不登校が生み出す不登校
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不登校が生み出す不登校

2019年12月03日(火)5:11 PM

 

 

 

 

当たり前のことですが、不登校は欠席が続く問題です。そもそもなぜ欠席が続くのでしょうか。不登校となった結果、欠席を続けさせる要因が新しく生み出されたからです。

 

 

 

 

 

そのために、不登校では欠席が続くようになります。つまり、不登校の状態が、不登校を生み出すという悪循環が生まれるのです。

 

 

 

 

 

不登校を維持、悪化させる要因は、さまざまです。子どもの中では、大別して行動の面、感情の面、思考の面の三つの側面で新たな維持、悪化要因が生まれます。

 

 

 

 

 

行動面では、「学校の不快な場面を避けた」という安心感、安堵感が起きます。この安堵感が、翌日に学校を避ける動きを強めます。

 

 

 

 

 

これは、動物の生存本能が引き起こす、身を守るための学習です。この力は強く、少々の登校への意思は弾き飛ばされてしまいます。

 

 

 

 

 

それが不登校を強めるように働き出します。また、子どもは連日学校の不快な場面を想像します。それが感情面での不快感を悪化させていきます。

 

 

 

 

 

そして、思考の側面では、「自分はダメだ」という考えが頭をめぐります。「思い通りに登校できない」ことと、「学校を不快に感じる」ことの二つが、「自分はダメだ」という意識を強めます。

 

 

 

 

 

一方、周囲の者の関わりが、問題を維持させ、悪化させる場合もあります。普通、保護者や教師は、「不登校だ」と気づくと、それを解決しようとします。

 

 

 

 

 

さまざまな解決に向けた努力が払われます。この努力が、かえって問題を悪化させるように働くこともあります。もちろん、保護者や教師が適切に動き、解決していく場合も多いでしょう。

 

 

 

 

 

ですが、周囲の努力や工夫の範囲で問題が解決しないので、長期にわたる不登校に発展していくのです。

 

 

 

 

 

生活空間の狭まりを防ぐ

 

 

 

 

 

この不登校問題の維持、悪化の要因が端的に表れるのは、子どもの生活空間が狭まることです。不登校の初期段階では、担任や友人と会え、放課後には一緒に遊ぶ子どもも多いです。

 

 

 

 

 

しかし、しだいに子どもは外出を控えるようになります。出会う人間を制限していきます。これが、ここでいう「生活空間の狭まり」です。

 

 

 

 

 

ここでは、生活空間の狭まりのメカニズムに触れ、その解決策を考えたいと思います。なぜなら、専門家らの研究によれば、子どもの生活空間の狭まりに働きかけることが、不登校問題では最初の段階から最後の段階まで、一貫して重要であるとの結果が導き出されたからです。

 

 

 

 

 

これは、複数のカウンセラーが扱ったさまざまな不登校事例60例を集め、各事例でカウンセラーの行った対応が、不登校の状態にもたらす影響について調べたものです。

 

 

 

 

 

その結果、不登校のすべての期間で、「対人積極性」の改善が、登校行動の改善と密接に関連していることが明らかになりました。

 

 

 

 

 

そして、「対人積極性」がよくなるためには、生活空間を拡大させる関わりが、大きな影響力を持つことも示されました。このように、不登校の最中は、生活空間の狭まりを避け、生活空間を拡大させることは、最初から最後まで重要な関わりなのです。

 

 

 

 

 

さて、実際に、生活空間の狭まりは、どの程度起きるのでしょうか。不登校体験者の追跡調査では、中学三年生時の不登校状態が、どのような不利益や苦労を生み出したのかを調べています。

 

 

 

 

 

この項目で、半数以上が挙げたのは、以下の三項目でした。いちばん多かったのは、「小中学校のころ不登校であったため、生活リズムが崩れ苦労してきましたか?」で、「おおいにあった」と「少しあった」を合わせて、合計63%が苦労していました。

 

 

 

 

 

ついで多かったのは、「学力や知識が足りず、受験や仕事などで苦労したことがある」で、58%が肯定しています。また、「現在他人との関わりに不安を感じることがありますか?」では、53%が対人関係上の不安を感じるとしています。

 

 

 

 

 

この三項目のうち、最後の項目の「他人との関わりに不安」は、生活空間の狭まりと密接に関連すると考えられます。そもそも不登校は、学校を不快に感じ、それを避けることです。

 

 

 

 

 

そして、不登校では、人間関係の不調が問題のきっかけになる場合が多いのです。そのため、人に対する不安や緊張を感じる事例が多くなります。

 

 

 

 

 

対人場面で不快感を味わうと、人に対して不安や緊張を抱くようになります。そのために、人との関わりを避けようとします。これは、ごく自然な防衛反応だと思います。

 

 

 

 

 

不安や緊張に限らず、一般に感情が変化するときには、「二つの法則」が存在します。第一の法則は、「繰り返せば繰り返すほど、そこで感じる感情が強くなる」点です。

 

 

 

 

 

たとえばこのことは、特定の場面で不安や恐れを感じることが繰り返されると、その場面で不安や恐れをますます強く感じるようになるということを意味します。

 

 

 

 

 

そして、第二の法則は、「ある特定の感情を感じている場面や状況で、別の場面や状況が同時に加えられると、別の新しい場面や状況でも、同じような感情が起きやすくなる」ことです。

 

 

 

 

 

このことは、特定の場面での不安や緊張などの不快感が強くなると、それに関連するほかの類似した場面での不安や緊張も強くなることを意味します。

 

 

 

 

 

感情の問題に理屈は通用しません。不快に感じればそれを避けたくなります。不快に感じる対象が広がれば、避ける場面が広がるので行動範囲がより狭くなってしまいます。

 

 

 

 

 

外出を控え、外出する時間を自制するようになります。このように、生活空間の狭まりがあるときには、その背景に人に関わるときの不安や緊張があると考えてよいのです。

 

 

 

 

 

さて、人に関わるときの不安と、不登校の予後とは、どのような関連があるのでしょうか。先述のように、不登校体験者の半数以上が20歳時点で人に関わるときに不安を感じていました。

 

 

 

 

 

他人との関わりに不安を感じることと、不登校体験が成人となった自分にマイナスの影響を与えている程度との関係を調べた結果があります。

 

 

 

 

 

それによれば、「かつて不登校であったことが、マイナスに影響していると感じている」と答えた人のうち、77%が人に関わる不安を感じているとしていました。

 

 

 

 

 

これに対して、「マイナスに影響していると感じない」と答えた人の場合では、現在対人不安を感じる人は33%に過ぎませんでした。

 

 

 

 

 

不登校問題が予後の適応に与える影響という意味でも、対人不安を軽減することが重要なのは、ここにも示されているのです。

 

 



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