人前に出るのが怖い
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人前に出るのが怖い

2019年07月16日(火)7:09 PM

思春期の心理のひとつの特徴は、人が自分をどのように見ているのだろうか、と他人から見た自分が気になり、また、自分はいったいどういう人間なのだろうか、と自分自身に目が向くことです。

 

 

 

 

 

そのような中で、人の中に入ったとき、わけもなく緊張し、体が氷のように硬くなり、身動きがとれなくなると訴える若者や、人が自分のことを悪く言っているように感じて悩んでしまう若者がいます。

 

 

 

 

 

このようなケースとは少し違いますが、高校生の女子生徒の中には、「お腹が鳴って椅子に座っていられない」とか「おならが出るので、周囲の男子が”くさい”とか言ってわたしを嫌う」などの訴えで不登校になるケースがときどきあります。

 

 

 

 

 

これは「自己臭恐怖」と言われます。家庭内暴力の子どもたちの特徴のひとつが「他罰的」であるのに対して「自己臭恐怖」の子どもたちの特徴は、それとは反対に「自罰的」あるいは「内省的」であることです。

 

 

 

 

 

すなわち、いろいろなものごとが起こったとき、自分が悪いのではないか、自分のせいではないかと考えすぎてしまうのです。

 

 

 

 

 

「自己臭恐怖」は日本人に特徴的に見られる訴えで欧米諸国ではあまりないと言われています。

 

 

 

 

 

不登校事例    人がわたしを悪く思っているんじゃないかと悩んで不登校に

 

 

 

 

 

わたしは16歳くらいのころからとても人が気になって、人がわたしを悪く思っているんじゃないかと思ってしまい、教室に入ると緊張して体が硬くなってしまいました。

 

 

 

 

 

そのため、だんだん人の多いところが苦手になってしまい、避けるようになりました。

 

 

 

 

 

今では、人に敏感に反応してしまいます。たとえば、首が勝手に揺れたりします。外にも出られずにいます。どうしたらよいのかわかりません。

 

 

 

 

 

中学生の後半から高校生の時期に、ご相談の方(仮にW子さんとします)のように、”人が自分の悪口を言っているのではないか”と感じて悩む方がいます。

 

 

 

 

 

W子さんの場合、高校1、2年生で”何か自分のことを言われている”という被害意識を強く感じて高校を中退し、家にひきこもってしまったようです。

 

 

 

 

 

みなさんは「被害妄想」という言葉をお聞きになったことがあると思います。W子さんの”人が自分の悪口を言っているのではないか”という訴えは「被害妄想」に似ていますが、”言われているような気がする”のであり、”確かに言われていると思う”ということではありませんので、正確には「被害妄想」ではありません。

 

 

 

 

 

”人に敏感に反応してしまい、たとえば、首が勝手に揺れたりします”という訴えは、チック症状の一種だと思います。

 

 

 

 

 

チック症というのは、ご存知の方も多いと思いますが、緊張したときに自分の意思とは関係なしにまばたきを何回もしたり、顔をひっきりなしにしかめたり、というような症状で、病気でもなんでもありません。

 

 

 

 

 

緊張しているということの単なるサインです。W子さんのように、”人が自分の悪口を言っているのではないか”と感じ、人からだんだん遠ざかりますと、ますます人と会うことが苦痛になり、緊張を伴うようになります。

 

 

 

 

 

解決する方法にはいろいろありますが、ここでは「脱感作療法」を紹介します。脱感作療法は、不登校の子どもたちに支援にもよく使われる「行動療法」のひとつです。

 

 

 

 

 

不登校の子どもの場合を例に説明します。「脱感作療法」は、家から出られない子どもを一足飛びに学校へ連れて行こうとは考えないで、一歩一歩慣らしながら学校に近づけようとする方法です。

 

 

 

 

 

たとえば、今日は制服を着るまで、と目標を決めます。そして、それができると”よかったね。今までは制服が着れなかったのに”と子どもといっしょに喜び、褒めてあげます。

 

 

 

 

 

そして、その日はそれで終わりです。それ以上のことは何もしません。何日か、”制服を着る”ということだけを実行して、それが無理なくできるようになると、本人と相談して、たとえば”玄関まで行って靴をはく”という新しい目標を設定します。

 

 

 

 

 

そして、何日か、制服を着て玄関に立ち、靴を履くというところまでを繰り返します。

 

 

 

 

 

それから、家を一歩出るまでとか、学校の門まで行くとか、保健室まで行くというふうに徐々に学校へ近づけていきます。

 

 

 

 

 

これで登校できるようになる子どもたちはけっこういます。この過程で、実際に実行するのは子ども本人と親と学校ですが、目標の設定には専門家がいっしょにかかわります。

 

 

 

 

 

校門までやっと行けるようになったとたん、”ここまで来たんだったら、教室まで行こう”と強引に担任がひっぱって、今までの苦労が水の泡となった話もときどき聞きます。

 

 

 

 

 

この支援法ではとくに、学校との協力・連携が大切になってきます。

 

 

 

 

 

W子さんの場合は関東自立就労支援センターの支援を受けて、この脱感作療法を繰り返して学校に行けるようになりました。

 

 

 

 

 

脱感作療法は、無理をしないでできるところまでを何回も繰り返し、一歩一歩少しずつ人の中に入って行けるように根気強く続けることが重要です。

 

 

 


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