30歳以上のひきこもりについて
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30歳以上のひきこもりについて

2019年08月11日(日)10:20 AM

ひきこもりは病名ではなく、一つの行動や社会適応を表す状態です。

 

 

 

 

 

それは不登校と同様に、生物学的因子の強いタイプから心理社会的因子の強いタイプまで多種多様であり、ごく普通の人でもなりえます。

 

 

 

 

 

ですが、ひとたびひきこもりに陥ると、そこからの回復は年齢、性別や環境条件によって異なります。

 

 

 

 

 

特に、いわゆる大人とされる 30歳を過ぎた方にとっては、社会参加へのプロセスは大変な困難を伴います。

 

 

 

 

 

というのは、年齢が高くなるにしたがい、社会的サポートが得られにくくなるからです。

 

 

 

 

 

親の高齢化に伴う経済力の低下、友人知人との疎遠による孤立化、就労機会の減少などのためにますます就労意欲が失せ、ひきこもりが遷延しがちです。

 

 

 

 

 

また、今日のように不況が蔓延化し、バリバリのサラリーマンさえいつリストラや倒産の憂き目にあうかわからないご時世では、ひきこもりからの回復はますます難しくなっています。

 

 

 

 

 

労働は人間生活の基本であり、労働なしに社会は成立しえないわけですから、生産年齢人口に属するひきこもりの最大の問題点がそこにあります。

 

 

 

 

 

子供の不登校の場合は、子供のペースに合わせた周囲の温かく粘り強い取り組みが不可欠であり、そうするだけの時間的・経済的なゆとりがまだ残されています。

 

 

 

 

 

しかし、出社拒否や大人のひきこもりの場合、働かなければ生活の糧を失う危機にさらされるわけで、不登校より事態は深刻です。

 

 

 

 

 

就労の可能性が針の穴ほどでもあれば、それを徹底的に追求する姿勢が必要といえます。

 

 

 

 

 

では、そうした大人のひきこもりにどう対応したらよいか、援助者から見た典型的なやり方をあげてみましょう。

 

 

 

 

 

最初から本人が相談機関に足を運ぶことはめったになく、たいていは本人への対応に困りはてた家族(主に母親)が相談に来ます。

 

 

 

 

 

まず、家族への十分なカウンセリングを行います。

 

 

 

 

 

本人が家庭内で機嫌よく伸び伸びと振る舞えるようにすること、自分のことは自分で責任を持ってやるようにすることなどを目標にして、徐々に本人が自ら相談機関を利用できるようにもっていきます。

 

 

 

 

 

次いで、本人との一対一のカウンセリングです。

 

 

 

 

 

家族以外の信頼できる他者に受け入れられることで、一時的に失った自尊心と意欲を取り戻します。

 

 

 

 

 

その次に、一対複数、例えば同年代のグループの中で他者との生きた関係性の作り方を体験的に習得します。

 

 

 

 

 

デイケア、作業所、自助グループ、ボランティア、習い事やソーシャルクラブ、短期のアルバイトなどを中間的なステップとして、最終的には自立した生活が営めるような就労につなげることを目標にします。

 

 

 

 

 

ひきこもりにはどこかに対人関係の問題が潜んでいます。

 

 

 

 

 

生身の人間と普通につき合えるようになれば、ひきこもりはほとんど解消されたといえるでしょう。

 

 

 

 

 

ところで、ボランティアなどの活動に参加したまではいいのですが、その後、あと一歩のところで社会に踏み出せないひきこもりの人がいます。

 

 

 

 

 

関東自立就労支援センターには、そうした人が多数通ってきています。

 

 

 

 

 

その中には、ボランティアから一歩進んで、社会参加支援活動としてのビル清掃等のアルバイトに精を出す人もいます。

 

 

 

 

 

以前に、清掃アルバイトに参加しているメンバーたちがつづった文章を読んで感じたことがありました。

 

 

 

 

 

まず、実際にアルバイトに参加するまでの迷いとためらいの日々が長いことです。

 

 

 

 

 

働いていないことに、家族や世間、そして自分自身に対する大きな負い目をいかに感じていることか、驚くばかりです。

 

 

 

 

 

決して、「怠け」て、「甘え」て、「楽」して、ひきこもりを続けているわけではないことがよくわかります。

 

 

 

 

 

むしろ内心は苦しみだらけで、何をしたらいいのか、自分には何ができるのか、どういうふうにしたら立ち直れるか、あるいはできることならだれかに助けてほしい、などの気持ちでいっぱいなんだと思います。

 

 

 

 

 

次に、仕事とそれにまつわることから受けるプレッシャーが非常に大きいことです。

 

 

 

 

 

仕事を始めるにあたっては、最初は慎重に進めたほうがいいのです。仕事の量や回数はできるだけ少なくしましょう。

 

 

 

 

 

気を使う対人的な業種や課題なノルマを課せられる仕事に就くと、神経ばかりが擦り減ってしまって長続きしないことが多いのです。

 

 

 

 

 

できるだけ「楽」にやるのがいいのです。「果報は寝て待て」くらいのゆったりとした構えでやりましょう。

 

 

 

 

 

その次に、継続することの大切さです。太くて短い「うどん」よりも、細くて長い「そば」になりましょう。

 

 

 

 

 

長い期間にわたって一定の良好な状態を維持することは、それだけで大きな力を与えてくれます。

 

 

 

 

 

自分はこれだけできたんだという自信がみなぎってくるわけです。

 

 

 

 

 

またわずかでもお金を得ていることが、社会の、共同体の、そして大人の一員であるという自覚を育ててくれるのです。

 

 

 

 

 

このように、熟達したスタッフが付き添ってのアルバイトでさえ最初は容易ではありませんが、一度その仕事に慣れてしまえば何とか継続でき、次のステップへと進むことも可能になります。

 

 

 

 

 

大事なのは次の二点です。

 

 

 

 

 

一つは、いざ社会へ一歩踏み出す時の高い壁をいかに乗り越えるか、もう一つはいかにしてその仕事を細く長く継続させるかです。

 

 

 

 

 

前者については、自分に合った仕事の探し方、履歴書の書き方や面接の受け方に至るまで細かくアドバイスします。

 

 

 

 

 

後者については、心身の疲労、生活リズム、職場の人間関係などに注意しながら、少しずつ適応を促進させていくようにします。

 

 

 

 

 

いずれにしても決してあきらめない息の長い取り組みが必要です。

 

 



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団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
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理事:
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TEL
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活動内容
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 学習 支援、生活訓練
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・教育相談の実施
・各種資格取得支援