子育て相談~いじめについて~
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子育て相談~いじめについて~

2019年10月24日(木)8:22 PM


「相談事例」



最近子どもが学校でいじめを受けているようです。別に怪我をさせられて帰ってくるわけではないし、本人の口から聞いたわけでもないのですが、友人の親からコッソリ聞かされました。非常にショックを受けています。わたしとしてはいじめを受けるような弱い子に育って欲しくはないので、「やられたら、やり返しなさい」と励ましています。しかし、子どもは口を閉ざすだけで、何も親には打ち明けようとはしません。どうしたらいいのでしょうか。



「回答」

現代の子ども社会では、いわゆるガキ大将の存在がなくなりつつあります。かつては身体の大きい子や、少し元気すぎる子がガキ大将となり、他の子どもにちょっかいを出したものです。しかしそれは陰湿なものではけっしてなく、先生の目にもとても分かりやすいものだったのでしょう。





昔からいじめはあったとよく言われますが、昔のいじめはもっと分かりやすいものだったように思います。それに比べて、現代のいじめは非常に見えにくいものになっているようです。表面には出てこないで、裏のほうで陰湿な形で行われています。





また、現代のいじめはその希薄な人間関係の中で生まれているのも特徴です。つまり、いじめっ子といじめられっ子が共に距離感がわからないのです。だから、これまではいじめる側にいた子が、ある日突然いじめられる側に回ったりします。





中学2年のときはいじめられなかったのに、クラスが変わると急にいじめられ始めたなんてことはざらに起きています。要するに、その時々の人間関係に大きく左右される面があるのです。





そしてそれは腕力というよりも、互いに人間関係をつむげないことからくる苛立ち、焦りのゆがみなのです。また、集団の中に緩衝地帯になったりできる関係がベースに築かれていないのです。だから、いじめの構造が非常に分かりにくくなっているのです。





これが教師や親の発見を遅らせる大きな原因となっています。「あんな優秀な生徒がいじめをするはずがない」「いじめっ子のあの子がいじめられているはずがない」と勝手に判断してしまいます。





判断と発見があっても、それに人間関係のコンサルテーションがないと、いじめはどんどんエスカレートし、取り返しがつかなくなってしまいます。そういう意味で現代のいじめは根が深く、より複雑なものになっているのです。





いつ、いじめにあうか分からない、そういう不安はどの親にもどの子にもあるでしょう。現代においては絶対いじめを受けない子など、おそらくほとんどいないのではないでしょうか。





では子どもがいじめにあったときに、親は何をしてあげればいいのでしょうか。もし子どもが親にその事実を隠そうとしているのなら、助けて欲しいと言ってこないなら、しばらくは黙って様子を見てあげることです。小学生くらいならば、親が積極的に関与してあげたほうがいいと思います。しかし中学生ともなれば、自分の力でその関係性を変えていこうと努力します。





また、親に弱点を見せるのも恥ずかしいものですし、親に心配かけたくないという気持ちもあるのです。あまりしつこく関与しようとすると、逆に子どもは反発するものです。あくまでも温かく見守ってあげましょう。





けっして励ましたりするのではなく、心から子どもを受容することが大切です。相談の中にあるように「やられたら、やり返しなさい」などとは絶対に言ってはいけません。





なぜなら、やり返せるくらいの子であれば、とっくにいじめは解消しているでしょう。やり返したくてもやり返せない、それほど修復に自信がないから悩んでいるのです。





やり返せない子に「やり返せ」と言うのは、言ってみればその子の弱点をついているのと同じことになってしまいます。子どもにとってみれば、余計に逃げ場がなくなってしまうのです。





あるとき、いじめを受けている親子が相談に来ました。母親は一生懸命にその子を励ましています。「やられっぱなしじゃ、いつまでたっても強くなれないのよ。やり返してだめならわたしが行ってあげるから」と子どもを激励します。すると子どもがしぼり出すような声で言いました。「お母さん、僕が学校でいじめられている姿をお母さん、見たことがあるの?」と。





それはみじめな姿なのでしょう。そのみじめさに自分は必死になって耐えているわけです。そして母親の「軽はずみな励まし」によって、みじめな姿がさらに強くなってしまいます。





この気持ちをわかってあげてほしいのです。まず、そのみじめさを受容することです。いじめられていてもかまわない、やり返せなくてもいい、そんなあなたが大好きなのよ、そういう気持ちを子どもに伝えてほしいと思います。





それには、その悔しさを「ただ聞くこと」に尽きるのです。この愛情があれば、子どもは必ず生きようとする意欲を取り戻します。こんなみじめな僕でも、やり返すことのできない弱い僕でも親は無条件で受け入れてくれるんだ、この安心感に勝るものはないのです。





自分は家族から大切にされている、心から受け入れてくれる親がいる、この気持ちがあればこそ、子どもは外でつらいことがあっても耐えることができるのです。





人間関係づくりの再チャレンジができるのです。そしてどうしようもなくなったら、子どもが明らかにSOSを出してきたら、その時こそ親の判断ですばやく動いてあげてください。





学校の先生に直接相談に行ってもいい、相手の親と話し合ってもいい、とにかく大人の力で押さえつけたほうがいいときもあるかもしれません。動き出したなら戸惑うことなく、ストレートに動くほうが良いのです。





しかしそれでも周りの理解が得られなければ、不登校をして身の安全をはかるしかありません。それは防衛であってけっして逃避ではありません。不登校はけっして逃避ではありません。





あくまでも子どもの身の安全と命を守るための行為です。いかなる手段を使っても子どもの身の安全と命だけは守りきる、それが親の子を愛する働きではないでしょうか。





「対応」





基本的には子どものいじめ問題に対しては、あまり神経質になってはいけません。しかし同時に、子どもの気持ちに敏感にならなくてはいけません。





どの程度、つらい思いをしているのか、どのように人間関係の歪みを調整しようとしているのか、それは親が決めるものではありません。
傷ついた心をゆっくりと癒せる場所、常にその帰る場所を用意していくことがまず何よりも大切なのだと思います。





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