不登校の心理的精神的な状態を正しく評価する
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不登校の心理的精神的な状態を正しく評価する

2019年12月12日(木)5:24 PM






多くの聞き取りや報告では、突然不登校に入るのではなく、登校時になると逡巡、下校時の疲れきった表情、宿題も学習もしなくなった投げやりな生活など、これまでとは違った態度が見られたようで、これは不登校の前兆と思われると述べています。学校で異常な緊張を見せた小学生や中学生が、その後突然不登校になった例が多いようです。





外出を嫌がったり友人との遊びをしなくなるなどの閉じこもり型、怠けに見える無気力型、腹痛や頭痛を訴える心身症型、クラスや学校への不満や批判を言い続ける不満・不服型、友達や教師を怖がる不安・恐怖型、母親や弟などにあたったり部屋の壁をたたいたりするパニック衝動型などがあげられます。





心身症型では、熱が出たり、血圧が上がるなど確かな症状が出ることもあります。不満型や恐怖型には、特定の教科や行事を嫌がり、特定の教師や友達との関係を問題にするなど対象者をはっきり名指しする場合がありますが、名指しされた人が必ずしも主要な要因ではないことも多々あります。





このような兆候が見られるのですが、兆候がなかったとする家族も、その後の検討で、見過ごしていたことを思い出されることが多いですから、前兆はきっと誰にでもあるように思います。





不登校・ひきこもりの状態に陥る前に、不登校感があり、それが徐々に強くなるのですから、接触や観察が密であれば見い出すことができると思われます。





ただ核家族、孤立した地域関係、多忙な親や家族が多くなっている現在、観察者となる人が少なく接触も希薄になり、この前兆に気づかないまま見過ごされる場合が多くなるのでしょう。





親兄弟の接触が、不登校を未然に防ぐ重要な力になることは、過去いくつもの例が報告されています。学齢期は、若者と違って必ず複数の接触や観察があります。すべてとはいえませんが、前兆を見つけ出す機会や条件は高いと思われます。





A君の場合





A君とは10年も前に出会いました。相談を続けているなかで、これが不登校の兆候だったと思われる生活がありました。中学生になって、母親に反抗する態度が目立ち始めました。





勉強に関してやる気がなくなり、塾へも通わせましたがうまくいきませんでした。勉強での注意に、特に親に対して強く反抗しました。友達がだんだん限られてきて、中3の最後まで付き合ったひとりは、彼の言うままに行動する子でした。





そして、卒業近くになってほとんど登校しなくなったのです。担任が進学できる高等学校を決め、そこへ入学しましたが、そのまま不登校になりました。





T君の場合





中3になって1週間後、突然不登校になりました。それまで、学校では本当に目立たない子でした。小さいときからそうだったし、一人っ子だからと母親はあまり気にしていませんでした。





母親はある施設のインストラクターとして毎日勤務し、ときどき帰りが遅くなります。父親は口数の少ないおとなしいタイプで、彼が中学生になってすぐ単身赴任になり、月に3、3回しか家に戻ってきません。





父が単身赴任を始めた頃から、友達と離れるようになってきたようですが、勉強はあまりしませんでしたが悪い点を取るわけではなく、目立つ行動もないので、親も教師も気にしていなかったのです。





中2になって誰とも話をしなくなりました。学校では「寡黙症」を疑い、病院へ行くように勧めましたが、家では母親の質問には答えるのでそのままにしていました。





A子さんの場合





小学6年生の3学期から不登校になりましたが、中学校では居場所に通って中3の卒業期には本当に元気になり、高校へ進学しました。





彼女は小学生の頃は活発で身体も大きく、成績もよく、クラスのまとめ役でした。小学5年の6月頃、家に帰るとカバンを放ったままテレビを見るようになりました。





両親と、同居していた祖父母の4人でさかんに説得したり、学校の先生にもお願いし、なだめたりしたそうです。しかし、学校でも勉強をしなくなり、誰とも話さなくなりました。





前兆はマイナスの行動だけではありません。逆に突然はりきりだし、勉強やクラスの仕事に完璧を求めだした中2の女子が、中3から不登校になった例や、5年生ではりきって6年生で不登校になった男子、進学校を目指し、希望通り入学した早々に「もういいでしょう」と不登校になった高校生の男子の例を知っています。





緊張はプラス面の行動としても顕れる場合もあります。不登校の前兆は、さまざまな形態を取りますが、明らかにこれまでの生活とは違ってくると思われます。





羅列すれば、①こだわりが強くなる、②完璧・潔癖症が強まる、③無気力・気力が減少する、④不安感・気にしすぎ、⑤いらいらする、⑥すぐ切れる、⑦対人関係が弱くなり友達との関係が弱くなる、特定の友達に限られ、友人関係が狭くなる、⑨はっきりした病気ではないが、身体がだるいなどの症状、愁訴感、⑩物忘れが増える、⑪寝不足を訴えながら、寝つきが悪くなる、⑫生活のリズム・メリハリが弱まる、⑬ゲームやテレビに熱中する、などをあげることができます。






これらは日常的にあることで、特に怠けは不登校の前兆と区別がつきません。つい叱咤激励や、慰め・いたわりで説得しがちです。子どもや若者にとって怠けは本意ではありません。





行動は、感情によって支えられて生まれるのですから、怠けざるをえない精神的状態を示しているのです。これらを引き起こしている「問題」を探るべきです。その原因は何かを探り、心理的精神的な状態を正しく評価することが支援に欠かせません。



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