不登校・ひきこもりの事例~17歳の高校生~
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不登校・ひきこもりの事例~17歳の高校生~

2019年09月11日(水)6:58 PM

A君は高校に籍をおいている全欠席状態の「不登校生徒」です。

 

 

 

 

 

家族は両親とA君の三人です。A君が学校にも行かず、昼夜逆転の生活をしていることは両親にとってかなりの悩みになっています。

 

 

 

 

 

両親の話によりますと、小学校時代のA君はむしろ他の子どもよりも活発で、リーダー的な存在だったようです。

 

 

 

 

 

しかし、中学生になってから、同級生とのトラブルがもとで不登校が始まり、やがて外へは一切出なくなってしまいました。

 

 

 

 

 

高校進学については最初からあきらめていましたが、卒業間際になってから本人のほうから急に行くと言い出して、入学試験間際の勉強が効いて、現在の高校に進学することができました。

 

 

 

 

 

しかし、高校は一学期に少し行っただけで再び欠席するようになって、現在にいたっています。

 

 

 

 

 

両親が学校に登校しない理由を厳しく問いただすと、「家が貧乏だから」とか「親がちゃんとしていないから」だと逆に家族に責任転嫁したり、不登校の初期には家庭内暴力もあったため、現在では両親は本人の生活を気にしつつも、好きなようにさせているようです。

 

 

 

 

 

親に言われて嫌々ながら相談室にやってきたA君は、高校生というよりも小学生のようなあどけない表情をしていました。

 

 

 

 

 

大きな悩みを抱えている両親の表情とは対照的に、本人の表情は淡々としており、青年期によく見かける「いらつき」も「険しさ」も本人から微塵も感じ取ることができませんでした。

 

 

 

 

 

私はこの年齢相応に成長していないことが、ひきこもりや不登校と関連しているように見えました。

 

 

 

 

 

すなわち、A君が外出して社会生活を行うためには、本人のもう一歩の心理的な成長が必要であり、そのため、しばらくの面談が必要であることをはっきり認識しました。

 

 

 

 

 

しかし、本人の年齢に相応していない幼さに気づかないようで、両親は外出できないわが子に焦りを感じて説得し続けました。

 

 

 

 

 

そして、両親の焦りに対して、A君は合わせるかのように「自分も早く回復して高校に行きたい」と言い、「できるだけ外出したい」と言いつつ、ひきこもりの生活を続けました。

 

 

 

 

 

A君と私との間に断続的なカウンセリングが続けられました。

 

 

 

 

 

A君は面接室でも無口なので、会話と言える会話もなく、私は日常的な雑談をしながら転機になるようなきっかけを待ちました。

 

 

 

 

 

やがて、A君のほうからネットで知り合ったガールフレンドの話が出るようになり、デートで外出した話がカウンセリングの場に出るようになりました。

 

 

 

 

 

好転する気配がA君の行動から見られましたが、残念ながらつきあいは短い期間に終わりました。

 

 

 

 

 

理由についての話は特にありませんでしたが、その後のカウンセリングの中で継続した対人関係を作ることについての不安が話題になったことから、他者に向き合えない自分に気づいたようでした。

 

 

 

 

 

一年が過ぎた頃、在籍校の担任から出席日数が不足しているため留年になる可能性があると言い渡され、A君は他の高校に転校することになりました。

 

 

 

 

 

いろいろ迷った末、A君はクラス活動がほとんどない学校を選び、入学後は断続的に再登校するようになってカウンセリングは終結となりました。

 

 

 

 

 

A君の事例を振り返ると、以下の特徴があるように思われます。

 

 

 

 

 

(1)ひきこもりの事例では、小学生頃から対人関係が苦手とされる人もいますが、A君のように幼少時はむしろ対人関係において問題がなかった事例もかなりあります。

 

 

 

 

 

(2)後者の場合、多くの青年は思春期において、対人関係上の挫折エピソードを持っており、その挫折エピソードがきっかけでひきこもりが始まります。

 

 

 

 

 

(3)相談者は、往々にして緊張感が高く、柔軟性を持った対人づきあいができません。社会性はむしろ未熟であることが多いです。

 

 

 

 

 

(4)両親は本人に対する期待が高い反面、本人の心(情緒)の育ちに関しては無頓着であることが多いです。つまり、世間体や社会的地位などに価値を見い出している人が多く、その観点から子どもを評価してしまうため、子どもは社会に対して強いプレッシャーを感じやすく、社会的な挫折を受容できません。

 

 

 

 

 

このように、人と関わりたいにもかかわらず、挫折体験が人と関わる際の不安や緊張を常に呼び起こすため、ひきこもる人たちは自分の周りにバリアを張り巡らせ、安心して脱皮できる時がくるまでじっと待っているのです。

 

 



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