少年事件と集団性
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少年事件と集団性

2019年12月19日(木)10:05 PM






マスコミでは少年による衝撃的な事件が以前から数多く報道されてきました。1997年、神戸で起こった「酒鬼薔薇事件」、2000年の佐賀バスジャック事件などは、数多くの事件の中でも人々の心に強く残っていると思います。





これらは、一人の少年が起こした事件です。マスコミに報道される少年事件のほとんどは、このような単独犯です。だから、一般の人たちは、少年事件といえば、こうした単独犯の事件が大部分だと思っているかもしれません。





この認識は、実はまったく間違っています。仲間がいる事件を共犯事件と呼びますが、その割合は大人よりも少年のほうがはるかに多く、強盗、傷害など重大事件に限ってみると、5倍も高いのです。





だから、専門家は、集団性こそが少年事件の特徴であると見ています。専門家の認識とマスコミ報道の印象とは、どうしてこんなに違うのでしょうか。少年非行の大半は万引きやバイク盗で、そのほとんどが集団で行われるものです。





少年による凶悪事件の中で、数が多いのは恐喝や窃盗(おやじ狩り、ひったくり)ですが、これも仲間といっしょに行われるケースが多く、単独犯は極めて少数です。一方、マスコミ報道されるのは、そのほとんどが殺人です。少年による殺人事件は極めて稀です。





さまざまな事件で警察に逮捕される少年の数は、1年間に約20万人にものぼりますが、このうち殺人事件を犯した者は100人くらいで、全体の0.05%に過ぎません。





マスコミは衝撃的な殺人事件だけを選んで取り上げます。それは実は非行のごく一部なのですが、そこでは単独犯が比較的多いのです。





殺人事件を犯した少年には特有の性格的な特徴が見られます。彼らはいくつかのタイプに分かれますが、どのタイプも同年代のほかの少年たちとうまくやっていけるタイプではありません。その意味で、殺人事件を起こす少年は、一般の少年たちとは明らかに違った特殊なタイプです。





これに対して、万引き、バイク窃盗、ひったくりなどをする少年たちの多くは、ごく普通の少年たちです。彼らの非行には、本人の特異な性格のためというよりも、むしろ思春期の心理が色濃く反映されています。その結果として、集団性という特徴が生じるわけですが、これはどういう意味でしょうか。





思春期の子どもたちにとって、友だちや仲間はとても大切なものです。子どもたちは、仲間に嫌われたり、排斥されないように一生懸命に行動します。





友だちと過ごす時間が長くなり、その中で彼らはさまざまな情報を交換します。友だちネットワークは、この頃から子どもたちにとって最も重要な情報源となります。友だちはまた、子どもの好み、関心、活動などにも大きな影響を与えます。





それは、子どもたちが親しい友だちの考え方や好みを抵抗なく受け入れるからです。友だちの中に、非行や不良行為をするものがいると、他の子どもたちもその影響を受けます。





万引きは誰でもできる簡単なことだと思うようになり、しなければ損だと思うようにすらなります。男の子の多くはバイクに興味を持ちますが、免許もないのに親に買ってもらうことはできません。





「その辺に停めてあるミニバイクなら、簡単に乗り回せるよ」と友だちに言われると、乗ってみたくなります。集団で悪さをしていると、どうしても悪いことをしているという罪悪感が薄れてしまいます。





仲間同士で盛り上がって、遊びの延長のような軽い感覚で非行に至ります。当然、集団でやったからといって罪が軽くなるとか、許してもらえるということはないのですが、当人たちは気軽にやっているので、「たいしたことではないだろう」と、都合の良い解釈をします。





こうした友だちの影響で行われる非行は、どの子にも起こりうることです。友だちの中に特に非行性の高い子どもが含まれていなくても、普通の子どもたちの集団でも、危険な行為が行われることが多々あります。





集団心理には、そうした危険な面があります。仲間といっしょだと気が大きくなり、不安や冷静な判断力が低下し、危険で向こう見ずなことをしやすくなります。





また、集団になると、罪悪感や責任感が低下して、悪いことをしているという意識が弱まります。それに、仲間の前で勇気があるところを見せようと思ったり、あるいは、仲間がいるので後に引けないといった気持ちも生じてきます。





このように、集団心理は、さまざまな意味で、子どもたちに反社会的行為を促す傾向を持っています。このことには、親はもちろん、子ども自身も注意が必要だと思います。



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