不登校~セルフ・コントロールを育む~
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不登校~セルフ・コントロールを育む~

2019年10月05日(土)11:06 AM

 




不登校体験者の半数以上が、「生活空間の崩れがあったために、その後の生活で苦労した」としています。「生活空間の崩れ」は、「方向喪失」を表す症状の一つと考えられます。





いわば、無気力、無力感と関連する症状です。すなわち、学校に行くという生活サイクルがなくなった中で、自分が生きる目標や課題を見失った結果として、生活時間の崩れが生じると考えられるのです。





生きる目標や課題を定める上でも、それが定まった後のことを考えても、不登校の期間に底上げしたい力があります。それは、自分が特定の課題をクリアーできるかどうかについて、自分の力から目標を見通し、その課題をクリアーし、目標を達成するために努力を継続できる力です。





「生活時間の崩れ」そのものは、自分の生きる目標や課題が定まって意欲的になれば自然に回復していくことが多いので、目標が定まってから後に、目標達成や課題を乗り越えるための努力を維持する力としてセルフ・コントロールは重要です。





これも、学校教育の中で、意図的に培われているもので、社会生活を営む上でも欠かせない力です。では、セルフ・コントロールとは何でしょうか。それは、先々の目標を考えた上で、「したくないことを、あえて行う」「したいことを、あえて行わないでおく」ことです。





セルフ・コントロールの力が急激に培われるのは、主に児童中期から後期にかけてです。不登校の問題の解決に関わるセルフ・コントロールの問題では、大きく二つのタイプがあります。





一つは、すでにセルフ・コントロールの力が強すぎて、自分の欲求にブレーキをかけ過ぎている場合です。もう一つは、セルフ・コントロールの力が身についていない場合です。





セルフ・コントロールが過多であったために、不登校が引きおこされたような事例では、セルフ・コントロールの力を高めようとする必要はありません。この見極めは、不登校になってからの様子ではなく、それ以前の様子で判断します。





特に、小学生時に、がんばりや我慢ができる子どもの場合は、セルフ・コントロールする基礎的な力は獲得されていると考えます。小学生の事例でも、不登校以前にまるで「おとな子ども」のように、しっかりし過ぎていたような事例でも同様に考えてよいと思います。





このような事例では、セルフ・コントロールのし過ぎが問題になります。この場合は、不登校となった結果、一定程度怠惰になることは自然のことと考えて、ゆったりと接します。





むしろ、いい加減に行うことや、適当にやり過ごすなどの対処の仕方を教えます。目の前の課題に追われるのではなく、先々を見通して力を温存し、ゆったりと過ごして力を蓄えることが身につけたいセルフ・コントロールということになります。





言うならば、視野を広げ、視線を高くし、自分が本当に頑張り、耐えるために余力を残すことを学ぶのです。これが、彼らに必要なセルフ・コントロールです。





これに対して、小学生時を通して、セルフ・コントロールする力を獲得しそこなった事例では、セルフ・コントロールの基礎的な力を獲得させることを意識します。多くの場合、小学生でも中学年程度までは、セルフ・コントロールは十分に獲得されていないのが普通です。





そこで、低年齢の事例では、不登校期間中にセルフ・コントロールを獲得させる必要があります。ただ、ここで強調したいのは、セルフ・コントロールは、周囲からの承認や自分の努力が報われた体験が育むという点です。





セルフ・コントロールのうち、「したいことを、あえてしない」という我慢は、多くの場合、我慢をほめ、認めることで培われます。「したくないことを、あえてする」という頑張りは、成功体験を味わうことで培われます。すなわち、我慢させることが大事なのではなく、我慢できたことをほめることが大事なのです。





また、頑張れと励ますことが大事なのではなく、その頑張りが結果に結びつき、「やった甲斐があった」と感じさせることが大事なのです。不登校問題の回復で、だんだん学校に近づくなどの形で、小刻みに登校行動を強める働きかけが行われることが多いです。





そのようなときにも、セルフ・コントロールを育むことを意識する事例であれば、基本的に本人を認め、褒め、その一つひとつの乗り越えをどのように成功体験だと感じさせるのかが重要なことになります。




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