家庭内暴力の対処方法
どんな暴力であれ、「甘んじて受ける」という態度は間違いです。肉体的暴力に対してはどんな些細なものであっても100%拒否するという姿勢を明確にしましょう。
「初期段階」 いらぬ刺激をしない
たいていの暴力の発端は、家族が偉そうな言い方をしたり、皮肉をこめてしゃべったりして、気づかないうちに本人を刺激し、誘発していることが多いものです。
暴力も裏表のない淡々とした態度、「刺激しない、対決しない、取引しない」という姿勢を守れば、収まることが多いものです。
暴力に対しては毅然と「そういうことはしてほしくない」「暴力はダメだ」とはっきり伝えることです。
ただし「拒否」と「対抗」は違います。力で押さえ付けても必ずいつか仕返しされます。
暴力は暴力の連鎖しか生まないということを理解しましょう。
「慢性段階」 第三者の介入、司法の介入、家族の避難
暴力が慢性化し、何のきっかけもなしに突発する、しかも毎日のように起こるようになると、刺激をしないというだけではおさまりません。
DV(ドメスティックバイオレンス・配偶者間の暴力)にも共通することですが、以下のような対応が必要になってきます。
①第三者の介入
家庭内暴力とは、逆に言えば他人の前では起こらない暴力ということができます。
家庭内暴力を防ぐには、要は家庭の密室化を避けることです。下宿人や交換留学生を置く、兄弟のフィアンセが同居するなど、他人が同居することで収まったケースもあります。
②司法の介入
家庭の密室化を避けるという意味では、警察への通報も有効です。
そんな事をしたら後の報復が怖いという訴えもありますが、タイミングさら誤らなければ防げるものです。
「大きな暴力が起きた直後に呼ぶこと」が鉄則です。
ひきこもっている人は善悪の判断がつかないのではなく、そうせざるを得ないところまで追い込まれて暴れているわけですから、悪いことをしたという自覚はあるはずです。
自覚のあるうちに、暴力を拒否する姿勢の現れとして通報すれば、報復されることはまずありません。
③家族の避難
暴力の対象者が避難するという方法もあります。こちらも「大きな暴力が起きた直後」というタイミングが非常に重要です。
○ 避難するタイミング
暴力のために家族が避難した、ということが明確にわかるように、避難は大きな暴力が起こった直後にすることです。
逆に言えば、暴力が起こっていないのに、「起こりそうだ」という理由で避難してはいけません。
また、事前に「それ以上暴力をふるうなら、もういっしょには暮らせない」などと告げておくこともフェアなやり方です。
暴力が起こったら、必ずその日のうちに避難してください。
避難先は、ホテルでも親類宅でもかまいませんし、婦人相談所など専門機関のシェルターもあります。
長期化しそうなら週単位で契約するマンションやアパートを借りるという方法もあります。
○ 避難中の連絡
家を出たらすぐに外から電話を入れることが大事です。「これから定期的に連絡する、生活の心配はいらない、どこにいるか教えられない、いずれ帰るがいつになるかわからない、暴力は完全に収まるまでは帰らないが、あなたを見捨てたわけではない」とはっきりつけてください。
本人が「自分は親から完全に見捨てられた」と絶望したり、自暴自棄になることを防ぐためです。それ以降は、定期的に連絡を続けてください。
○ 戻るタイミング
親が避難した後の本人の感情は、まず、「後悔」に傾き、しばらくすると親への「怒り」に変わり、次第に親が避難した事実を「受容」し、もはや暴力はふるえないのだと悟る「あきらめ」の時期がやってきます。
この「あきらめ」の時期が「戻るタイミング」です。
ここまでにも最低でも 一週間はかかるでしょう。避難した直後の「後悔」の時期には、本人は泣いて謝ったりしますが、ここで帰宅すると暴力が再発する確率が高いと言われています。
「あきらめ」の時期になってから、一時帰宅を繰り返し、暴力もなく、通常の会話ができるような状態が続くようであれば本格的に帰宅するようにします。
ひきこもりの経過の中で、家庭内暴力が起こることは決して珍しいことではありません。
自分ひとりや家族だけで抱え込むのではなく、早い時期から周囲の人や相談機関などとの連携を持っていくことが大切だと思います。
上記の対応に関しても、専門家との連携があればなおスムーズに進むと考えられます。
「予防するためには」 子供返りをさせない
まず、「退行」つまり「子供返り」は、暴力を誘発しやすいと考えてください。
DVなど家庭内暴力は、相手を自分の所有物と思うために起きるとされています。
退行をさせないためには、スキンシップ、身体接触をさせないことです。
特に母親に対して、一日中いっしょにいてほしがる、同じ布団で眠りたがる、やたらと触りたがる(セクシャルなものを含めて)といった、常軌を逸したスキンシップは禁止しましょう。
ここでも「ダメよ」という子供扱いした制止の仕方ではなく、「嫌だからやめてほしい」とはっきり告げることが大切です。
スキンシップをとらなくても、そのぶん会話を心がけることでコミュニケーションを十分に確保するようにしましょう。
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