ひきこもり状態について
ホーム > ひきこもり状態について

ひきこもり状態について

2019年11月26日(火)8:00 PM






ひきこもりの事例が、人間関係から身を引く程度は実にさまざまで完全に自室に閉じこもり、トイレに行くときもできるだけ家の者と顔を合わさないようにして、家人が留守か寝静まったあとにする場合もあります。





また、食事も家族とはいっしょにとらず、自分の部屋に差し入れさせたり、欲しいものは紙に書いて買ってきてもらうこともよくあります。





このように家族との交流にも支障がある場合には、もちろん外出はできず、部屋の中にいても周囲の物音や人の声に敏感に反応して、周囲の者に静かにするように怒鳴ったりすることがあります。





なかには、外出だけが困難で人が訪ねてくるのは歓迎という場合もあれば、夜間には外出が可能でこっそり近所のコンビニに出かける人もいます。しかし、本屋は立ち読みをするため、知り合いに会うのを避けて隣の町まで出かけるという場合もあるなど、そのあり方はいろいろです。





そのほか、スマホやインターネットの匿名性を生かして、同性や異性とメールのやり取りをするなど、生の接触のない関係を用いて、かなり長い間、付き合い続けることがあります。





また、本人に何か身近な具体的目標ができてくると集中力も出てきますが、それまでは何かの作業に集中したり、毎日の作業を積み重ねていくことができません。





そのため、ゲームをしたり、インターネットをしたり、気楽な本や漫画本を読むとか、ラジオやテレビを見たり聞いたりして過ごすことが多いようです。そして、ひきこもり当初の時期には、干渉されない穏やかな時間の流れと、好きなラジオの音楽に助けられた部分が多いと話した人もいます。





ここには、赤ん坊が揺りかごの中でまどろみながら、肉体的にも精神的にもゆっくり成長している姿が連想されます。このほか現実の姿としては、漫然とゲームをしたり、空想世界に浸って時を過ごすことも少なくありません。一般に、部屋の掃除は億劫がってやらない場合が多く、部屋中散らかしっぱなしのことが多いようです。





また、ひきこもりの程度がひどくなくても、風呂は嫌がり、放っておくと何ヶ月も風呂に入らず、髪もぼうぼうということもあるので、家の人と接触が取れている場合には、ときどき注意して清潔を保つように話をすることが必要です。





着替えもあまり積極的にはせず、下着や寝具が洗っても落ちないほど黄ばんでしまうことがありますが、清潔感が失われているわけではなく、何をするのも億劫でやらないことが多く、後にその頃の状態をふり返って、「毎日、ただ空気を吸うだけの生活」と表現した人もいます。





ひきこもりの生活で、早くから共通して見られる特徴に、昼夜逆転の生活があります。これは精神的な不安定から不眠がちとなり、これが朝起きることの億劫さにつながって起床時間が遅れ、その起床時間の遅れが今度は定時の入眠を妨げるようになります。





このことは、人との接触を避けたいひきこもりの人には好都合であり、昼のまぶしさを避け、夜間はゲームやインターネットを誰にも邪魔されることなくすることが可能になります。





これは、ひきこもりの心理から考えると好都合なことですが、このような状態が長く続くと、通常時間の生活もできないダメな奴との自己嫌悪感が強まり、ひきこもりの心理に拍車をかけることがあります。





ひきこもりを長期化させる悪循環





ひきこもりの始まりが不登校の形を取るにせよ、欠勤や退職の機会に始まるにせよ、ひきこもり状態にある本人たちは、好き好んでひきこもっているわけではなく、外の世界に何らかの嫌悪感や圧迫感や恐怖感を抱いていて、「それさえなければ外に出られるのに」と思いながら、その解決が見出せないまま焦りを感じているといってよいでしょう。





