相談事例~自分を責める母親~
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相談事例~自分を責める母親~

2019年10月17日(木)6:17 PM






「親である自分を責めてしまいます」





娘は長女で25歳になります。小さい時から自己主張の強い子どもでした。なかなか母親であるわたしの言うことは聞かず、おまけに風邪をひきやすかったり身体の訴えも多く、しょっちゅう病院に連れて行かなくてはならないとても手のかかる子どもでした。





だから、あまりかわいいと思う余裕をもって育てることはできずにいました。小学校高学年以降も何かといえば、母子でぶつかり合うことが多く、弟が「またケンカしているの」と小さな心を痛めていました。





この息子のことのほうが気になっていました。おとなしくて手のかからないいい子だったからです。外でも泣かされる弟をかばってケンカする頼もしい姉でした。大学にも行ってちゃんと卒業しました。ただ、就職活動は積極的ではありませんでした。





今思えば、その頃から娘は限界を感じていたのだと思いますが、わたしはそれをわかってあげることができずにいました。「どうしたの!?」「ちゃんと就職のことを考えているの!?」と何度も責めてしまいました。





かろうじてアルバイトを始めましたが、遅刻が多く、そのことに対してもわたしは「だらしない」と追い打ちをかけて言ってしまいました。3ヶ月もしないうちに、「バイトを辞めてきた」と言い、それから3年になりますが、ずっと家にひきこもり、何かを始めようとはしません。





娘はひきこもってからは、あまり話もしませんが、時折わたしを激しく責めてこう言います。「小学生のときからわたしがどんなに苦しんでいたのか、お母さんはぜんぜん聞こうとしなかった。だからここまで身動き取れなくなってしまったの」と。娘の責める激しさに、つい「そんなことない!」と言い訳をしてしまい、娘はさらにいきり立ってしまいます。





わたしは、娘が小さい時からつらい思いをしてきたことやサインを出してきたことに気づかなかったことを本当に悔しく思っています。おまけに、つい娘の口調につられてしまい、娘を受け入れられない自分が情けなくて仕方がありません。娘に言われなくても母親失格だと自分を責める毎日です。


「回答」


親であれば、わが子に何か問題が生じると自分を責めずにはいられません。その時その時をよかれと思ってやってきたと思えるのであれば、少しは自分にも「仕方がなかったのよ」とささやくこともできます。ところが余裕の持てない中で夢中でやってきてしまいますと、結果が悪ければ後悔は断腸の思いになります。まして「まさか」という思いは、自分のうかつさとして追い討ちをかけてしまいます。





おとなしくていい子がひきこもってしまうのは、自分を出せない、出さないことからくる対人関係障害だといえます。一方、自分をしっかり出すエネルギーをもった子がひきこもってしまうのは、自分を出すことによって生じる摩擦からくる対人関係障害だといえます。





自分を出せないできた子は出さないゆえに「周囲に受け入れられた」という実感を持つことはできず、周囲に気を使い周囲にあわせてしまい、疲れ果てて身を引きたくなってしまいます。自己主張の強い子は、時としてその強さゆえに受け入れられず、認められたくてよりエネルギーを使い、疲れ果ててしまいます。どちらがしんどいかは比べられるものではありませんが、エネルギーを持っていた子もボロボロになってしまっていることは確かです。





そして、必死に向かってくるわが子と向き合っていく親も、その受け止め方を工夫していかないと、本当に消耗してしまうものです。そのことが気がかりです。専門家の力を借りてその悪循環に終止符を打つのも一つの策として考えておいていただきたいと思います。今は、一人でなんとかしようと思わないでほしいのです。親もくたくたになってしまいます。そのうえ、自分を責めてばかりいるとうつ状態に陥りかねません。





「対応」





自分に向かって「もし、娘に子どもが生まれて、その子が娘と同じようになったとしたら、あなたはあなたの娘を責める?」と問いかけてみてください。きっと「いいえ、あなたは精一杯子どもを育ててきたわよ」と言ってあげるでしょう。そうです。あなたも娘さんと必死でやってきたのです。





食事をとらない子どもが心配





翌日になると冷蔵庫の食料が消えていますので、夜中にこっそり取りに来ていると思うのですが、声をかけても絶対にいっしょに食事をしません。





わずかに言葉はかわしますが、「お寿司でも食べる?」とか「・・・・・ってお店のフカヒレはおいしいそうよ」とか食事の話題をすると無視して2階に上がってしまいます。本人はひきこもりの生活をしていて外に出られませんので、頼まれて女性誌をほとんど必ずわたしが買ってきます。ファッションにも興味があるようなのですが、スタイルなどは気にせず早く家から出てほしいのです。そういえば、異性を意識しだした頃、「わたし、もっと痩せなきゃ、痩せなきゃ」と言っていました。


「回答」


人目が気になる時期にひきこもりは起きやすいわけですが、特に女の子にとっては受難の時代なのかもしれません。健康ブームの到来はわたしたちにも何を食べるべきか、わかりやすくガイドしてくれます。また「痩せる・・・・・」「ダイエット・・・・・」の文字は、まるで体重が増えることは間違いであるかのように、わたしたちに情報を送り続けます。





思春期には体の変化とともに将来自分がどんな「女性」「男性」になるのか、さまざまな「女性像」「男性像」をめぐらす時期です。テレビの人気アイドルにそっくりな子が、電車の中にたくさん現れるのもそのためです。





同じ靴、同じ服、同じ髪・・・・・、同じスタイルになることが、「置き去りにされていない」証明でもあるのです。誰かがピアスをすれば、翌週には同じ耳までが登場します。おそらく娘さんにとって痩せることだけが、女性として受け入れられる、つまり旅立ちへの突破口になっているのかもしれません。





「お寿司食べる?」、「・・・・・のフカヒレはおいしそうよ」という投げかけは、かえって「わかっていない!」という反感をかい、背景にある「誰かに受け入れられたい・・・・・」、「いつかわたしだって・・・・」という気持ちを無視し、「女ごころ」を逆なですることになるでしょう。





キッチンの食料が少しずつなくなっていることから、空腹は静かに満たしていると思います。食べやすい最低限の栄養はさりげなく置いておきましょう。しかし、ここで注意したいのは、あくまで様子を見るのが目的で、冷蔵庫に娘さんのコーナーを作ったり、減っている量で安心してはいけません。





コミュニケーションをものに置き換えることで済ませようとすると、それは親御さんが引きこもりだした証拠です。とりあえずよく食べているらしく、絆は深まったと互いに勘違いしてしまえば、ひきこもりは長期化してしまいます。まだお母さんとは出会えるわけですから、女ごころに通じる「女の話し合い」を試してみてください。



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