家庭内暴力の相談事例
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家庭内暴力の相談事例

2019年10月29日(火)9:02 PM








家庭内暴力の相談事例





子供が親に対して暴力を振るうようになりかなり困っています。ちょっと注意しただけで父親の胸ぐらをつかんだり、母親を蹴ったりします。小さい頃はとてもいい子で、勉強もよくできる真面目な子でした。なぜこんなふうになってしまったのかさっぱり分かりません。このまま暴力がエスカレートしていくと身の危険を感じてしまいます。いったい原因はどこにあるのでしょうか。





生まれたときから悪い子というのは、この世にいないと思います。親を殴ってやろう、親に反抗してやろうと思って生まれてくる子は一人もいないはずです。一方、親にしてみても、この子を悪い子に育ててやろうと思いながら子育てをする親などいないでしょう。





すべての親はやさしくよい子に育ってほしいと願い、子供のほうもそうありたいと心では思っているのです。なのになぜ、このような悲しいすれ違いが生まれてしまうのでしょうか。





関東自立就労支援センターには、子供が暴力を振るうようになったと相談に来る親が後を絶ちません。そしてその親達を面接していると、そこにはある共通した部分があります。特に父親には一つのパターンがあります。





いわゆる「聞こえのいい」大学を卒業して名のある会社に入る、仕事はとても真面目で部下や周りの人たちからの信頼が厚い、家の中での生活もきちんとして曲がったことが大嫌い、常に努力をしながら人生を歩んでいくという哲学を持っているなどです。




このような父親は、一見すると理想的な父親に見えるでしょう。もちろん、社会人としてはたいへん立派な人であることに間違いはありません。なのにどうして、子供が父親に疲れてしまうのでしょうか。その理由はただ一つです。





あまりにも正しすぎるからです。あまりにも完璧すぎるからです。子供はまだまだ未熟なものです。何事にも完璧にできるはずもなく、未熟なのが当たり前です。時には正しくないこともやってみたくなります。





何が正しいのかがわからなくなることもあります。いろんな失敗を繰り返しながら、自分の中で正しさを発見していくものなのです。当の父親にしても、子供の頃から正しいことばかりをしてきたのでしょうか。そんなことはありえるはずがありません。





過去の失敗を隠し、現在の成功ばかりを子供に押しつける、これでは子供は息が詰まってしまいます。親子3人が面接にやってきます。なぜ家庭がこうなってしまったのかをわたしが仲介しながら話し合っていきます。





子供が感情を吐き出すように親を攻めたてていきます。母親はただオロオロするばかりです。そこで父親も自分の心情や取ってきた行動について話をします。自分がどういう気持ちで子供に接してきたのか、子どもに良かれと思っていかに発言してきたのか、それらを非常に分かりやすく理路整然と話をします。





そして最後に子供に向かって聞きます。「どうだ、お父さんはどこか間違っているか?」と。わたしが聞いていても何も言い返すことはできません。お父さんが言っていることはすべて正しいことで、間違っていることは何一つないのです。





すべてお父さんの言う通りなのです。何か言いたげな母親も黙っているしかありません。お父さんはけっして悪いわけではありません。一生懸命に子供を育てようとしているのです。





しかし、その正しさの中に、なんとも言えないプレッシャーを感じているのはわたしだけではないでしょう。それを聞いていた子供はバッと立ち上がり、父親の胸ぐらをつかんで叫びました。「アンタは正しすぎるんだよ!」と。





わたしたちが住んでいる社会は、正解は一つだけではありません。父親が立派に歩んできた道も確かに正解でしょう。しかし、それだけではありません。言ってみれば正解は人の数ほどあるのかもしれません。





自分の辿った道を子供には歩かせない、あるいは歩かせたい、成功した人ならば余計にそう思うかもしれません。その親心も分からないことはありません。でも、それを押しつけてはいけません。





押しつけられたほうの苦しみを分かってあげてください。成功した話、努力した話ばかりでなく、失敗したときの恥ずかしさを話してあげてください。自分が完璧でないことをどうか子供に伝えてください。正解はたくさんあること、完璧な人間などいないことを聞かせてあげてください。





そして、逃げ場を作ってあげてください。人生は詰め将棋ではないのですから。家庭内暴力にまで発展してくると、事はそう簡単にはおさまりません。





早く解決しようと焦りすぎると、かえって子供を追い込むことになってしまいます。子供にしても、親を殴りたくて殴っているわけではありません。自分の気持ちをわかってもらうための最終手段なのです。





まずはそのことを理解してあげてください。時間をかけながら、時には第三者を交えながら糸口を見つけていくこと、そして何よりも、親自身が子供に対して謙虚になることが大切だとわたしは思います。



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団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援