子育て相談~個室に閉じこもる子供~
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子育て相談~個室に閉じこもる子供~

2019年10月22日(火)11:45 AM







高校受験を控えているということもあり、中学3年になるときに子どもに個室を与えました。





するととたんに部屋にこもるようになってしまいました。





学校から帰るとすぐに自分の部屋に入り、出てくるのは食事とテレビを見るときだけです。





また親が部屋に入ることも嫌がり、部屋のカギも自分でつけてしまいました。





このままでは家族のコミュニケーションが減るばかりで心配しています。個室を与えたことは失敗なのでしょうか。





いつの時代からか、日本も子どもに個室を与えるような習慣ができてしまいました。





いくら住宅事情が悪いといっても、子どもの数が減っているのですから、少し無理をすれば部屋を確保できるのは可能なのでしょう。





かつての大家族の時代からみれば、まるで夢のような話です。





子どもに個室を与えることは、けっして悪いことではありません。自分の部屋を自分で管理することで独立心も養われます。





また中学3年生ともなれば、親に秘密にしておきたいこともあります。親に見せたくないような物だって出てくるでしょう。





この年齢になっても、親にまったく隠し事がないというのも、かえって不自然な感じがします。





子どものプライバシーを考え始めてあげなければならない時期なのです。





ただし、危険な個室の与え方というのがあります。それは「もうおまえは一人前になった。





プライバシーを尊重してやるから、そのかわり自分のことは自分でやれ」というように、あまりにも「個」を強く打ち出しすぎることです。





いかにも欧米みたいな格好のいい言い方ですが、急にこう言われると子どものほうも戸惑ってしまいます。





いくら身体は大きくなったとはいえ、まだまだ精神的に親と関わっていたい時期です。





親のほうは良かれと思い、「プライバシーを尊重してやる」と言っているのですが、子どもにしてみれば「もうおまえの世話はしないよ」と聞こえることがあるのです。





すると子どもはたちまち孤独になり、どこかで見捨てられ感を味わうことになります。





個室を与えたつもりが「孤室」を押しつけることになってしまうのです。





本当の意味での孤室というのは、やはり経済的・社会的自立を前にしたあたりからではないかとわたしは思います。





あまりにも「自立心」や「プライバシー」といったものを強調しすぎると、子どもはどんどん一人称の世界に入っていってしまいます。





自分の部屋、自分の物、自分の時間、自分の考え・・・・・と何でも自分、自分になっていきます。





引きこもりや不登校の子どもたちは、この傾向が強く一人称の世界にはまり込んでいる子もいます。





一人称の世界はつまり、他人を受け入れない世界、他人との関係を持たない世界なのです。





すべてが自分の思い通りになり、自分中心の世界であるならばそれでもかまわないと思います。





しかし、人間は人との関わりなくしては生きていけません。人と人がいれば、どこかで何かしらぶつかるものです。





そこに競争心が湧き、せめぎ合いが起こります。これが生きていく上での活力になります。





しかし、いつまでもせめぎ合っていても仕方がありません。そこで人は互いに折り合いをつけていきます。





時には相手が折れてくれたり、時には相手に譲ったりしながら、互いの人間関係を保っていきます。





このお互い様の関係の中で人は生きていくのです。





ところが、一人称の中で生きていると、せめぎ合うことが怖くなってしまいます。





せめぎ合いイコール決裂に思えてしまうようになるのです。自分を強く出しすぎるために折り合うことができなくなるのです。





長期の引きこもりの人に、この傾向がよく見られます。折り合いをつけたくてもすの術が分からないのです。





こうなってしまえば、人間関係が成立するはずがありません。これがもっとも恐ろしいことなのです。





また現代は、社会自体が一人称になりつつあります。うちの家、うちの子、うちのやり方、すべて「うち」が頭についています。





家を高い壁で囲い、完全に人を寄せつけないのです。地域がどうなろうと、近所がどうなろうと、うちさえ良ければそれでいい・・・・。





このような発想がとても多くなったような気がします。お互い譲り合うことをせず、お互いさまという発想も持たず、すべて「うち」を中心に考えてしまう。





日本の社会全体が引きこもって暮らしているような気がしてならないのです。





「せめぎ合って、折り合って、お互いさま」、これができなくなった子どもは、どこかに逃げ込もうとします。





それが自分の部屋であったり、部屋がなければ図書館だったりします。あるいは勉強や趣味も逃げ場になることもあります。





要するに一人称でも生きていける世界を探しているのです。ある高校生の男の子の話です。





彼は別に不登校をしているわけでもないし、成績もとてもいい子です。でも、友達が一人もいません。





まったく一人称の世界で生きている彼がこう言いました。





「中学で人間関係の複雑さに襲われ自信を完全に失ってしまった僕は、勉強という安全地に逃げ込んだのです」と。





逃げ込む場所が勉強のみであってはいけません。また、自分の部屋だけであってはいけません。





逃げ込む場は信頼できる身近な人間、特に親や先生や友人であってほしいのです。





なぜなら、人に逃げ込むということは、けっして一人称の世界ではないからです。





絶対に子どもを孤室に逃げ込ませてはいけないのです。





「対応」





子どもの個室という考え方をしないほうが良いと思います。子どもが勉強したり考えたりするスペースと捉えてはどうでしょうか。





そして常にオープンな雰囲気を作っておきましょう。時には父親が「ちょっと仕事をしたいから机を貸してくれないか」と入っていくのもよいでしょう。





部屋には勝手に入ることもあるよ、でも机の中は絶対に開けないから・・・・。





これくらいのルールがちょうどいいのではないでしょうか。





少なくとも、家庭の中の部屋にカギは不要だと思います。



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