したがって、周囲の人がまず、怠学やずる休みとは違うことを理解して、やたらに登校や出勤を促しても事態の改善が得られないことを知っておくことが大切です。





怠けていると考えて、強い態度で登校を促すと、家族との交流を断ち切って自室に閉じこもるか、家庭内暴力の形に追い込む危険が高いのです。





また、ひきこもり始めたときには、外の世界に対して感じているものは、自分でもよくつかみきれないでとりあえず「ひきこもる」という形をとっていると考えたほうがよいかもしれません。





そのため、なぜ学校に行かないのか、なぜ仕事先を探そうとしないのかなどと尋ねられても、聞き手が満足できるようには答えられないので、お互いに葛藤を強めていらだってしまうことさえあります。





むしろ、何かは自分でもよくわからないが、とにかく外に出られないので、その困難を察してほしいと考えているとうけとめて、原因を探索するのではなく、動きがとれないでいる状態に共感することが一番適切な対応かもしれません。





しかし、このような対応を子どもの不登校が始まった時点で、一般のお父さんやお母さんに期待することは難しいことです。





そこで、多くの場合、なぜ学校に行かないのか、何があったのかを尋ねたり、休んでいないで早く学校に行けとかこのままでは進級できなくなるなどと話して登校を促すことが多いといってよいでしょう。





このような親の対応の背景には、子どものひきこもり状態にどのように対応してよいかわからない困惑、自分たちの期待が裏切られた怒り、このままどうなってしまうのか見通しのつかない不安、精神疾患ではないかとの恐れなどが入り交じっています。





一方、不登校などでひきこもる本人は、ひきこもりを続けながらひきこもっていること自体に強い不安と焦燥感を抱いているので、家族から早く早くと登校をせっつかれるとますます焦り、この状態を改善できないでいるという事実が心の傷になり、恥ずかしい、ダメ人間だと自分に対する否定的な感情を強めてしまいます。





これは、本人の心のなかに起きている悪循環ですが、そのうえ、家族が感じている不安や怒り、失望などが本人に伝わると家族と本人との間にも悪循環がつくられ、親からの働きかけが中止されても止まらず、家族が第三者の援助を得て、心に余裕を持ち、以前と異なる対応を示さない限り、この悪循環が続きます。





このような家族との関係を通じて本人の心の中につくられる自己否定的感情は、ひきこもり始めたときに感じていた外の世界に対する圧迫感をさらに強め、家族に対しても心を明かすことが難しくなり、密かな苛立ちに転化していきます。





このような心理状態を、ひきこもり状態を経験したある若者は、「俺が沈んでいると家族が怯えだす。確かに『どうしたらよいかわからない』という立場も理解できるが、こちらも辛い。『助けてくれ』と言いたいのに、その言葉を押し殺さなければならない。





家族をいつ殺してやろうかと考えていたが、殺すと捕まって外に出たくないのに出なければならないので止めた」と言いました。





ひきこもりの問題を抱えた親たちが相談機関を訪れるのは、このようにしてつくられた家族と本人との間の悪循環が、本人の内心の悪循環と絡み合い、抜き差しならない状態に陥ったころです。





そのため、ひきこもり事例への相談や指導は、まず、本人と家族との間にある悪循環をどのように解きほぐしていくかが中心になるといってよいでしょう。





しかし、不登校が始まった当初の段階における相談や指導はこれとは異なり、本人の状況によっては適度に登校をすすめ、登校しようとする本人の気持ちを支え、学校とも相談し、登校しやすい条件を整えることも大切になります。





それにすべての不登校事例が、長期のひきこもり状態に陥るわけではありません。前にも述べたように、「社会的ひきこもり」事例の統計がないので、何パーセントという数値を示すわけにはいきませんが、その割合はあまり高くない数値と考えられます。





そのため、不登校の子どもを持つ親が、その子が将来「社会的ひきこもり」になるのではないかと不安を強めると、子どもがそれに影響されて自分についての否定的な気持ちや不安を強めてしまい、その結果不登校が長期化し、本当に「社会的ひきこもり」の状態に陥る危険がないわけではありません。





このような心配については、「そうなったらそうなったで、わたしもこの子と人生をいっしょに送ってやろう」というような腹のくくり方が逆に子どもの立ち直りに役立つと思います。



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援