不登校とひきこもりの関係について
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不登校とひきこもりの関係について

2019年09月24日(火)1:22 PM

 

 

 

不登校とひきこもりの関係について、まずはじめに、不登校とひきこもり、それぞれの定義を紹介しましょう。

 

 

 

 

 

まず、ひきこもりについてですが、厚生労働省の定義によれば、「六ヶ月以上自宅にひきこもって、会社や学校に行かず、家族以外との親密な対人関係がない状態」を示し、このうち、自宅にひきこもっている要因が、統合失調症などの精神疾患によるものを除いたものを社会的ひきこもりと言われることも多いです。

 

 

 

 

 

一方、不登校については、文部科学省の調査において、「何らかの心理的、情緒的、あるいは社会的要因・背景により登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間三十日以上欠席したした者のうち、病気や経済的理由による者を除いた者」を不登校児童生徒としています。

 

 

 

 

 

この両者を比較しますと、ひきこもりも不登校も特定の疾患や障害ではなく、「状態」を指す言葉であることで共通しています。すなわち、「ひきこもり」は自宅にひきこもっている状態であり、「不登校」は学校に登校しないという状態であり、両者ともにその要因は心理的な要因、社会的な要因など多種多様であり、特定の要因に起因するものではないことを示しています。

 

 

 

 

 

このように状態を指す言葉であることは共通していますが、この状態というのが、ひきこもりは「自宅から(外に)出ない」というように出発地に関するものであるのに対して、不登校は「学校に行かない」というように目的地に関するものであるというように捉えることができるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

この不登校とひきこもりとの関連性について、文部科学省の「不登校問題に関する調査研究協力者会議」による「今後の不登校への対応の在り方について」にも紹介されていますが、社団法人青少年健康センターが調査した結果によりますと、不登校とひきこもりの関連性については、ひきこもりの一年間の相談件数のうち約四○パーセントが小・中・高等学校での不登校の経験をもつといった結果が示されているとしています。

 

 

 

 

 

ここで注意したいのは、この「今後の不登校への対応の在り方について」でも指摘しているのですが、これは現在「ひきこもり」状態にある人の経験について分析したデータであり、不登校から必ず「ひきこもり」状態になるというものではないということです。

 

 

 

 

 

しかし、その一方で不登校が長期化、深刻化することによって、「ひきこもり」につながる可能性を示唆しており、「ひきこもり」を防止する観点からも不登校への早期の適切な対応は重要であり、また、社会全体で不登校に関する課題に取り組む意義は大きいとしています。

 

 

 

 

 

このことを踏まえて、私なりに不登校とひきこもりとの関連性について考え、そのことから不登校への対応をどのように捉えるのかを明らかにしていきたいと思います。その手がかりとして、次のように考えています。

 

 

 

 

 

この不登校とひきこもりの関係を、ひきこもりにおける六ヶ月以上ということと、不登校についての年間三十日以上という時間的な経過をひとまず置いて、特定の時点にいける状態像のみに限定して考えてみるとわかりやすくなるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

つまり、学校に行っていないという不登校の中には、①「学校に行っていないが、自宅からは外に出ている」というものと、②「学校に行っていないし、自宅から外にも出ていない」というものが存在するのです。

 

 

 

 

 

もっとも、ひきこもりの場合であっても、六ヶ月間まったく外出しないという場合は少ないとの指摘もありますが、出発地に着目してひきこもりを明確にするために、こうした図式化を試みたのです。

 

 

 

 

 

①の学校に行っていないが、自宅からは外に出ている」にあるというのは、たとえば私が承知している中学生で、長期の不登校状態にありますが、一週間に二~三回、必ずテニススクールに通っているという場合などが挙げられます。

 

 

 

 

 

こうした子どもは不登校=ひきこもりという図式が当てはまりませんし、こうした場合、不登校の要因を、不登校状態にある子ども自身にのみ求めるのではなく、子どもと学校との相互関係、そして、目的地である学校の側の要因に注目していく必要があるでしょう。

 

 

 

 

 

そして、学校以外の場が「居場所」としての機能を果たす場合も期待できるでしょう。その意味において、目的地が学校や職場といったところだけでなくても、自分の趣味を生かす場や、多様な人との関わりを持てる場などであってもまったく構わないのです。

 

 

 

 

 

また、別の中学生の例ですが、「放課後や週末、祝日、夏休みなど長期休業中というように、外に出ていても変な目で見られない時は外に出られますが、学校のある時間帯や時期には絶対に家から出ない」という子どももいます。

 

 

 

 

 

こうした場合でも、「学校のある時間帯には外に出ることができない子ども」と見るのか、「学校のない時間帯には外に出ることができる子ども」と見るのかというように、その子どもに対する周囲の人あるいはその子ども自身の視点を少し変えてみるだけで、その状態に対する理解が大きく異なってくるということも念頭に置くことが大切でしょう。

 

 

 

 

 

その一方、②の「学校に行っていないし、自宅から外にも出ていない」という場合は、不登校かつひきこもり状態であると見ることができ、①の「学校に行っていないが、自宅からは外に出ている」というものに比べると、今後のひきこもり傾向が長期化していくリスクは高いものと考えてよいでしょう。

 

 

 

 

 

こうした状況にある場合、単に登校を促すというように、学校という目的地に焦点を当てた働きかけは有効ではなく、自宅という出発地に焦点を当てた働きかけから始めることが大切だと思われます。

 

 



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