ひきこもりの最初の時期
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ひきこもりの最初の時期

2019年12月26日(木)12:42 AM





ひきこもりの最初の時期は、「混乱期」です。これは、不登校の場合で言うと、イライラして不安定で、ときに暴力的行為も現れる「不穏期」に相当します。
ある時から急に部屋から出なくなる、声をかけても返事をしなくなる、顔が見られない、といったことが起きます。





本人自身は、どうしたらいいか分からず、的確な対処ができずに混乱しているという状況です。この時期は、親と同居していると、親のほうも平静でいられなくなり、いっしょになって混乱してしまいます。





新たな事態ですから、誰でも混乱して当たり前です。余計な心配をしてしまう時期ですが、時期が時期だけに仕方がありません。もっとも、単身で暮らしていての引きこもりの場合、本人は親に知られないような努力をしますので、親の混乱は先送りされます。





しかし、いずれ状況を知ったときには、やはり親は混乱します。つまり、最初の時期は誰しもが混乱してしまうのですが、一般にこの時期はあまり長く続きません。





「余計なことはしない」





ここで大切なことは、何よりも余計なことをしないということです。病院に無理やり連れて行くとか、強引に立て直しを図ろうとすると、その分だけ混乱が長く続きます。





無理をして本人のストレスが高まると、ときには暴力的な行為を引き起こすこともあります。ですから、この時期の心構えは、「混乱は長く続かない」ということです。





周囲の人たち、特に親は、今の状態は果てしなく続くことはないんだから、余計なことはしないようにしようという思いで、少し距離を置いて見守るようにすると早く(最低限必要な時間をかけるだけで)終わります。





「暴力への対処」





この時期、身体的な暴力行為が起こることがあります。一般には親、それも母親に向かうことが多いのですが、暴力への対処の基本は、とにかくそこに身を置かないことです。その場面を回避すること、逃げることです。ただし、逃げるにも逃げ方があります。きちんと逃げることが大切です。





「親のほうから子どもに寄り添う」





一つだけ気をつけなければならないのは、少し距離を置いて見守るという作業です。ただ単に、遠巻きに監視していても十分ではありません。





混乱している本人には、時間も必要ですが、その間の支えも必要です。本人が混乱の時期を乗り越えるまでの間、親のほうから子どもに寄り添ってあげることが対応の重要ポイントになります。





「気持ちを言葉に」





では具体的に、何をすればいいのかということになります。もし、本人から親に対していろいろな訴えができるのであれば、否定せず、「そうだね」「なるほど」「そんなふうに思っているんだ」といった受け答えをしていけばいいのです。





もしかすると、「こんなことになったのは、お母(父)さんがちゃんとしてくれなかったからだ」「ろくでもない親に育てられて、自分はこうなってしまった。どうしてくれるんだ」などと責められることがあるかもしれません。





そんなとき、「いまさらそんなことを言われたって、どうしようもないでしょ」「これでも親として、精一杯やってきたつもりだよ」などと受け答えしても、本人はなかなか納得しません。





自分の思いが拒否されていると感じるからです。また、あまり言われるので根負けして、「ごめんね」「お母さんが悪かったよ」と子どもに謝ってみても同じことです。





親が謝ることで、親はこちらの今の苦しさを帳消しにしようとしていると受け取られるだけです。拒否してみても、謝ってみても、子どものほうでは受け入れられたとは感じないのです。





では、ここでは何と言えばいいのでしょう。難しい言葉は必要ありません。「あんたも、ひどい目にあったね」「子どもは親を選べないものね」「こんな親だから、文句の一つも言いたくなるよね」といった応答でいいのです。





もう一度、今の言葉を読み返してみてください。これは、どれもその時の本人の気持ちを言葉にしたものです。目の前の本人が考えていることを、親のほうで言葉に置き換えただけです。





人は自分の思いと異なることを言われるとストレスとなり、ときには傷つくことがあります。でも、自分の思っていることをそのまま言葉にして言われても、決して傷つくことはありません。むしろ、ほっとして少し余裕が生まれてくるものです。わたしはこのことを「心をつかう」と言っています。





「侵入に対する警戒信号」





ただし、ここで「ひどい目にあったの?」「文句の一つも言いたくなるの?」などと、子どもの気持ちに深りを入れるような言い方になると、状況は一変します。





これは子どもの心の中に親が手を突っ込んで、何があるのか引っ張り出そうという言い方です。子どもは親の侵入に対して、警戒信号を出し、いきなり心の殻を硬く閉じます。





そのことにエネルギーを使ってしまうので、余裕を持ってものごとを考えることができなくなります。そんな状態の子どもに「じゃあ、どうすればいいの?」と答を求めても、考えは深まりません。





どんな反応が返ってくるかというと、うつむいて黙り込むか、「うるせえ、このクソババア!!」と反発してくるかのどちらかになります。





こんなことにならないように、注意深く対応することが必要です。この「子どもの気持ちを言葉にする」というのは、思春期・青年期の親子関係のキーワードとして、プロセスのいずれの時期にも出てきます。



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