ひきこもりとパーソナリティ障害
ホーム > ひきこもりとパーソナリティ障害

ひきこもりとパーソナリティ障害

2019年07月21日(日)4:00 PM

Q ひきこもっている子どもが、「パーソナリティ障害」と診断されたのですが、これからどのように対応していったらいいでしょうか?

 

 

 

 

 

A   最近では、ひきこもりのケースについて、「回避性パーソナリティ障害」という診断名を用いるケースが多いようです。

 

 

 

 

 

「回避性パーソナリティ障害」というのは、ほぼ全世界共通の診断マニュアルである「DSM-IV」による診断名なので、標準化という点から考えればこの診断名のほうが適切であるといえるかもしれません。

 

 

 

 

 

実際、「回避性パーソナリティ障害」の特徴としてあげられている、「批判、否認、または拒絶に対する恐怖のため、重要な対人接触のある職業的活動を避ける」などの項目は、ひきこもり状態にかなりの部分該当します。

 

 

 

 

 

ただし、まだ人格的にも成熟の途上にあるともいえるひきこもり事例を「パーソナリティ障害」という固定的な見方でとらえることには疑問も出ています。

 

 

 

 

 

臨床場面では多くの場合、この診断名は、治療がほとんど不可能と思われるような問題行動のパターンに対して与えられることが多いからです。

 

 

 

 

 

ひきこもりや回避傾向が子供時代から一貫して見られるケースは少なく、多いのはむしろ、思春期において何らかのきっかけでひきこもってしまうようなパターンでしょう。

 

 

 

 

 

ひきこもりの場合における回避傾向は、ひきこもっている最中には顕著に見られても、ひとたびひきこもり状態から脱しかけるとむしろ積極的、活動的になっていく人が多く見られます。

 

 

 

 

 

また、ひきこもりの場合は、例外なくひきこもってることで自分を責め、内面的な激しい葛藤に苦しむなど、自責傾向が前面に出てきます。

 

 

 

 

 

しかし、パーソナリティ障害の場合は、突き詰めていくと「葛藤の訴え」も表面的なものに過ぎず、その本質は責任転嫁と葛藤回避にあることが見えてきます。

 

 

 

 

 

もちろん、ひきこもりとパーソナリティ障害が無関係であるというわけではありませんが、全体として見た場合、決して大勢を占めるわけではないことをもう一度強調しておきたいと思います。

 

 

 

 

 

Q 本人を相談や治療に結びつけるにはどうしたらいいのでしょうか?

 

 

 

 

 

A ひきこもってる本人が「自分はこのままでいいからほっといてくれ」と専門機関への相談や治療を拒否したり、「このまま親の世話になって生きていく、親が死んだら自分もそれまで」などと言い出す場合があります。

 

 

 

 

 

しかし、こうした言葉を額面通りに受け取る必要はないでしょう。

 

 

 

 

 

むしろ本人にも「何とかしたい」という思いがあるのに、親からの干渉を嫌って、そういう予防線を張っている場合もよくあります。

 

 

 

 

 

では、本人を治療や相談へと動機づけるにはどうすればいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

もちろん議論や説得、叱咤激励などは逆効果です。

 

 

 

 

 

最も効果的なのは、まず親が率先して行動してみせることでしょう。

 

 

 

 

 

まず親が病院や支援機関に相談し、通い続ける姿勢を本人に見せていくことによって、少しずつ本人の気持ちを動かしていくことです。

 

 

 

 

 

最初は本人が嫌がる場合もあるようですが、それは「強制的に治療を受けさせられる」などと誤解してのことがほとんどです。

 

 

 

 

 

「親としては心配だから、親だけでも相談に行っておきたい」「安定した気持ちで対応できるように、親自身の悩みを相談したい」というスタンスを明確にすれば、次第に受け入れるようになるものです。

 

 

 

 

 

まず親が一定のペースで相談を続けつつ、本人への誘いかけを粘り強く続けてみることが大切です。

 

 

 

 

 

あまりしつこく説得はせず、当日出かけに必ず一声かけて誘う、拒否されたらあっさり引っ込める、ということを繰り返すうちに、本人が応じたという事例が数多くあります。

 

 

 

 

 

ひきこもりの人は、親が自分のために一生懸命動いている姿は細大もらさず見ているものです。

 

 

 

 

 

初めは全く拒否的であったとしても、だんだんと相談や治療の内容に関心を示してきたり、医師について質問してきたりするようになるでしょう。

 

 

 

 

 

そのような関心を持つようになれば、本人もいずれ行動を開始するはずです。

 

 

 

 

 

Q 医師とカウンセラーはどう違うのでしょうか?

 

 

 

 

 

A  ひきこもり事例に治療的にかかわる場合は、医師・家族・カウンセラー・ケースワーカーが連係プレーを組むことが理想的です。

 

 

 

 

 

精神科医の場合、必要に応じて薬物を使用できることや、家族関係の調整や対人関係の訓練のために一時的に入院治療も行うことができること、精神疾患が見つかった場合にはスムーズに治療方針が切り替えられることなどの利点があります。

 

 

 

 

 

一方、外来に時間を取れない医師も多く、話を十分に聞いてもらえないなど不満を持つケースもあるほか、大学病院などでは、カウンセリングのみの受け付けをしていない場合もあります。

 

 

 

 

 

もし必要であれば、現在かかっている医師に「カウンセラーを紹介してほしい」と頼んでみるか、医師にかかりつつ、そのままほかのカウンセラーを探すという方法もあります(医療機関にカウンセラーがいる場合でも、機関や医師によって、カウンセラーの役割などが違うこともあり、個別に確認する必要があります)。

 

 

 



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援