ひきこもりの相談は早ければ早いほど効果的
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ひきこもりの相談は早ければ早いほど効果的

2019年12月14日(土)1:29 AM





ひきこもりの相談には、初めに誰が来るのでしょう。当事者の場合もまれにありますが、多くは家族(特に母親)です。相談を受けていつも思うのは、もっと早く相談があったなら、ここまで深刻化していなかったということです。





そして思い起こすのは、今でも動けない若者たちのことです。ひきこもりを軽く見ているのか、恥ずべき事として隠しているのでしょうか。適切な支援や援助があれば、多くの若者は自立できるのです。





早ければ早いほど、確実に自立できるというのが、今のわたしの経験からの思いです。多くの相談は、時間が経過して二次的な困難が生じていたり、気力を失ってしまってからやこだわりがいっそう頑なになってからです。





事例





Bさんのケース





学習困難、自分から話しかけたり働きかけたりすることが苦手、自分の意見を言えない、という小学校3年生のある女の子は、3学期頃から頭痛を訴えて保健室に来たり、遅刻しがちになったりしていました。





4年生になって、母親に内緒で登校したふりをして休むということが分かり、担任から相談を受けました。母親はまじめで子育てにも関心が高いほうですが、仕事の多忙さから彼女の寂しさに気づいていなかったのです。





特に兄や弟と比べられることで、自信をなくしていることが大きかったようです。自信や安心を持たせる話しかけや接し方を話し合いました。母親に少し見通しが持てたようです。





担任も、クラスのなかで彼女が話しやすい友達を座席の近くに置き、学習がわからないときにすぐに相談ができるように工夫しました。5年に進級するときも本人の気持ちを聞き、相談をし、本人の居場所が確保できるメンバーを加えることにしました。





6年生になって休まなくなり、友達もでき、学習はゆっくりですが自分のやり方で進めています。このケースは、早期に適切な対応をすれば不登校を回避することができたいい例です。





学齢期の子供の場合、支援の手立てはたくさんあります。しかし卒業後、就労してからの支援が難しいのです。先日も、昨年大学を出て就職している若者を連れて、父親が相談に来ました。





父親も本人も「まわりの人が気を配ってくれるよい職場ですが、気を使わせているようで、このことが気になる」と言います。職場に行きづらいと本人が言い出したので、相談に来られたのです。





「病院の診断をもらって自分に合った仕事を探しましょう」と話したら、すぐに実行し、職もIT関係の仕事がすぐに見つかりひきこもりにはいたりませんでした。このような例もまれにはありますが、学齢期以降の支援は難しく時間がかかります。





支援・援助者は安心とつながりの支え





支援者の仕事とは何でしょう。医師も教師も、家族だって支援者といえますが、ここでいう支援者とは違います。正しい判断と適切な支援が絶対ですが、これはひとりではできません。





揺れ動く心の問題ですから、医師だって1回の診察で正しく判定するのは難しいでしょう。判定に家族の目は重要ですが、家族が正しく観察できるとも言い切れません。





複数人の時間をかけた観察や判断の交流が、正しい診断のために必要です。診断から支援のあり方が、これも相談のなかから決められるのです。客観的に見る第三者、医師やその他の支援制度や施設とつなぐ人、これが支援者です。





支援を行い、そこでの変化や反応が、次の判定の貴重な資料となります。状態は揺れ動き個性的です。この状態の判断によって診断され、支援のあり方が決まります。





家族だけが見守る場合、「状態」と「適切な支援」の善し悪しの判断を家族だけが行うことになりますが、きわめて難しい問題です。





また、病院を利用していても、病院は時間的に制約があって、多くの医者は支援者のように常に連絡を取り合い、日々変わっていく若者と会い、支援について相談する、そんなことはできません。若者の支援で重要な役割を果たすのは、家族です。





緊張し不安と不満の強い状態の若者にとって、まわりが不安を表していてはますます状態は深刻になります。「家族を支える」とよく言われますが、それは家族が安心して当事者を見守ることができるように支援・援助することです。





家族の気分や対応で子供に変化が見られるのですから、これは非常に重要な役割です。家族との相談や交流会を重ねることで、親自身が元気になる、安心することで家族関係が改善していく、若者が自分の長所を生かし活動を始める、そして、家族が動き始める、このようなことが起きてくる例を、わたしはいくつも見てきました。





ひきこもりは長く続くことが多いことも、覚悟する必要があります。荒れる時期は短く終わっても、閉じこもりから外へ出始めても、ひきこもりが終わっても、ひきこもりから脱出できたわけではありません。





ほとんどすべての人は、まだまだ支援が必要で、放置すると再びひきこもり感が目立ったり、苦しくなったりするのです。「自立できたかできなかったかの決定的な違いは何か」と問われたら、わたしは即座に「最後まで支援者といっしょに歩んでいるか否かにある」と言うでしょう。





親は青年を励ましながら、あきらめないこと、そのために支援者は気を配ることが大切です。



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