子育て相談~高校に行かないと言う子供~
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子育て相談~高校に行かないと言う子供~

2019年10月26日(土)6:25 PM




「相談事例」


「中学3年生になって、急に子供が高校には行かないと言い出しました。確かに成績は良くないほうですが、どんな高校でもせめて高卒の資格くらいはないと将来が不安です。中学を卒業したら料理人になりたいと言っています。別に料理人が悪いとは思っていませんが、高校を卒業してからでも別に遅くはないと思います。なんとか説得したいのですが、どうしたらいいかわかりません。」


「回答」


「せめて高校くらいは卒業してほしい」「できるなら大学に入ってもらいたい」この親の気持ちはよくわかります。特に団塊世代前後の親たちや就職氷河期を経験した親たちは社会的にも厳しい状況の中で育ってきました。





常に競争社会の中に身を置き、勝ったり負けたということを繰り返してきました。本人が望んでいたわけではなく、社会全体がそういう風潮だったのです。





その中で勝ち組に回った人はいいけれど、大半はどこかで負け組に入っています。この悔しさを自分の子供には味わせたくないと思うのが親心です。そのために、できるだけ高学歴をもたせてやりたい、そう思うのも親として自然なことだと思います。





また兄弟の数が多く、経済的にも豊かではなかった時代です。高校に進学したくても家の事情であきらめざるを得なかった親御さんもたくさんいるでしょう。





自分ができなかったからこそ、子供にはさせてやりたい、自分がかなわなかった夢を子供に託したい。これもまた親心というものです。しかし、「親の心、子知らず」とは昔からよく言われたもので、子供のほうはまったく別の見方をしているものです。





確かに今の親の世代では、学歴というのが社会での大きな武器になっていました。学歴が高ければ一流会社に就職でき、給料もたくさんもらえます。生活も安定し、世間からは尊敬の対象になります。





そんな時代があったことは間違いありません。がんばって勉強すれば幸せな暮らしができる、そういう夢があったのです。ところが今の時代、同じような夢があるでしょうか。がんばっていい大学を卒業し一流会社に入ったはいいが、その会社はあえなく倒産してしまう。





大きな権力を持った人たちが悪事を働き、ことごとく逮捕される、そんなニュースが日常茶飯事に流れています。こんな世の中を見ている子ども達はどう思うでしょうか。そこには学歴の夢も何もありません。





努力した結果が倒産であり、逮捕だとしたらばかばかしくなるのも当然です。子供の視線と大人の視線はまったく違うものです。子供の視線のほうが純粋なだけに、物事の本質を見ることができるものです。





関東自立就労支援センターに相談に来る親御さんのなかには、いわゆるエリートと呼ばれる父親が実に多いです。彼らは自分の歩んできた人生にプライドと自信を持っています。自分の歩んできた道を肯定するのは結構なことですが、それを全面的に子供に押しつけようとします。お父さんはがんばったから一流大学に入れたんだ、お父さんは努力したから一流会社の部長になれたんだ、だからおまえもがんばれ、と。





そしてこのメッセージの中には、もっとも大切なものが一つ抜け落ちているのです。それは、お父さんは幸せだよというメッセージです。こういう父親を持つ子ども達は、一様にして父親が幸せだとは見ていません。





いつも仕事に追われて疲れた顔をしている父、母に会社の部下の悪口を言っている父、給料と役職が上がることだけを生きがいにしている父、そん父親の姿を見ながら、子ども達は「お父さん、それでも幸せなの?」と心の中で問いかけているのです。





父親みたいな人生だけは送りたくない、純粋にそう思っているのです。人間は誰しも幸福になりたいと思って生きています。自ら進んで不幸になりたいと思っている人間などいるはずはありません。





誰もが皆、どうすれば幸せになれるのかを一生懸命に探しているのです。子供にしてもまったく同じだと思います。幸せそうに生きている人、楽しそうにいきいき生きている人、そういう人こそが自分のモデルとなり、夢となっていきます。





そして、残念ながら、そのモデルは自分の父親ではないことが多いのです。料理人になりたいというのは、おそらく子供の目から見て、料理人たちがいきいきと映っているからです。





少なくとも父親よりは、幸せそうに映っているのではないでしょうか。人間としての最終目標は、いきいきと毎日を笑顔で暮らせることにあります。そこにたどりつくことがもっとも大切なことなのです。学歴が高卒であろうが中卒であろうが、そんなことはどうでもいいことなのです。





肩書きがあろうがなかろうが、人生にはたいして関係がないのです。この本質に気づいているのは、もしかしたら大人ではなくて子供たちなのかもしれません。





「子供のためを思うから、一流大学に行かせたい」と言う親御さんがよくいますが、本当に子供のためだけでしょうか。うちの子は〇〇大学なの、と他人に自慢したり、自分の「栄光」を認めて欲しいからではないでしょうか。





中卒だったら、子供が恥ずかしいからではなく、自分が恥ずかしいからではないですか。もしそうだとしたら、そんな人格を無視した思い上がりはありません。子供は親の付属品ではないのです。





幸福観というのは人それぞれが違うように、親と子も違うのです。時代の変化による食い違いもあるでしょう。まずそのことを認識してほしいと思います。そして子供の幸せを考える前に、まずは自らの幸福観に目を向けるべきだと思います。





「対応」





基本的には子供の意思を尊重してあげることです。しかし中学3年生までは、まだ社会を見る目におぼつかないところがあります。その部分を父親が補ってあげる必要があるでしょう。料理人の世界とは本当はどういう世界なのか。





どんな厳しさがそこにはあるのか。その客観情報を子供に伝えてあげましょう。良い悪いではなく、一社会人として教えるのです。そして父としてこう思うよとアドバイスしましょう。その上で決めるのは、あくまでも子供自身なのです。



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団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
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理事:
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理事:
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住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
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 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援