ひきこもるにはそれなりの決心と努力が必要
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ひきこもるにはそれなりの決心と努力が必要

2019年08月26日(月)10:34 PM

ここ数年の精神科医や臨床心理士、ケースワーカーなどの専門家が集まる場面での会話の中には、必ずと言っていいほど「ひきこもり」の話が登場します。

 

 

 

 

 

特に地域精神保険の関係者が集まる場面では、まるで「課題としての話題」であるかのように登場します。

 

 

 

 

 

そこでの会話は、ある程度の臨床現場の経験者であり、ひきこもりの実情を知っているからこそ話せるような話題も少なくありません。

 

 

 

 

 

そうした場面でよく耳にするのは、「そうだよね、あれ以上無視していたら、たぶん本当の病気になっていたよね」とか、「そうそう、ひきこもっていたから、あれ以上悪くならなかったと思うよ」というあまり聞き慣れない話です。

 

 

 

 

 

一方、行政の関係者や直接の現場に登場しない人たちからは、まったく別の切り口の話を耳にします。

 

 

 

 

 

最も多いのは、「最近の子供や青年は、昔の子供に比べて・・・・・・・」という切り口の話です。

 

 

 

 

 

「今の親はどうも子どもに甘くて・・・・・・・」という話です。

 

 

 

 

 

そして、極めつけは結局、本人にやる気がないだけじゃないかという話です。

 

 

 

 

 

そんなに最近の子供や青年たちは、「脆い」のでしょうか。それほど「耐性がない」のでしょうか。

 

 

 

 

 

そして、すぐに「困難から逃げる」のでしょうか。もしくは、ひきこもっている子供を持っている親たちは、そんなに「甘い」のでしょうか。

 

 

 

 

 

そんなに「厳しさがない」のでしょうか。

 

 

 

 

 

思春期や青年期の相談、それも家族を中心とした相談を行ってきたからかもしれませんが、「子どもを悪くしたい親はいない」と信じて相談を続けてきたのですが、わたしがおかしいのか?と思ってしまうほどです。

 

 

 

 

 

これまでの心理相談の中では、家族はその存在をまるで無視されるか、時には悪者にされてきたという歴史があります。

 

 

 

 

 

「家族」を対象としてしか相談が成立しないひきこもりという問題・・・・・・。

 

 

 

 

 

四苦八苦する専門家の姿より、むしろ相談に行っては「本人を連れてきなさい」と門前払いを受けて傷つく家族の姿・・・・・・。

 

 

 

 

 

医療や精神保健の実情に涙し、悔しがる親の姿・・・・・。

 

 

 

 

 

一方では、現場でまじめに家族からの相談に取り組んでいる一部の専門家の疲れ果てた姿があります。

 

 

 

 

 

それぞれ見るに耐えない状況です。

 

 

 

 

 

ひきこもりの事例が爆発的に急増している中で、ひきこもっている彼らが物言わぬ立場で語っているように思えてなりません。

 

 

 

 

 

それは、「だってあれ以上無理に社会との接点を持ち続けたとして、一体だれが自分と家族のそれぞれを助けてくれるの?」と。

 

 

 

 

 

少し想像していただきたいと思います。難しい言葉もあるかもしれませんが、何となく「こんな感じかなあ」でもかまいません。

 

 

 

 

 

神経過敏・感覚過多・わずかな幻聴・幻視・幻覚、継続する中で生じる強迫観念、被害妄想など・・・・・。

 

 

 

 

 

これらがいったいどんな状態で生じるものなのかご存じでしょうか。

 

 

 

 

 

精神的な問題、例えば統合失調症や極度なうつ状態などがある場合の特徴であるかのように思われる方も少なくないかもしれません。

 

 

 

 

 

しかし、これは普通の人が外的な刺激のない状態に長期的におかれた場合の通常反応です。

 

 

 

 

 

第二次世界大戦時のドイツのユダヤ人収容所や、現在でも世界の一部で使われている刑務所の懲罰環境など、社会的にはあまり見られない環境での普通の人の「以上環境下での通常反応」なのです。

 

 

 

 

 

何のためにこのような例を示したのかというと、それは、ひきこもりという状態が単なる「優雅な生活」ではないことを知っていただくためです。

 

 

 

 

 

こんなことは周知の事実で、あえてこんなことを示しても意味がないかもしれませんが、まだまだ誤解されていることが多いように思います。

 

 

 

 

 

「どうしてひきこもってしまうのか」と問われても、うまく答えられないことが多いです。必死になって答えたとしても、それぞれの事情があって、それぞれの意図があって、それぞれの対応が見られて、それぞれの対処が試みられて・・・・・・、答えになりません。

 

 

 

 

 

しかし、わかっていることがあります。

 

 

 

 

 

「ひきこもるには、それなりの決心と努力が必要である」と。しかし、実際ひきこもるということは、並大抵のことではないのです。

 

 

 

 

 

自分の存在を失ってしまうかもしれないような恐怖感の中で、それでも自分の存在を守ろうとすること、とくに自然に襲ってくる前述のような恐怖体験の数々があります。

 

 

 

 

 

それでも彼らはひきこもり続けています。

 

 

 

 

 

彼らがこれほどまでにしても逃れようとしている「社会」とは、それほど恐ろしいものなのでしょうか。

 

 

 

 

 

わかっているのは「彼らにとってひきこもることによって襲ってくる恐怖よりも怖い」のが「社会」だということです。

 

 

 

 

 

でも、そんな彼らであっても、いろいろな機会にこわごわ「社会」との接点を持とうとしています。

 

 

 

 

 

そして、うまくいけば「社会」に戻っていくこともあります。

 

 

 

 

 

「世知辛くなった」という今の日本では、社会的に生き残ることを許容してはもらえないのでしょうか。

 

 

 

 

 

ひきこもることによってせっかく持っていた社会性がなくなり、「幼児のような社会性」になってしまうのだと思われています。

 

 

 

 

 

しかし、彼らの多くは、社会的な場面で自分の持っている能力を120%使うのが「普通だ」と考えてしまって、疲れ果ててしまうことがよくあります。

 

 

 

 

 

むしろ、彼らが社会と接点を持てば、口先でいいわけを繰り返し、自分の責任をごまかしている「世渡りのうまい社会人」よりも、有能な存在なのです。

 

 

 



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