ひきこもり当事者からの相談~プライバシーがない~
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ひきこもり当事者からの相談~プライバシーがない~

2019年09月05日(木)2:31 PM

相談事例   プライバシーがない

 

 

 

 

 

最近、親がわたしの部屋に頻繁に来ます。話したいというより、何をしているのか気になるようです。トイレにいった時、立ち聞きしてしまいました。

 

 

 

 

 

「何しているかわからないじゃないか。変なことでもしでかしたりしてからでは遅いぞ・・・・・・」

 

 

 

 

 

もともとわたしの日記ものぞいたりしていましたから、仕方ない親だと思っていた思春期の時期もありました。でもやっぱり、わたしにもプライバシーはあると思うんです。

 

 

 

 

 

本当はひきこもっていて申し訳ない気持ちでいっぱいなのに、何か犯人扱いされているみたいで居心地がすごく悪いです。

 

 

 

 

 

ひきこもりにはプライバシーはないのですか?

 

 

 

 

 

回答

 

 

 

 

 

ひきこもりにはあなたがおっしゃるように、最近プライバシーがないと訴える人が少なくありません。ご両親もひきこもりと事件性に不安を抱き、何かと気になり秘密がなくなるようあなたの世界をのぞき見るのかもしれません。

 

 

 

 

 

思春期になると親とは違う世界を持ちたい、築きたいという夢や願望が生まれます。これが「自我の芽生え」です。

 

 

 

 

 

ひきこもりは、ある意味では相手と自分を区別する、縄張り意識に深く関連していますから、ひきこもる世界は秘密の世界ともいえます。

 

 

 

 

 

ですからあなたがプライバシーを持ちたいと主張するのは自然な気持ちといえます。一方、親の側はプライバシーには配慮したいが、秘密の容認、それはひきこもりそのものを了承することになってしまい、焦ってしまうのです。

 

 

 

 

 

しかし、秘密を持てない環境はさらにあなたを鍵のついた部屋等、物理的な縄張りに追いやることでしょう。

 

 

 

 

 

秘密のまったくない関係は確かに美しいものですが、すべてを明白にする関係は時に窮屈なものです。ですからわたしたちは、時にお茶を濁し、もの言わぬ世界を大切にするのです。

 

 

 

 

 

ほどよく秘密が保証され、プライバシーも尊重されるとき、あなたはひきこもりが思春期という「秘密の時代」の延長であることに気づくでしょう。

 

 

 

 

 

「秘密」、「プライバシー」、「恥」、「照れ」、「自我」、こうした思春期に訪れるさまざまな心理や事情を整理しないかぎり、ひきこもりは「罪」や「悪」に置き換えられ、行き場を失った心は押しつぶされてしまうでしょう。

 

 

 

 

 

「ひきこもり」、「秘密」、「放っておいたら何か悪いことでも・・・・・・」という連想の背景には、こうした多くの短絡的解釈や誤解が潜んでいます。

 

 

 

 

 

ひきこもりに関する情報の渦に親御さんが巻き込まれないためにも、まずは口をつぐみ続けるわけを、「わたしのプライバシー」という視点から共有するのも大切なことです。

 

 

 

 

 

もし口を開くだけで、あなたの縄張り意識が壊れるというのなら、メモにしてみてもよいでしょう。親子で手紙とは恥ずかしく照れるものですが、それであなたを捕まえる権利は誰にもありません。

 

 

 

 

 

あなたはあなたのひきこもる「不安」や「申し訳なさ」を素直に正直に伝えればよいのです。

 

 

 

 

 

あなたのひきこもる罪悪感を罰する人がいるとすれば、その方はひきこもりのみではなく、「秘密を持つ人」、「プライバシーを主張する人」、「恥ずかしがりや」、「照れ屋さん」、「無口な人」をも罪に追い込むことでしょう。

 

 

 

 

 

相談事例  仕事を辞め、ひきこもりになりそうで不安

 

 

 

 

 

僕は現在失業中です。先日まで普通に働いていました。仕事を安易に辞めてしまったことを今となっては後悔しています。再チャレンジしようかと思いますが、僕のIT革命はうまくいきそうにありません。

 

 

 

 

 

最近ひきこもり系の情報に敏感で、失業保険が切れたらだんだん肩身が狭くなりそうです。僕みたいなのも「ひきこもり」というのかわかりませんが、いわれなき罪人になっていく感じです。

 

 

 

 

 

回答

 

 

 

 

 

ひきこもりには「失業者」という意味もつきまといますから、おそらく今働いている人たちにも、「ひきこもりだけにはなるまい」という価値観があるでしょう。

 

 

 

 

 

つまりひきこもることに罪を感じながら、どうにかがんばっているのでしょう。「IT革命」がどんどん進めば家にいることはあまり苦にならず、仕事を自宅・自室で展開することも、そう遠くない現実かもしれませんし、実際にそのような働き方をしている人もいます。

 

 

 

 

 

家にこもりながら仕事をすることが普通になれば、「在宅」というひきこもりのもつ、もう一つの側面は新しい光を浴びるかもしれません。

 

 

 

 

 

しかしあなたが訴えるとおり、すべての人がIT革命ができるわけではなく、できなければやはり時代から取り残されていく、今とそう変わらない不安・怒り・罪悪感にさいなまれるのかもしれません。

 

 

 

 

 

ひきこもりに罪悪感を感じるのは、ある意味では健全な反応です。「僕はひきこもりでーす」とVサインをする青年が、テレビにあふれてきたらその時代は寛容で健全な世界といえるのでしょうか?

 

 

 

 

 

果たしてひきこもりは新しいライフ・スタイルやキャリアとなっていくのでしょうか?しかし、一つだけ考えられるのは、働かないのに食べていけるほど、今後の日本にゆとりはないだろうということです。

 

 

 

 

 

息子がひきこもったら生活費がもらえるとか、ひきこもりが長ければ給付金が高くなるという時代は、心豊かな時代かもしれません。

 

 

 

 

 

しかしそうした時代を望みきれないのも事実です。もし、そうした保証に不自然な抵抗感を感じるとしたら、あなたにも自ら立とうとする生活感覚が生きているからでしょう。

 

 

 

 

 

社会には「ひきこもり」を「失業者」と同じ意味にすることで、「社会的敗北者」になることを抑制するモラルがあります。いわゆる「世間の目」です。

 

 

 

 

 

しかしこの視線は互いに検閲し合うだけではなく、自分自身にも向けられているのです。

 

 

 

 

 

ひきこもりを強く罪に感じる世界は自責的・自罰的であり、苦しいものです。しかし罪に感じる感覚があるからこそ、この苦しいひきこもりの世界から旅立とうとするのです。

 

 

 

 

 

ひきこもりにまったく罪悪感を感じない世界は、「社会に出なくていい」、「働かなくていい」、「自立しなくていい」という社会的責任能力の否定を意味します。

 

 

 



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