ひきこもる若者の心のうち
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ひきこもる若者の心のうち

2019年11月25日(月)12:27 AM





ひきこもる若者たちに共通して見られるのは、人と接触したいが何となく人が怖いとか、少しひきこもりの生活が続いた後では、外出して外の世界をのぞいてみたいが、自分のぶざまな姿(そう感じている)は人目にさらしたくないと感じるなどの矛盾した気持ちです。





そして、あれこれ考えるのですが、結局動きがとれないで、じっとしているという結果に終わるのが通例です。しかし、家にいることで落ち着いているわけではなく、早く普通の生活に戻ろうとする気持ちが強く、ひきこもり生活を続けながらそのこと自体に焦ったりしているのです。





このような心理状況のなかで、ひきこもっていることが家庭内で問題にされ、登校や外出することをせかされたりすると、癇癪を起こすかいっそうひきこもるしか選択肢がなくなります。





そこで、家族が直接問題に触れないようにしながら交流を保つように心がけていると、気分的に少しゆとりがあるときが見られるようになります。





そのとき、たとえば、親が通っている相談機関に一度いっしょに行ってみないかなどとさりげなく誘うと、そのすすめに乗ってくるときがありますし、自分から相談機関を訪ねてみようかと言い出すことがあります。





このとき、子どもが手がかりにするのが、親が相談に行き始める前と後での態度の違いです。ここに親だけの相談面接の意味がありますし、親が相談に行くことを子どもに知らせておくことの意味もあります。





しかし、相談の経過や内容を話す必要はありません。それより、子どもに対する親の態度の違いのほうが重要でしょう。そのうえ、子どもの心の状態にタイミングを合わせることが求められます。





それではタイミングを合わせるには、どうしたらよいでしょうか。それには、日頃、子どもの気持ちの動きに注意して、うまく察する以外に方法はないのです。





そこで、どうしてこの年齢になってそこまで手をかけなければならないのかといった疑問が湧いてきます。これに対する子どもの側の答えを推測して代弁すれば、「これまで、時には悪い子でいたいこともあったが、僕はずっと親の期待を汲んでいい子でやってきた。しかし、今度は、少しは親のほうで子どもの気持ちを汲むようにしてほしい」といったところではないでしょうか。





このような人の気持ちを察して、それに応じるといった関係は、子どもが言葉を持つ前の幼い頃の母子関係に見ることができます。





これを成長後に周囲に期待することは一種の「甘え」とか「退行」と呼ばれて否定的に受け取られるものですが、幼い頃に親に十分関心を向けてもらえなかった分を、いま、取り戻そうとしていると考えてみてはどうでしょうか。





また、ひきこもる若者たちが求めているもののなかには、安堵感への強い願いが認められます。これには社会に出ようとしても出られず、ひきこもれば焦りを感じる葛藤のなかで、ほっと一休みできる時間と空間(居場所)を求めているものと思われます。





これが、赤ん坊であれば、母の腕に抱かれて、葛藤を感じることなく安心して眠ることができたのでしょうが、思春期ともなるとそうはいかないのです。





しかし、これに代わるような心持ちで、「居場所」を用意してやることは工夫できるのではないでしょうか。なかには、親の回復への期待を汲んで、良くなろうとがんばって仕事や学校に行き始めることがあります。





しかし、このような形での頑張りはあまり長続きしないですぐにダウンしてしまいます。これは頭でいくらがんばろうと考えても、それを実行するだけのエネルギーの補給がまだできていないからだと考えられます。





もちろん、そのことに本人はがっくりきているのですが、そのとき親が子ども以上に失望していたのでは子どもにエネルギーが戻りません。





そのうえ、敏感な子どもは、親の失望を見捨てられたと感じることがあります。そこで重要なのは、挫折というマイナス面ではなく、そこまでやれたというプラス面に注目することです。





そして、何よりも大切なことは、たとえ失敗したとしても、親にとっての大事な子どもであることには変わりないという気持ちを態度で示すことです。不登校を含め、思春期に良い子が示す不適応は、人生が登り調子一本では進まないことを親に教えているのかもしれません。




そして、山登り同じように、上り坂より下り坂のほうが難しいということです。事実、我々は、高度経済成長期にはその歩み方は知っていたのですが、バブル経済がはじけたあとの対処の仕方は知りませんでした。





そのため事業に失敗して追いつめられ、自ら命を絶った人が何人もいるように、ひきこもりの子どもたちのなかにも、自殺することをずっと考え続けている人がたくさんいます。





そのなかの一人は、自分には自殺する勇気がないことを自分自身で認めることができたあとで、それなら生きていくより仕方がないと考えるようになり、そこから社会に出ることを真剣に考えるようになったと言っています。





また、もう一人の若者は、これまでは自分の弱い部分とか、みっともない部分を他人に見せないように努めてきたが、ここ数ヶ月のひきこもり生活はまったくだらしのないものだった、そんな状態のなかで、何も格好をつけることはないと気づいたところで、助けてくれという勇気を持つことができたと言っています。





このような述懐を聞くと、人生のどん底にあると感じたとき、その人にとってたいせつなことは無理に格好をつけようとしないで、それ以上落ちることのない底値の自分の価値を素直に認めて、それを信じることのようです。





これを今の世相に託していえば、いつまでも粉飾決済を続けていたのでは立ち上がれないということです。





ひきこもる若者のもう一つの特徴として、プライドの高さが挙げられますが、前述の言葉は、本人がいかに自分の問題を的確にとらえてその点を克服していったかを物語っています。



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