再登校・社会適応に向けての具体的方法
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再登校・社会適応に向けての具体的方法

2019年11月13日(水)10:27 AM






再登校や社会適応の見極め





再登校や社会適応が近づくと、傍の目から見てもそれがわかるようになります。一言で言えば、日常生活の中で元気が出てきます。





たとえば、学校の話題が出ても、普通の会話の延長線上で受け答えができるようになります。また、学校や登校のことが、本人の口から出されることもあります。これらが、社会適応に耐えうるコーピング・スキルが培われてきたことの目安になります。





このように再登校の機運が高まってきたら、学校に戻る場合は、再登校してくる子どもを迎え入れるために学校側に働きかけ、学校環境を整える必要が出てきます。





学校側に受け入れる場を整えることは、学校側にしかできない仕事です。一口に、学校が子どもを温かく迎えるといっても、どのような迎え方が最適かはその子ども自身の感じ方によります。





皆から注目を浴びたい子は少ないですが、久しぶりに訪れた自分が見向きもされないのも寂しいものです。どのあたりがほどよいのかは微妙で、子ども自身にも明確には定めきれないこともあります。





これらはまた、学級の状態、学級の構成員、本人を取り巻く人間関係などから総合的に判断されることでもあります。級友に働きかける必要がある場合には、子どもと事前に級友に対して学校側が働きかけるか否か、働きかけるならばどのように働きかけるのが適当と考えるのかについて、子どもと話し合っておく必要があります。





教師は、保護者を介するか、直接子どもに尋ねるなどして教師の考えるプランを不登校の子どもに前もって提示します。そして、その方向性の適否を確認しておく方が無難です。





不登校の最中に、その欠席の理由を級友に語る場合でも同じ配慮が必要です。教師が働きかけようと考えていることと、それを行う理由を述べ、その結果起きる級友の動きについて想像できることを語ります。





そのうえで、子どもがそのようなことをしてほしいか否か、働きかけるのならばより良い方法がないかを尋ね、確認し、方法を吟味します。他者からどのように思われるのか気にすることを、対人不安傾向と呼びます。





不登校の子どもに限らず、現代の子どもは対人不安の強い子が少なくありません。そこで、この運びは慎重であるに越したことはありません。この手順を取らずに、不登校の子どもに相談なく級友に働きかけたがために、教師不信に陥って事態の収拾に数年かかる事例は珍しいことではありません。





再登校・社会適応の手段





再登校にしても、社会に出て行く場合でも、その具体的手段は二通りしかありません。だんだん目標に近づくか、一挙に目標に飛び込んでしまうか、この二つです。





一挙に目標に突入したものの負荷が大きすぎてほどよい地点まで後戻りし、そこから目標にだんだん再接近することもあります。最初はだんだん目標に近づき、ある時点で一挙に最終目標に飛び込んでいくこともあります。これらも、この二つの手段の組み合わせにほかなりません。どちらの手段をメインにするのかは、子ども自身に選択させればよいでしょう。





通常、一挙に目標に到達する方法は、一度に多くの負担がかかります。不登校の期間にコーピング・スキルの形成が不十分な場合や、受け入れ体制が不十分であれば失敗する可能性が高いです。したがって、だんだん目標に近づくことを勧める方が無難ですが、「だんだん目標に近づくことは性分に合わない」と感じる子どももいます。





最終的には、子ども自身に選ばせるのが原則になります。そのうえで、その具体的な手段についてはじっくり話し合います。再登校・社会適応の手段、方法を具体的に選ぶにあたって、過去に何度か再登校・社会適応を試みたことがあればその体験は参考になります。





どのようなことまでできたか、どこからが大変であったかをたずねます。負担なくできたところまでは、同じことをしてもよいでしょう。しかし、大変になった段階からは、その時は異なった方法を一緒に探る必要があります。





再登校・社会適応をコーピング・スキル獲得の機会に生かす





再登校や社会適応は、不登校を体験した子どもにとっては、人生の一大事です。その一大事を乗り越える体験そのものが、実はストレスを乗り越えていくコーピング・スキルを学ぶ格好の教材になります。





一言で、だんだん学校に近づくといっても、物理的な接近を配慮すればいいという単純な話ではありません。その子の社会適応にあたって、あるいは人生を送っていくのにあたって、必要なコーピング・スキルは何であるのかを意識します。





そのコーピング・スキルの育成を意識しながら、再登校・社会適応への手段を定めていきます。例えば、他者に対する不安や緊張が強い場合には、構えずに他者とつき合う体験を再登校や社会適応のプロセスで味わえるように配慮します。





「一方前に進んだけれど、大丈夫だった」「自分を大切に扱ってもらえた」という感覚に注目し、それを保証し続けます。この感覚を味わった人ほど、他者に対する不安や緊張を抱かずに済むようになるからです。





この体験が、構えずに他者とつき合い、他人の中で自分らしくいられる体験を重ねます。このような子どもの場合、再登校の各ステップでは、自分に向き合ってくれる誰かがいて、ゆったりとした時間を過ごす体験が必要になります。





友人と出会うにしても、本人が安心して一緒にいられる仲間を本人自身が選び、その仲間と安心できる場でつき合うことが大事になります。あるいは、物事に取り組むセルフ・コントロールを育成したい場合もあるでしょう。





この時には、できていること、できたことを意識的に評価します。ステップが進んだ場合はもちろん、現状維持でもそれを評価します。「頑張っているよ」「しっかり続いているね」と現状を承認し続けます。





また、次のステップに向けて、そこで起きそうなアクシデントを想像させ、その場でどうするのかを尋ねて予行演習をする場合もあります。この手法は、カウンセラーとの関係が相当に良く、本人自身もそれを乗り越えたいと真剣に考えている場合で、本当に先に進みそうなときに行うことです。





ただし、子どもにも負荷がかかる方法であるので、導入には慎重さが要求されます。たとえば、実際に先のステップで起きる可能性のあることのうち、最悪の事態を想定させます。それらは、友人から嫌なことを言われた場合や、いじめっ子と出会った場合です。





これを想定させて、そのような場でどのように振る舞うのかについて、ロールプレイングやイメージリハーサルをします。予想される困難な事態を想定させ、自分で何とかできる方法を考えます。





このロールプレイングやイメージリハーサルが、実際の場で実行できるだけの自信と自己効力感を培います。あらかじめ予行演習をしておくと、余裕を持って現実に臨めます。





実際には、予想したほどに困難な事態はそれほど多くは起きるものではありません。しかし、想像の中での話なので、想像するだけでも不安や緊張が必要以上に高まってしまう場合もあります。





そのような場合には、現実にはそのステップまでは進めないと判断します。そして、先に進まず、現状のままでよいとして困難な課題に挑戦したことを評価します。



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