不登校の子どもの自己肯定感
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不登校の子どもの自己肯定感

2019年12月27日(金)1:35 AM





不登校の子どもの親のカウンセリングをやっていますと、ときどき聞かされるのは、不登校の子どもが小さいときのことをよく聞きたがるということです。





自分が小さいときどうだったとか、お父さんとお母さんが好き同士で、愛し合って自分が生まれてきたんだということを話してもらうとものすごく喜びます。





たとえ今はケンカして仲がよくなくても、生まれてきたときはお父さんとお母さんが愛し合っていたということを知ると喜ぶのはなぜなのでしょうか。





今、自分は不登校というかたちで苦しみ、もがき、自信を失っている、でも、お父さんとお母さんが好き同士で自分が生まれてきたことは、お父さんやお母さんにとって大きな喜びであっただろう、そう考えると、自分が生まれてきて、この世に存在して生きていること自体が、かけがえのない価値や意味があるんだ、という手ごたえを持たせてもらえるからです。





自分の存在自体が肯定される、自分が存在すること自体が意味のあることなんだという手ごたえを持てる、「たとえ自分がダメなところや弱いところをいっぱいもっていたとしても、この自分が生きていることはいいことなんだ」というふうに自分を肯定できるような心、それをわたしは、「自己肯定感」と言っています。





わたしの言っている自己肯定感というのは、自分に何か人に自慢できるすばらしいところがあるから、あるいは人の期待に応えて認めてもらえるところがあるから肯定する、という意味ではありません。





人の期待には応えられない、ダメなところや弱いところを全部含めて、そのような自分が生きていることがいいことなんだというレベルでの、自分を肯定できる感覚のことです。





そういう自己肯定感というのが、どうも希薄になっているのではないかと思います。そのような存在レベルを英語で「being」と言いますが、それが希薄になると人の期待に応えることを一生懸命やって認められてはじめて、自分を肯定できるということになります。





例えて言えば、マッチ売りの少女みたいな感じです。マッチ売りの少女は寒い中で、マッチ一本の軸をすって束の間の明かりで暖をとります。





身体全体が暖まるようなものではありません。しかし、まったくないよりはましですから、一生懸命マッチをすって束の間の暖かさを求めるのです。





それと一緒で、存在のレベルで自分を肯定できない人は、一生懸命人の期待に応えて何かをすることで、束の間の安心を得ようとするのです。





今の子どもたちが、そのような生き方をしているように見えて仕方がないのです。それは子どもたちだけではなく、大人も含めてそうなっているのではないかという気がします。





「タイプA」の人





「タイプA」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本の企業戦士の中には、狭心症とか心筋梗塞とかの心臓疾患で亡くなる方が少なくありません。





あれは虚血性心疾患と言いますが、いまや日本では、ガンに続いて死因の第二位です。働きすぎの人がよくなりますが、これになりやすいタイプの人を「タイプA」と言います。





それは、できるだけ短い時間に、できるだけたくさんのことをやろうとして、時間に追われるようにムキになって突っ走るようなタイプの人です。





これを言い出したのは、アメリカのフリードマンとローゼマンという心臓専門のお医者さんです。心筋梗塞や狭心症のような病気にかかる人、あるいはかかりやすい人を調べてみると、一つのタイプがあることが分かったのです。





いついつまでにそれを仕上げようと自分に締め切りを課して、常に時間の切迫感を感じている人です。わたしもせっかちなところがありますが、皆が”せっかち病”にかかっているのです。





人生を締め切りでいっぱいにして、人生の楽しみを閉め出して生きている、何か自分を罰しようとしているかのような感じすらします。





そういう人は、自分の値打ちを成し遂げる業績の数ではかります。それを同僚や上司に認められることで安心します。「業績、業績」と走っていないと不安でしかたがない、絶えずつきまとう不安を鎮めようとして走り続ける、そんな人生です。





いったい何のために、何を求めて走り続けているのでしょうか。家庭を顧みずに走り続けて、いろいろな仕事を片付けて片付けて、その先に何か至福の人生が待っているのでしょうか。





第一、人生に完全に成し遂げ、それで安心して死ねるということはありえないことでしょう。定年退職してやっと片付いた、さあこれからというときには何も残っていない、そんなことがたくさんあるのではないでしょうか。





そうやって急いで、その暁に、急ぐということを意味づけしても、何かが待ってくれているということは、わたしはたぶん幻想だろうと思います。





人生を楽しみたいならば、まず今を楽しむことから始めなければいけません。わたしたちはいつの間にか、このタイプAの生き方に追いやられてしまっているのではないでしょうか。





業績主義の価値観で自分自身を追いたて、子どもの人生にも締め切りをたくさん設けて追い立てる、こんな状態になっていないだろうかと思います。



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