子どもを殺したいと思う親
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子どもを殺したいと思う親

2019年10月15日(火)10:58 AM






子どもを殺したいと思う親





息子は17歳になりました。私立の中学を受験し、念願かなって本人両親ともども喜んで4月からの中学生活をスタートしました。ところが、6月になって学校に行き渋りだし、夏休み前からすっかり行かなくなってしまいました。





中高一貫教育の学校ですが、中学はなんとか卒業させてくれましたが当然高校は入れてもらえませんでした。勉強もついていけそうにないと悩んでいたので、公立への転校を提案したのですが、せっかく合格した学校なのであきらめきれませんでした。





そして友達関係もうまくいかないと漏らしはじめました。なんとか保健室登校でもと思いましたが、それも無理でした。クラスの子たちや先生からの誘いにも一切応えず、そのままひきこもってしまいもう3年も経ちます。





夫婦共働きで子どもを育ててきました。妻である母親は、きっちりした性格もあり厳しく息子に接しているので、わたしはどちらかというと大きな目で見守っていかねばと思いながらやってきました。





妻の期待に応えるべく、息子はがんばってきたと思います。小学校でも優秀でしたし、受験もがんばったし、中学校でも部活や生徒会で責任のある役割を引き受けスタートした中学校生活でした。





それが一変して、母親にさまざまな要求を突きつけ、少しでも違うと怒鳴り散らし、近所の家にイライラし、家具を壊し、壁やドアをたたき穴を開ける始末です。「今までの無理がたまって疲れ果て、いつまでも身動きできないいら立ち」だろうと頭では理解できても、あまりの激しさにわたしどももそろそろ限界です。





妻はおびえ憔悴しきっています。時として息子が「もうこんなんじゃ死にたいよ!」と絶叫すると、わたしに向かって妻は小声で「いっそ死んでくれればいいのに」とうめくように言います。





「君も疲れているだろうけど、そんなことを言うもんじゃない」となだめるものの、心の中では、この生き地獄のような毎日を終わらせるためには、わたしが息子を殺すしかないかもしれないという思いがわき起こってくるのを感じずにはいられません。





回答





ひきこもる原因やきっかけはさまざまですが、家族以外の社会との接点が失われたのであれば、脱出への道は家族内コミュニケーションのあり方の見直しから始めるしかないのです。





ひきこもりが長期化していくと、さまざまな精神症状や問題行動が現れ、家族を激しく巻き込んでいきます。そして、家族は疲労困憊していくにもかかわらず、自責の念や恥ずかしさから問題を外に打ち明けることができず、辛くなります。





どうにもならない思いに家族は「苦しみから解放されるためには死ぬしかない」と、あっという間に追いつめられてしまいます。「このままだと本当にわが子を殺してしまうかもしれない」という恐れが相談の契機になったのであれば、それも良しとしたいと思います。





自分だけ、家族だけでなんとか抱えていこうとするのは、誰しも当然考えることなのですが、それを手放すことが解決への第一歩と言えます。ときには殺したいと思うほど、憎しみを感じることもあるかもしれません。それも心身ともに疲労し行き詰まった思いからくるものです。





そしてわが子を殺したいという思いを自分の中に見つけたときには、何てひどい親なのだと自分をさらに責めることになります。この家庭内の悪循環に風穴を開けるべく、本人はいっそう激しく心の叫びを上げているのです。





そこで家族以外の人や専門家の力を借りて、とにかく少しでも心身を休ませることが大切です。小さなボタンの掛け違いは、どこの家庭でもあり、それはあっという間に増大し手に負えなくなります。でも必ず家族のコミュニケーションを見直していくと、少しずつ良い循環が始まります。ただ必要な時間は家族によって本当にさまざまだと言えます。





幼児返りをする子どもに不安





夫婦で息子のことで関東自立就労支援センターでカウンセリングを受け始めてから3ヶ月が経ちますが、最近幼児返りが見られるようになりました。母親である妻の布団に入ってきたり、大きな体で妻の膝の上に座ってみたりするのです。





何しろもう26歳になる大の大人ですから妻は最初はたいへん戸惑っていました。でも、やっと「安心して甘えたいのだ」と思えるようになり、今は息子の気の済むようにさせています。父親であるわたしのほうは複雑な気持ちです。





やはり何か異常な感じがして見ていて耐え難いし、このまま許していてエスカレートしないのか心配になります。ただわたしがいても普通にやっていますので、本当に幼児のような気持ちで甘えているのだろうとは思えるのですが・・・・・。





退行はさせないようにと言うドクターもいるようですし・・・・。息子は長男で2歳下に娘がいます。妻は、娘を妊娠しているとき、仕事を辞めないとお腹の子どもが危ういと言われたのですが仕事はそのまま続けました。





流産したらそれまでの運の持ち主と自分に言い聞かせながら仕事をしていたようです。なんとか無事出産しましたが、喘息気味で身体の弱い子でした。女の子ということもあり、何やかんやと過保護なくらいかまって育てたように思います。





一方、問題の長男のほうは、妹が生まれてからはすっかりいい「お兄ちゃん」になり、あまりわたしたち両親の奮闘の記憶はありません。





それだけ手のかからない子だったと思います。まじめでおとなしい子なので父親としては少々歯がゆく思い、折に触れ「男だろう!もっと強くならないとダメだぞ!」というようなメッセージを有言無言で伝えてきたと振り返っています。





まあまあの進学校を卒業した後、情報処理の専門学校に進みましたが1年で辞めてしまいました。勉強は好きな息子でしたが、「周囲が自分のことを変な目で見ている」と言いだし、もう行きたくないと宣言しそのままひきこもってしまいました。





そのうちなんとかなると思っていたものの、7年間も経ってしまいこのままではと意を決して相談に伺いました。





回答





わが子のひきこもらざるをえなかった背景を理解するにつれ、親としてのさまざまな後悔や悲しみがあふれ出てきます。そして、わが子の苦しみになぜもっと早く気がつかなかったのかと責めるしかなくなります。





とりあえず、わが子を責めたてずにそっとしておいてあげようという思いになります。外での対人関係に傷つき疲れた心と身体を、十分休めることができればと心から願います。





しばらくは以前の笑顔を取り戻してくれさえすればいいと待つことができます。けれども、だんだん年月を経て、受け入れ難い症状が出てくると不安になり、専門機関に相談に出向くことになります。





さて、この幼児化(退行)は、生じないですめばそれに越したことはありません。乳幼児期の発達課題はクリアできているということです。





だから、ひきこもると必ず幼児化が起きるということでもないし、起きないと自立できないということではありません。ただ、わたしたちの心は赤ん坊のときにしっかりと抱きしめられる必要があります。





この体験を十分に持てると、人に対する基本的信頼感、世の中に対する安全感、自己肯定感の基礎が確立されます。この体験が不十分だったり、思春期の大きな揺れに遭遇したり、焦りの中旅立とうとする不安に見舞われると、心はこのホールディングを求めざるをえないのです。





いわば育ちなおしのようなものといえます。必要な程度や期間は本人の心がちゃんと知っています。幼い子がお母さんから離れて冒険に出て怖い思いや悲しい思いをすると、お母さんのもとへすっ飛んで帰ってきます。





そこで、しっかり抱えてなぐさめ励ましてもらうことができれば、お母さんの腕からするりと抜けて、また探索に出かけるのです。必ず「もう十分だよ」という時がきます。長くかかる時は、それだけ不安が大きくて強いと思うことです。



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理事:
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TEL
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メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
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 学習 支援、生活訓練
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・教育相談の実施
・各種資格取得支援