不登校の子どもと学校の圧迫感
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不登校の子どもと学校の圧迫感

2019年11月12日(火)10:46 PM





心の底には学校へのあこがれをもっている





不登校の子どもたちが、心底学校を嫌っているかというと、必ずしもそうではありません。しばしば心の底に、学校への強いあこがれを秘めていたりします。それこそ、つれない恋人を想い続けるみたいに学校のことを想い続ける、そういう子どもたちの心が垣間見えることがあります。





この学校へのあこがれを、ただ単純に、「学校神話」に縛られているんだという形で切って捨てると、子どもたちの心を本当に受けとめることにはならないと思います。





では、学校にあこがれながらも学校に行けない、そのプレッシャーを何が与えたのでしょうか。ある不登校の子どもがこんなことを言っていました。





「校門が近づいてくると、冷や汗が出てくるんです。ドキドキし始めて、ドーンとしんどくなるんです。他のみんなが校門にザーッと吸い込まれていきます。そこが見えてくるともうドキドキドキドキ、ドーンとしんどくなります」もう一人の不登校の子どもは、「授業中、教室にいて前を向いていると、向こうからダンプカーがブワーッと押し寄せてくるような感じがして、思わず頭をおおいたくなります」とも表現していました。





いろいろ表現の仕方は違いますが、少なくとも、ある子どもたちにとって学校というところは、ものすごく圧迫感を与えるところなのだと思います。





学校に対してそういう圧迫感を感じるのは、必ずしも不登校の子どもたちに限らないのです。また、ある学生はこんなふうに言っています。





「学校に行きたくないと思ったことはあまりありませんが、早く家に帰りたいと思うことが今でも時々あります。特に休み時間などで、人がワーッと増え始め、この集団、群衆の中に一人でいるとものすごい圧迫感に襲われ、自己否定感にさいなまれ、なんとかしてこの場から逃れたいと思ってしまいます」





次に女子学生の言い分です。「学校に行きたくない時は確かにありました。校門の先が大きくなって、暗いブラックホールのように思えました。





そこへみんなが吸い込まれていきます。本当にアカの他人のような他の生徒と自分です。一日一日こなすことに精一杯で、校門を出るとホッとしました。





学校での自分がロボットみたいでした。笑顔でとりつくろいながらその笑顔を壁にして、外から入ってくるすべてのものを締め出していたような気がします。





受け入れると、何かが自分の中で壊れてしまうような気がして恐かったし、ちょっとしたことで自分の本当の感情が大きく揺れてしまうのが恐かったです。





本当の絶望を知ってしまうのが恐かったです。自分の内面に渦巻く感情を出してしまったら、他人から避けられるのではないかという不安もやはりずっとあったし、わたしもまた、他人の本当の感情に触れることを恐がっていた部分もあったと思います。





集団にはやはり独特の力があると思います。お互いに自分がしっかりしていなかったぶん、他人に対する恐れがあって、自分をよく見せようと肩にすごく力が入っていたと思います。





自分を認められなかった分、他人も認められませんでした」学校というところが、大きな怪物のように自分の上に大きな重力でのしかかってくるように感じているようです。





そして、自分がつぶされそうに感じる・・・・・・すべての子どもたちではないにしても、少なくともそのように感じている子どもたちが少なくないということです。





それはなぜでしょうか。いろいろな原因が考えられますが、わたしは心理のほうをやっていますのでそこでの人間関係というものに焦点を当てて考えてみたいと思います。





つまり、学校あるいは教師の子どもを見る目が子どもたちに圧迫感を与える一つの大きな要因になっているのではないかということです。
わたしは、子どもたち、子どもだけに限らないのですが・・・を見るときには、常に二つの目で見ないといけないと思っています。





一つは、この子が人間として大事な力をきちんと身につけながら大きくなっているんだろうかということを、客観的に対象化して「評価する目」です。





もう一つは、子どもの心に「共感する目」、つまり、子どもの目にはこの世界がどのように映っているんだろうか、それがその子どもの心にどのように跳ね返ってるんだろうか、それを子どもの立場に立って理解しようとする目です。





そういう二つの目で子どもを見たときにはじめてわたしは子どもが奥行きをもって立体的に見えてくるのだと思います。ちょうどわたしたちが、左と右の二つの目で見ると、世界が奥行きをもって見えてくるのと同じです。





左の目の網膜に映る像と右の目の網膜に映る像とは、ややずれています。それを頭の中で総合することによって、そこに奥行き感が出てきます。





これは心理学で「両眼視差」と言いますが、それと同じように、「評価の目」と「共感の目」の二つの目で子どもを見たときに、子どもが立体的に奥行きをもって見えてくるし、そこから指導の手がかりも得られるのではないかと思います。



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