ひきこもりはうつ病や統合失調症などの精神疾患と関係があるのか?
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ひきこもりはうつ病や統合失調症などの精神疾患と関係があるのか?

2019年07月19日(金)11:00 AM

ひきこもりは、うつ病や統合失調症などの精神疾患と関係があるのかという質問への答えを厳密に考えようとすると、論理の遊びのようになってしまうおそれがあります。

 

 

 

 

 

なぜなら、「ひきこもり」という定義が精神医学的にはっきりしない曖昧なものだからです。

 

 

 

 

 

精神科医のなかには「ひきこもり」を「統合失調症や、うつ病などの明らかな精神障害がないにもかかわらず、自宅にひきこもって社会参加をしない状態」というように定義しようとする人もいるようです。

 

 

 

 

 

このように「ひきこもり」を定義すれば、当然のことながら精神疾患と関係がないという答えになるでしょう。

 

 

 

 

 

しかしながら、このような定義は実際的ではないでしょう。理由の第一は、多くの場合、「ひきこもり」という言葉は、精神医学とは無関係な人々によって、単に「社会参加をせず、自宅にひきこもっている」状態を指しているからです。

 

 

 

 

 

さらに、精神疾患の有無は、精神科医の専門的診断によって初めて明らかになるものです。そうしますと、ひきこもった状態の人たちと最初に身近に接する家族等の人たちには、精神疾患の有無はわからないわけですから、先に述べた定義だと「ひきこもってはいるが、精神病があるかどうかはわからないから、ひきこもりといえるかどうかはわからない」という屁理屈のような奇妙な話になってしまいます。

 

 

 

 

 

これらのことを考えますと、ひきこもりは精神疾患の有無に限らず、広く包括的にひきこもった状態全般を指すべきものとしてとらえるべきでしょう。

 

 

 

 

 

本問の意図も、そのような状態の人々すべてに対し、「精神病を疑ったほうがよいのか、それとも別の問題と考えるべきなのか」というものだと思われます。

 

 

 

 

 

この後者の幅広い意味で、「ひきこもり」を考えた場合、その原因はさまざまなことが推測されます。そのなかでうつ病や統合失調症等の精神疾患も原因の一つとして考慮すべきものでしょう。

 

 

 

 

 

まず、統合失調症によるひきこもりについて述べてみたいと思います。統合失調症の症状の一つに妄想があり、この妄想によってひきこもることがあります。

 

 

 

 

 

この場合、周囲や他者から攻撃されている、おびやかされている、見られているなどの妄想を持ち、それらから自分の身を守ろうとするため、カーテンや雨戸を完全に閉めきって内側から鍵をかけ、自分の部屋に閉じこもります。

 

 

 

 

 

あるいは、妄想に由来する不安感を少しでも減らそうと、自分の部屋のなかで慣れ親しんだ寝具や衣服に包まれ、愛着のある自己の所有品に囲まれることで、あたかも、胎児のように安心感を得ようとすることもあります。

 

 

 

 

 

また、統合失調症の慢性期になると、無為自閉といって何もせず、閉じこもった生活をすることがあります。

 

 

 

 

 

このような生活になってしまうのは、一つには物事を積極的にやろうという意欲が障害されてくることにあります。また、学校や職場での集団生活の経験が乏しいなどの理由から、人との接し方やさまざまな状況での適切な対応といった技術が稚拙なために、外出時や他者との接触において、不安や緊張を生じやすく、それを避けるために閉じこもってしまうという面もあります。

 

 

 

 

 

次に、うつ病によるひきこもりについて述べてみたいと思います。うつ病の初期段階においては、やる気がしない、おっくうだ、集中できない、人に会いたくないといった症状が出現します。

 

 

 

 

 

しかしながら、この段階ではひきこもりはせずに、何とか社会的活動を続けようと努力します。続けようとはしますが、以前のようにはやる気は出ず、人と会うのもつらいものとなり、抑うつ感は強まります。

 

 

 

 

 

その結果、うつの症状はますます悪化していくという悪循環に陥ってしまいます。

 

 

 

 

 

うつ病が重症になってくると、おっくうさ、やる気のなさはとても強いものとなり、外出を避け、人と話をせず、ひきこもるようになります。

 

 

 

 

 

部屋に閉じこもり、布団の上でごろごろし、家族との会話も避けてしまいます。うつ病の症状がだんだん改善してきても、ひきこもりが続く場合もあります。

 

 

 

 

 

たとえば、社会復帰への不安がある場合です。いったんうつ病という病気になってしまった自分を、学校や職場、あるいは家族が受け入れてくれるかという不安が生じるのです。

 

 

 

 

 

その不安から、ひきこもった生活を続けようとします。そのため、不眠やささいな身体の違和感を強く気にしたりして、うつ病が神経症的なものへと変化していきます。

 

 

 

 

 

その結果、うつ状態はなかなか治癒せずに長引いたものとなっていき、ひきこもった生活が続いていきます。

 

 

 

 

 

以上、統合失調症とうつ病が、ひきこもりの原因となる場合について、主だった状態のパターンを簡単に述べましたが、そのほかにも、人格障害、神経症などさまざまな理由が考えられます。

 

 

 

 

 

「ひきこもり」とひとくくりにして考えるのではなく、個々のケースに応じて、どのような疾患や問題が背景にあるのかを専門家と十分に考慮、検討したうえで対応を考えていくべきでしょう。

 

 

 


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