ひきこもりに対すると親としての対応
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ひきこもりに対すると親としての対応

2019年11月28日(木)7:07 AM







ひきこもり状態に陥った子どもを持つ親が、どのように対応したらよいかについては、このブログでも折に触れて述べてきましたが、ここでその点についてまとめておきたいと思います。





そこでまず第一に述べておきたいことは、現在のところひきこもりについては、確立した支援法は存在しないということです。このことは、どんなにお金をかけても有名な専門家に支援を依頼しても、それだけで改善されることはないという点を受け入れることです。





その意味では、人に頼むだけではどうしようもありません。親が自分で子どもの成長過程に何らかの形でかかわり直すことが重要で、そのための支援を受けることは、多くの場合有効です。





ただ、ここで述べておきたいことは、十分な子育てをしてこなかったと非難されているように受け取らないでいただきたいことです。





ほとんどの親が、これまで採ってきた子育ての方法は、子どものために良かれと願って行ってきたことなのです。





しかし、たとえば、親が子どものためを考えることが、ある場面では子どもにとって圧力になったり、閉塞感をつくり出していることがあります。





それは、子どもが幼かったころには適切であった方法がいまの年齢になると不適切であったりすることがあるからです。





しかし、だからといってすべてを手控えてしまい、「羹に懲りて膾を吹く」ことにはならないでください。子どもが何かを求めるサインを出したときに、それを正しく受けとめて対応することはとても大切なので、親が専門家の援助を得て子どもの心の状態を理解し、そのサインを読み取る力をつけていただくことが社会復帰に向けて動き出すチャンスをものにすることができるか否かの分かれ道になることがあります。





第二に必要なことは、怠けとは違うという点をはっきり認めることです。ひきこもり状態にある子どもたちは、自ら好んでひきこもっているわけではなく、外に出ようにも出られないでいて、そのうえ出られないことを悩んだり、自分を責めたりしています。





その原因は、本人自身にも必ずしも明らかではないので、その状態を第三者が理解することはいっそう難しいことですが、出口のない心理的な葛藤を抱えて苦しんでいることは間違いないところです。





そこで、この点だけでも理解してその悩みを共有していただきたいものです。そしてできれば、本人が安心していられる場所を家庭内につくり、回復を信じて待つことではないかと思います。





第三は、ひきこもり状態は、親、学校、社会との関係など多面的な要因のなかでつくられてきていることです。そのなかで、親と子の関係も、過去と現在を含めて関わっているということを理解していただくことです。





もし、この状態を子どもの側に生じている心の病気と見てしまうと、子どもを働きかけの対象と見てしまい、親との関係で起きている部分が見えなくなってしまうからです。





現に、子どもの状態に当惑し、怒りや落胆や後悔などの感情を抱きながら何らかの対応をしている親との「いまの関係」も、重要な要因である可能性があるのです。





また、ひきこもりの程度にもよりますが、本人を医師やカウンセラーのところに連れて行くのは大変なことです。そのため、親がカウンセリングを受けるように勧められることが少なくありません。





もし、本人が人と会うことを拒んでいるとすれば、少しでも接触がとれている親との関係が回復へのチャンネルとなります。





そして、親の対応の仕方の変化を見て、本人がカウンセラーに会ってみたいと考えるようになることもあります。これは単に本人の支援機会が得られたということだけではなく、ひきこもりの状態から外の世界に向けての動きが生じたという意味もあります。





また、親が子どもの状態を恥と思い込み、家庭の中に隠そうとして親までがひきこもりがちになっていることと比べれば、親がカウンセリングに通うことは、親の世界を外に向けて開くという意味も担っていることがおわかりいただけるでしょう。





第四は、現在見られるひきこもり状態の大半は精神病ではありません。しかし、素人判断は危険ですのでひきこもりの程度が強かったり、外へ出ることの恐怖が異常に強かったり、奇妙な言動が見られるような場合には、精神科医の診断が必要となります。





精神病であれば、薬物治療が考えられますので、その意味を否定的に考えないでください。また、精神病でなくても薬の服用が補助的な手段として役立つことがあります。





なお、前にも述べたように、本人を医師のもとに連れて行くのは困難なことが多いので、当面は親とだけの接触を肯定してくれる医師か機関を選ぶことが必要になるでしょう。





もし、受診先がわからなければ、都道府県が設置している精神衛生センターに電話して、適切な機関を複数紹介してもらってください。





第五に、親が良い援助を受けるには、親自身が信頼できる医師やカウンセラーに出会うことが大切です。そのような援助者を苦労して探し出す努力も意味があることと思います。





また、このような援助の場面には、できるだけ夫婦で参加し、本人はいちいち内容を伝える必要はありませんが、相談したり、勉強したりしていることはオープンにしておくことが望まれます。





最後に指摘しておきたいことは、この問題は最初から相当の長期戦を覚悟することが望まれます。それは親の焦りが問題をこじらせる危険が多いためです。





多くの事例を見ていますと、社会への復帰には年単位の時間が必要です。そのため、同じ悩みを抱えた親同士が心のうちを話し合い支えあう親の会が各地で開かれています。





そこでは、当事者でないと見つけられないような情報や経験の交換が行われています。



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