不登校~ある母親の告白~
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不登校~ある母親の告白~

2019年07月14日(日)11:00 AM

「わたしは短大を卒業して小学校の教師になりました。夫は国立大学を卒業して銀行マンになりました。

 

 

 

 

 

わたしは夫とある人の紹介で知り合いました。夫はわたしの仕事にとても理解をしてくれました。

 

 

 

 

 

子どものことについてもたくさん本を読んでくれました。わたしが何か話すと、おうそうか、と言ってくれました。

 

 

 

 

 

そして夫は、とてもいろんなことをよく知っていました。わたしに対してとてもいろんな関心を持ってくれました。わたしの話もよく聞いてくれました。

 

 

 

 

 

だからわたしのほうが夫にあこがれたんです。そして結婚しました。わたし、子どもが大好きでした。だから短大を出て、幼稚園の先生か小学校の教師に絶対なるぞと思っていました。

 

 

 

 

 

それで、小学校の先生になったんです。その後、子どもができました。夫がわたしにこう言ったんです。

 

 

 

 

 

『おい、お前、先生の前に母親なんだぞ』。わたしはハッとしました。

 

 

 

 

 

でも、何も言えなかったんです。主人が落ちついた口調でそう言いました。もう何も言うことはできませんでした。

 

 

 

 

 

そう、わたしは教師の前に母親なんです。わたし、教師を辞めました。母親をやることにしました。そうです、わたしは母親なんです。

 

 

 

 

 

主人はわたしにこう言ってくれました。『おい、俺たち2人の子どもだ。大切に育てような』って。わたし、とてもうれしかったです。

 

 

 

 

 

わたしの選択は間違っていなかった。主人もいっしょに子どもを育ててくれるんだなあと思っていました。

 

 

 

 

 

でも(泣き声で)わたし、だまされました。優しい言葉をかけてくれたのはあのときだけでした。

 

 

 

 

 

あれからずーっと何もしてくれないんです。わたし、だまされました。主人は子どもが小学生になったとき、突然わたしにこう言いました。

 

 

 

 

 

『教育のことは俺に任せておけ、いいな、俺の言うとおりにやればいいんだぞ。俺の言うとおりにやれば、あの子も俺の道を歩めるんだ。わかるな、お前は短大出なんだから。俺は国立大学を出ているんだから、そして今銀行の課長なんだから、いいな、わかるな。お前は短大出なんだよ。』正しかったです。

 

 

 

 

 

だからわたし、何も反論できませんでした。そうなんです。わたしは短大出です。主人は国立大学を出ていました。まったく主人の言うとおりでした。

 

 

 

 

 

主人は間違ったことは言わない人でした。いつも正しいんです。だからわたし、何も言えませんでした。主人があるとき、わたしにこう言いました。

 

 

 

 

 

『おい、あの用事はやったのかやってないのか?』とわたしに言ってきたんです。わたし、やってなかったんです。

 

 

 

 

 

でも、やってないっていきなり言うのもつらかったので、いろいろ関係のない話をしてしまったんです。

 

 

 

 

 

あれがあれでどうでこうでって言ってたんです。そしたら主人がいきなり言うんです。

 

 

 

 

 

『おい、余分な話はいい。余分な話やつまらない話はいいんだから、やったかやってないかを俺は聞いているんだ。どっちなんだ!』って強く言われたんです。

 

 

 

 

 

だからわたしは、『ウーン、まだそれはやってません』と言ったんです。そしたら主人は怒るわけでもなく、『ああ、そう』と言ってすぐに出て行ってしまったんです。

 

 

 

 

 

わたし、何かそのとき少し、ここに(胸に手を当てる)アレッと感じたんです。何かすごく寂しいものを感じました。

 

 

 

 

 

子どもが小学校3年生になりました。主人がわたしにこういうふうに言いました。『おい、子どもにしっかり勉強するようにちゃんと言っとけよ』と。

 

 

 

 

 

しばらくたつと、また主人が『おい、子どもに勉強するように言ったのか、おまえ』というわけです。またしばらくたつと『おまえ本当に言っているのか、俺の話を真面目に聞いているのか』と言うのです。

 

 

 

 

 

子どもに言えば勉強するっていうもんじゃありません。だからわたし、主人に心の中で言ったんです。

 

 

 

 

 

『そんなに言いたければ自分で言えばいいじゃないの』と。でも、母親としての自覚をもって子どもに言いました。すると、あの子がこう言いました。

 

 

 

 

 

『お母さんはお父さんの”通訳”だね』って。

 

 

 

 

 

子どもが中学1年の3学期から学校に行かなくなりました。わたし思ったんです。何かわたし、子どもに十分子どもの時間を与えなかったような気がするんです。

 

 

 

 

 

いつもいつも何かを夫から言われているような感じがしたんです。

 

 

 

 

 

早く立派な子にしろみたいな感じで、いつもいつも言われてきていました。

 

 

 

 

 

わたし、どこかでいつも早く大きくなれ、早く大きくなれってあの子に言っていたような気がするんです。

 

 

 

 

 

わたしのどこかで、あの子に早く一流高校に行ってもらって早く一流大学に行って、早く一流企業に入って、そして立派な子にして早く主人に”納品”したかったんです。

 

 

 

 

 

そしてわたしは早く自由になりたかったんです。自由になってわたし、もう一度教壇に立ちたかったんです。

 

 

 

 

 

そして子どもたちといっしょに勉強したかったんです。主人は、そんなわたしの気持ち全然わかっていないと思います。

 

 

 

 

 

わが子を”納品”したくなるこんな母親が他にいますか」

 

 



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