不登校の事例~自分の好きなことのためには外出できるが登校できない12歳(小学6年生)男子のケース
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不登校の事例~自分の好きなことのためには外出できるが登校できない12歳(小学6年生)男子のケース

2019年11月07日(木)6:25 PM




小学校6年生のA君は、両親と妹の4人家族です。大学教授の父親は単身赴任で週末だけ帰宅します。子どもを叱ったことはほとんどなく、家庭内のことは母親にまかせきりでした。





母親は過干渉で過保護で、A君は幼い頃から会話が苦手で友達はあまりいませんでした。対人関係は苦手でしたが、パソコンは好きで、5年生のときからプログラム入力をするほどの腕前があります。





小学校の成績は上位でしたが、5年生から通っていた学習塾でいい成績が上げられず、6年生の夏休みに自分から塾をやめ、このころから不登校になりました。





また、このころから母親の布団に入ったり、赤ちゃん言葉を使うなど、退行を示すようにもなり、母親が知り合いの紹介で担当医を訪ねました。その後2年半、母親が両親が50回以上相談に訪れましたが、本人は一度も来ていません。





母親が学校のことで何か言うとA君はイライラしますが、鉄道に興味があり、珍しい電車が走るときには自分で起床して写真を撮りに出かけます。





卒業式には出ませんでしたが、母親が卒業証書をもらってくると、父親に誇らしげに見せたりしています。春休みには、父親の赴任先や親類の家へ一人で出かけて、担任の先生におみやげを買ってきました。





しかし、カバンを買ってきた父親にスリッパをぶつけるなど、中学の話題にはイライラします。担当医は、父親にA君への働きかけをもっと増やすようにアドバイスしました。





そのアドバイスに従って、父親はA君と二人で野球観戦やサイクリングなどを体験しました。パソコンを通じて父親との会話をしたり、友達が来るとゲームをしたり、勉強をすることもありますが、中学生になっても一向に登校しません。





中学1年生の1月からはアマチュア無線(ハム)の通信教育をはじめ、また、話し相手の家庭教師が来ることになりました。その家庭教師といっしょにパソコンをしたり外出しています。2年生になっても登校することはなく、自分の好きなことだけなら外出するという生活スタイルはまったく変わりません。





ハムは4ヶ月で終了し、試験にも合格しました。結局、パソコンのプログラムを使って自宅学習し、勉強の結果を担任に提出することで卒業を認めてもらい、通信制の高校へ進学しました。





高校の通学日には行っているようです。ここへくるまでの間、母親のほうでも自分の生育歴や夫婦関係、親子関係などを考えたり、集団カウンセリングに参加する中で、過干渉、過保護を改めるようになってきています。





A君の場合、一時的にひきこもりをしても、抑うつなどの症状はありませんでした。登校しないことで、両親は心配したりあせったりしてもA君にはそのような気持ちはないようです。最近、このような不登校の子どもが増えているように感じます。





ひきこもりの事例





高校の「不登校」に始まり、1年半の「ひきこもり」の後、大学へ入学した19歳の女性のケースB子さんは、公務員の父親と会社員の母親の3人暮らしで、現在一人暮らしをしながら他県の大学へ通学中の2歳違いの姉がいます。





通学していた高校ではいじめが頻発していましたが、両親はまったく気づかず、自分の子どもが学校でいい子ぶっていると言われて長い間シカト(無視)されていたこともずっと後になって初めて知りました。





もともと明るい性格で友達も多かったのですが、2学期の半ばからしだいに明るさがなくなり、家族との会話も少なくなりました。遅刻、早退、休みなどがしばらく続いた後、3学期からはまったく登校しなくなりました。





両親が登校を促すと、物を投げるなどの乱暴をするようになり、自室にこもる時間が多くなりました。成績のよかった姉へのライバル意識が強く、姉の合格した大学へ入りたいと言うのですが、勉強に集中できずイライラしていました。





親のほうから大学の話を持ち出すと、大声でわめいたり、父親に向かって物を投げつけたりしました。結局、願書は出したものの試験は受けませんでした。その後、まったく昼夜が逆転してしまい、日中は寝て過ごし、夕方から起き出すという生活を続けました。





外出して買い物もしますし、家族ともまったく会話しないわけではなく、夕食もいっしょにとることもありました。そして、半年ぐらいが経過してから、夜になると母親に向かって際限なく話をするようになりました。





以前、親にどれだけ嫌な思いをさせられたか、特に父親がいかに高圧的であったかという話が中心でした。親には心当たりがないこともありましたが、否定すると暴れるので聞き続けるよりほかはありませんでした。





母親は翌日の勤めがあるので眠いのですが、本人は昼間寝ているので、夜がふけるほどに目がさえてくるようで、なかなか寝かせてもらえませんでした。





この状態が3~4ヶ月ぐらい連日続いたのですが、両親は本を読んだり、知人のアドバイスを受けたりしながら、子どもの訴えの内容ではなく、訴えること自体に共感する大切さを知りました。





そういう気持ちで子どもの話を聞くと、「話しても話しても言い足りないものを抱えていたのか」ということに思い至り、胸が痛くなりました。母親は心身ともに限界にきたと思ったときには、知人の家に身を寄せて休み、ひたすら子どもの話に耳を傾けました。





親の態度が変わった頃から、子どものほうも落ち着いてきて、入試の申し込みが迫ってきたころ、好きな被服関係の大学へ行きたいと言い出しました。その後は勉強にも集中できるようになり、2つ受験したうちの1つの大学に無事合格し、現在通学しています。



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