摂食障害とひきこもり
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摂食障害とひきこもり

2019年08月10日(土)7:51 PM

摂食障害とは、俗に言う拒食症、過食症のことですが、この病気の経過中に「ひきこもり」が見られるのは珍しくありません。

 

 

 

 

 

といっても、拒食のときはむしろ活動的になるのが普通ですから、ひきこもりはもっぱら過食の時期に生じます。

 

 

 

 

 

拒食症の場合、痩せてきれいになるという目的に向かって邁進しているうちは、本人はやせ細った体に不釣合いなほど元気に見えます。

 

 

 

 

 

反対に、過食症では、食べることからなにから自分をコントロールできなくなった状態にあるので、すっかり自信を失い弱気になっています。

 

 

 

 

 

過食すれば、ああ、また食べてしまったという気持ちになって落ち込むし、落ち込めば外に出るのもおっくうになります。

 

 

 

 

 

また、太って醜くなってしまった姿を人に見られるのが我慢ならないので、ますます家から出たくなくなります。

 

 

 

 

 

そうするうちに、イライラや不安がたまってきて、今度はそれをまぎらわすために、また食べ物に手を伸ばしてしまいます。

 

 

 

 

 

こうした行動と心理が悪循環をつくって、ひきこもりの状態が続くことになってしまうのです。

 

 

 

 

 

とくに「食べ吐き」を覚えてしまうと、病気は長引く傾向にあります。そして、ひきこもりの状態も長引いてしまいます。

 

 

 

 

 

食べ物を口から詰め込んでいるときは、頭の中が真っ白になって何もかも忘れられます。

 

 

 

 

 

胃の中のものを吐くときは、日ごろ言葉にできず腹にためた鬱憤を一気に吐き出すことができます。

 

 

 

 

 

このように、過食症の人にとって食べて吐くという行為は有効なストレス解消装置、最強の切り札として働くので、これを容易に手放すことができなくなってしまうのです。

 

 

 

 

 

何とかしなきゃ、このままじゃいけないと焦る気持ちは、摂食障害にしてもひきこもりにしても同じです。

 

 

 

 

 

しかし、あせればあせるだけ、もがけばもがくだけ、病気の罠にはまっていきます。

 

 

 

 

 

私はよく当事者の方やご家族に言うのですが、過食の衝動は何人たりとも止めることはできませんから、抵抗するだけ無駄です、ですからいっぺん、降参の白旗をあげてしまったほうがいいですよと。

 

 

 

 

 

食べ吐きを止めることをあきらめ、今できそうなこと、してみたいことに少しずつトライしていく、その心構えを作ることが初めの一歩になると思います。

 

 

 

 

 

それから、ゆっくり考えるべきは、どうして自分はいつも最強の切り札を抜く事態に追い込まれるのだろう?どうして自分には切り札がこの一枚しかないのだろう?といった問題です。

 

 

 

 

 

そうした状況に自分を追い込まない、追い込まれたとしても切り札が何枚か用意してある、そんなふうになれれば病気はおのずと快方に向かっていくはずです。

 

 

 

 

 

私は、摂食障害の「四つの通過点」というものを仮設して、摂食障害の病気の回復過程について考察してみました。

 

 

 

 

 

簡単に述べると、次のようなことです。

 

 

 

 

 

①身体が目覚める

 

 

 

 

 

②自分の言葉で語る

 

 

 

 

 

③母親と心理的に距離ができる

 

 

 

 

 

④居場所を見つける

 

 

 

 

 

摂食障害から回復した人は、だいたいがこの四つのポイントを通過してきた人です。

 

 

 

 

 

そして、これはなにもこの病気に限らず、思春期という年代にも共通して言えることです。

 

 

 

 

 

つまり、「思春期の四つの通過点」としても通じる話ではないかと思います。

 

 

 

 

 

だとすると、これはまた「ひきこもりの四つの通過点」であるといっても間違いではないはずです。

 

 

 

 

 

何しろ、ひきこもりの中心的なテーマは、「終わらない思春期」なのです。

 

 

 

 

 

私の切り口でいえば、思春期の課題は、身体、言葉、親、居場所ということになります。

 

 

 

 

 

すなわち、

 

 

 

 

 

①変化する身体を受け入れる

 

 

 

 

 

②自分の言葉で気持ちを表現する

 

 

 

 

 

③親の価値観から自分を解放する道を探る

 

 

 

 

 

④家族以外の対人関係の中に居心地の良い場所を見つける

 

 

 

 

 

これらの課題をそこそこクリアできれば、世の中に出ても、大人として通用すると思います。

 

 

 

 

 

身体感覚が眠っているという点では、摂食障害もひきこもりも同じです。

 

 

 

 

 

だから、頭の中でぐるぐるぐるぐる同じことばかりを考えてしまいます。小説家の滝本竜彦氏がいいことを言っています。

 

 

 

 

 

「やる気とか元気な気分とかは、脳みそのホルモンバランスであって、それは肉体によって変わるんです。健康な肉体があれば、心も健康になっていくと思います」

 

 

 

 

 

また、自分の言葉で語るとは、自分の気持ちを見つけることにつながります。

 

 

 

 

 

病気になる人は、みな窮屈な思いを抱えながら生きています。

 

 

 

 

 

自分が望んでいない生き方を強いられているからなのですが、そのことに気づいていない人も多いようです。

 

 

 

 

 

その状況を打開していくためには、まず、自分の気持ちに正直になる必要があるのです。

 

 

 

 

 

摂食障害やひきこもりの人は、さまざまな局面で親とバトルを繰り広げています。

 

 

 

 

 

このままおめおめ大人になってたまるもんか!という気持ちなのでしょうが、最終的には和解するか適当なところで見切りをつけて逃げ出すかして、親から離れる以外に救いはありません。

 

 

 

 

そのためにも、自分が本当に望んでいることをしっかりつかまえないといけないし、家庭の外に居場所を見つけなければなりません。

 

 

 

 

 

そして、この居場所は、やはり人間同士のつながりのなかに見出されるものなのです。

 

 

 

 

 

経験者であれ専門家であれ、ひきこもり問題にかかわる人たちが、しきりに出会いの大切さを説くのは、このあたりに共通の認識があるからだと思います。

 



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