不登校は引きこもりの前兆なのか?
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不登校は引きこもりの前兆なのか?

2019年11月27日(水)1:05 AM





文部科学省の統計調査によりますと、学校を30日以上欠席したいわゆる不登校の小・中学生は年間10万人を超えています。





この原因や理由については、学校での人間関係・学業の悩みという現実的な問題から、学校の価値に従順さを求める体罰や厳しい校則への意識的・無意識的な反抗、個性を無視した平等主義、集団中心主義への違和感など教育システムそのものへの問題まで、識者によって取り上げる視点が異なっています。





ここでは原因論についての議論はさておき、ひと口に不登校と言ってもさまざまなタイプがあるということ、したがって、引きこもりの問題を考えるとき、すべての不登校をひきこもりの前兆であると考えるのは当然のことながら、間違いであるということをまず指摘しておきたいと思います。





引きこもりに結びつく不登校





しかし、引きこもる若者の多くが、小・中・高校時代に不登校を経験していることも、また事実です。先に、不登校にはいろいろなタイプがあることを指摘しましたが、それではどのようなタイプの不登校が引きこもりと関係してくるのでしょうか。





一番多いのは、クラスメイトとの人間関係がうまくいかなくなることからです。その原因の第一はいじめです。





学齢期にある子どもは、高学年に進むにつれて、学校が生活の場として占める割合は、精神的にも、時間的にも圧倒的に大きいものがあります。





そして、その精神的よりどころとなるのは、仲間集団への所属意識と同調感です。それだけに、いじめによって仲間集団から排除されてしまうのは、この世代の子どもには致命的になることがあります。





そして、彼らは最後の居場所として家庭を選ぶことになってしまうのです。さらに、たとえば、小・中学校の途中で引越しがあって転校したという環境の変化も大きい理由になることがあります。





特に、家族(母親)と心理的に密着している子どもは、自我が未熟で自立できていないことが多いようです。したがって、新しい学校環境、集団生活にとけ込むことがなかなか難しく、クラスメイトとの集団所属意識を持ちにくいということがあります。





その結果、家庭に退行し、不登校となってしまうのです。もう一つ、優等生タイプの「良い子」が息切れを起こして名門中学・高校・あるいは一流大学に進学できなかった挫折体験から、親がこれまで敷いてくれた路線に疑問を持ち、親に反抗するようになって、これが不登校へ、そして最終的には引きこもりに至ることがあります。





不登校が長引くにつれて、家庭内暴力が見られることが多くあります。特に三番目にあげました挫折体験型の子どもは、こうなった責任は親にあると考えていますので、家庭内暴力に発展することが多いといえます。





なお、大学を卒業するまで順調に経過していた人が、一流企業への就職や結婚の失敗を契機として引きこもるという、おくての挫折体験型の若者も、最近見られるようになりました。





しかし、彼らはおくてであったということで、学齢期での不登校は経験していません。





総じていえることは、「学校に行かない」怠学型の不登校タイプより、「学校に行けない」神経症型の不登校タイプに引きこもる危険性が高いといえるでしょう。





ただし、以上あげました不登校タイプの子どもが、すべて引きこもりになるというわけでは決してありません。





不登校の初期段階での親・教師などの適切な対応によって、引きこもらずに社会に巣立っていく例もけっこう多いことを忘れてはなりません。





不登校から引きこもりを防ぐために





不登校生徒を引きこもりに追い込まないためには、子どもが不登校となった初期の段階で、両親がいかに適切な指導を行えるかどうか、子どもの引きこもりを短期間で終了させるか、長期間へと悪化させるかの成否を分けるといってよいでしょう。





そのためには、まず第一に、子どもが不登校に陥った原因を早期に的確に把握することです。これには学校側、特に担任教師との密接な連絡が必要です。





ある程度、原因が明らかになった場合、そのことを理由に子どもを責めないことも大切です。「そんなことくらいで何で学校に行けないんだ!」「怠け者め!」と一喝してしまう父親がよくいます。





これは子どもを萎縮させ、親に何を言ってもだめだとかえって引きこもりを促進することになりかねません。





不登校の子どもは、はた目には無気力で根性がなかったり、怠けているように映りますが、けっしてそうではありません。





彼らは人一倍劣等感に悩まされ、学校に行かなければならないという焦りを感じているのです。そういう心情にあるということを理解して、まずは子どもの話をじっくりと聞いてあげる心構えと細かな配慮が必要です。





第二に、不登校の子どもの心情をよく考えないで、単純に「学校を善」、「不登校を悪」と決めつけることは避けたほうがよいと思います。





むやみに学校にこだわり続ける家庭では、たいていの親は世間体をたいへん気にしているので、子どももなんとなく不登校に罪悪感を抱くことがあります。





そのため親は昼間、子どもが近所をうろうろすることに神経をとがらせて禁止したり、子どもも親の意向を汲んで意識的に抑制したりすることがあります。





子どもが外出する必要があった際、親がわざわざ人の往来がないことを確かめたうえ、裏口からそっと出してやっていた例がありました。





これはわざわざ親が子どもの引きこもりに手を貸しているようなものです。



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