません。ただ、勉強の話なら少しは反応があるので、わたしはそのあたりから話していきました。「はい」、「いいえ」で答えられるような話をしていくと、うなずいたり首を振ったりという反応が出てきました。





また、この子はカウンセリングの時間を苦痛と感じるようなので、コラージュ療法を採り入れました。コラージュ療法とは、雑誌やパンフレットなどを切り抜き、画用紙にのりで貼り付けていくものです。





何気なく作った作品の中に、大きな意味が込められていることが多いのです。たとえば、重ね貼りをしている場合は、先に貼って隠されてしまったところに抱えている悩みが隠されていることがあります。





また全体的なイメージが明るいか暗いか、動きがあるかないか、攻撃的かどうか、人が貼られているかどうか、全体的なバランスはどうか、などいろいろ見ていく中で分かってくることがたくさんあります。





この子の場合は、人があまり貼られておらず、貼られていても重ね貼りされて顔が隠されていたり、切り取られたりしていました。





作品を通して質問していく中で、ぽつんぽつんと声が出てきて、「ああ、こういう声だったのか」と分かったりします。「この人なら分かってくれる」という気持ちが子どもに出てきて、初めてそうなれるのです。





また子ども自身が問題を乗り越える方法に気づいたりすることもあります。コラージュ療法は、自分の気持ちを画用紙の中に表現することができるので、自然治癒力もあります。





一方、親は自分の家庭が当たり前だと思っているので、育て方の間違いに気づいていません。だから、両親に対してもよく説明しないといけません。





この子は小学生のときからずっといじめられてきており、その間、友達はいませんでしたが、その原因が自分たち親にあることにまったく気づいていませんでした。





また、両親自体が不仲ということもあり、余計に母親が偏った愛情をその子に注ぎ、過保護になってしまっていました。そこで、父親と母親を一人ずつ呼んで話をしました。





母親は「この子の趣味は勉強ですから」と言いました。そして親にも表情がありませんでした。わたしはこの親たちが笑っているのを見たことがありません。



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