ひきこもり当事者の悩みの声~親と話ができない~
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ひきこもり当事者の悩みの声~親と話ができない~

2019年10月10日(木)11:24 AM







相談事例   「親と話ができない」





きっかけは親ではなくて、学校でのささいないじめでした。今思えば言葉の暴力であり、大したことではなかったのかもしれません。





しかし、わかってくれるはずの親友にも「あまり暗い話ばかりしていると、嫌われるよ」と言われショックでした。不登校になってから母親は「いいんだよ」と言ってくれましたが、父親の顔を前にすると、不安やいら立ちばかり出てきてしまいます。





もともと無口な父親に、内心すまないと思う気持ちや焦りも出てくるのですが、うまく話せなくなってしまいました。怒られそうで怖いのですが、何か僕自身の心構えはありますか?





回答





「腹を割る」、「話せば分かる」という言葉は、最近ではあまり耳にしなくなりましたが、わたしたちは「察する」とか、「言わなくてもわかる」ことを大切にしてきたのも事実です。





特にお父さんやお母さんは「沈黙は金」と言われ、育てられてきた世代でもあります。今は「暗いなー」とか「何考えてんのかぜんぜんわかんねーよ」と言われる本音先行、丸裸の時代とも言えます。しかしいざ本音を見せると、損をしてしまう場合もあるようです。





「腹を割る」美しさは一方的に感情を吐き出すような爽快感にあるのではなく、お互いに相手に気を使いすぎて己を殺しあうのはやめて、時に本音と本音を折り合わせる、日本的関係術でもあります。





どうも最近はこの本音と建て前の境目が崩れ、ふたを開けたように絆が「キレる関係」や、こらえ過ぎた本音が、恨みや怒りに変わってしまうことに悩む人が増えているようです。おそらくあなたもこの「本音を適切な言葉に置き換える技」に揺れているのでしょう。





互いに触れにくい話題(例えば進路)に触れるときには、不安や痛みが伴うものです。これが腫れ物のような本音に触れる瞬間で、さらに傷つけ合ってしまう可能性もあります。ですから、もし無理に話し合う感覚を覚えるのなら、まず「うまくいかないなあ・・・・」とつぶやいてみてはどうでしょうか?





対応   まず親との状況整理をしてみる





親は、「受容」・「共感」・「肯定」は、してくれそうにない。「進路」・「仕事」・「社会」に触れたがる。「取引」・「責任」・「かけひき」になりやすい。





口数は減っていく、ものやお金におきかえる、腫れ物扱いする、だんだん関わらなくなる、親もひきこもる、きっかけを失う、居心地が悪くなる。こうしたやりとりが強まると、ひきこもりは固定化してしまいます。あなた自身が、こうしたことに気づいておくと、きっかけがつかみやすくなるはずです。





相談事例    「風呂に入れない」 




僕は去年の暮れから風呂に入っていません。かれこれもう半年になります。夏場はきつそうなので思い切って入ろうかと思いますが、苦しくなります。風呂に入れなくなったのは、出られなくなったからです。夕方から入って深夜まで出られなくなり、父親に「入れないだろう!」と怒られてしまいました。





でも僕にとっては唯一の癒しの場でもあります。家の中にはトイレと自分の部屋と風呂しか、許してもらえる居場所がありません。親にはすまないと思っているけど、わかってほしいです。父親は怒って、僕の部屋から古本を全部持ち出して燃やしてしまいました。お歳暮とかは階段に置きっぱなしなのに腹が立ちます。





回答





おっしゃるとおり、あなたにとって風呂場は居場所なのだろうと思います。また、何かが洗い流される不安や、捨てられない気持ち、整理がつかないままとっておきたい気持ちはありませんか?こうしたものごとを整理しきれない気持ちは、大掃除のときにだけ起きるものではないようです。





置き去りになった不安や怒り、罪悪感は歳越えのいらぬお歳暮のように、さらに大きな荷物となってしまいます。お父さんに怒られたことで、落ち着かない気持ちがあおられ、癒すことも見つめることもできなくなったのでしょう。





ひきこもりには拭いきれない不安や苛立ちがつきまといますが、わたしたち日本人にとって唯一市民権を得ているひきこもりの場「風呂場」は欠かせない癒しの場のようです。





あなたにとって風呂場が、一日を振り返りひきこもる不安や苛立ちを内省する場であることを話し、協力してもらえるように語りかけるのは無理でしょうか?また、これは必ずしもお勧めできませんが、風呂に入る順番をあらかじめ決めておくことです。





どうしてもゆっくりと入りたいのであれば、あなたは最後に入るべきでしょう。ただ、これだけでは家の中に温泉がやってきただけで、現実はあまり変わらず、家族との距離感は逆に広がってしまう可能性があります。





大切なのは癒しがたい気持ちが風呂場だけでなく、家族の温度の中で癒されることです。お父さんの勝手気ままに片付けてしまおうとする態度には、生活を力づくで変えたい焦りが見えます。この焦りは、父親も不安で温泉にでも行きたいという気持ちの表れかもしれません。





ひきこもりは誰かと誰かの間に起こる関係の問題ともいえます。温泉の湧き出る洞穴に一人で入り続ける仙人は、それを誰も止めないかぎり、問題にはなりません。また「ひきこもり」、「立てこもり」などとも言わないでしょう。せいぜいはそれは「山ごもり」です。





あなたの抱える風呂の問題は、風呂に入っていてもゆっくりできなくなったことと、長く入ることがひきこもりの新たな症状としてとらえられることです。不安など整理しきれない気持ちを癒そうとすればするほど、周囲の見る目がきつくなる矛盾に気づけるといいと思います。不安や焦りが凍りつくと、ひきこもる関係は硬直化してしまいます。



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