子育てという仕事
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子育てという仕事

2019年07月12日(金)1:50 PM

仕事に忙しいお父さんは、なかなか家庭に振り向いてくれません。

 

 

 

 

 

「一生懸命に、夫なりにがんばっているから無理は言えないんです。そのことはよく理解しているつもりなんですが・・・・・」

 

 

 

 

 

と母親はこぼします。子どもの心が不安定になり、母親は自分ひとりではどうすることもできないことがわかったとき、お父さんに助け舟を求めました。でも、・・・・・・。

 

 

 

 

 

「悪い人ではない、むしろ誰に対しても優しい人なのです。でも、それだけにどこかに依存しなければいられない弱さも併せ持っている夫なのです。

 

 

 

 

 

だから、ついつい意固地になって、自分が間違っていても誤解を押し通そうとするんです」と母親は言います。

 

 

 

 

 

そのわがままを今までじっと耐えながら聞いてあげることで元気でいられるお父さんの姿を、妻である母親はよく知っているのです。

 

 

 

 

 

「でも、もう限界です。なるべく子どものため、夫のため、家庭のためにと事を荒立てないように積み重ねているわたしの心労はどこに持っていったらいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

あなたは白であっても黒と言う人、だからわたしも争いを起こしたくないから黒と言ってきたのよ。

 

 

 

 

 

そんなわたしの気持ちを察してくれたことがあったの?」その言葉は非常に苦しそうでした。

 

 

 

 

 

妻も夫にわがままを聞いてほしいのです。

 

 

 

 

 

ある日、40歳過ぎの夫婦が、わが子の不登校の相談に来られました。いろいろと話をしているうちに、「父親として、もっとしっかりしなくてはいけないことはわかっているんですが・・・・」と父親の考えを具体的に述べました。

 

 

 

 

 

すると、隣の母親が驚いた表情で、「あなたそんなこと思っていたの、どうしてもっと早く言ってくれなかったの。

 

 

 

 

 

わたしたちは、こうしてカウンセリングでもしてもらわないと対話ができない夫婦になってしまったのね」と声を荒げました。そして、

 

 

 

 

 

「20年近くいっしょに生活をしてきたのに・・・・・・」と、母親は残念そうな表情をしました。

 

 

 

 

 

夫婦だからいつでも話せる、お互いの気持ちはわかっている、この程度のことを話しても仕方がない、相談したらかえって心配させてしまう・・・・・・。

 

 

 

 

 

夫のこのような思い(思いやり)がいつのまにか夫婦の対話をなくさせてしまったのです。

 

 

 

 

 

そのわずかな感情の行き違いが重なって会話不能になることもよくあります。

 

 

 

 

 

他人に引き出してもらってやっと会話ができる、という現実を目の当たりにして「もっと夫婦で会話があったら、子どもは苦しまなくてすむのに」とわたし自身、切なくなりました。

 

 

 

 

 

母子で面接に来られ、子どものことで相談しているうちに、実はほんとうに深い悩みを抱え苦しんでいたのは、母親であることがときどきあります。

 

 

 

 

 

このケースもそうでした。不登校になっている息子の相談に来られた50歳前後の母親でした。

 

 

 

 

 

話をうかがっている最中に、「わたしは、子育てという仕事を失敗してしまったのでしょうか。」と涙声でわたしにたずねてきました。

 

 

 

 

 

詳しく話を聞くと、「子育てがいつのまにか『仕事』になってしまい、強迫的に『納期』を守って子どもをいい塾へ、いい高校へ、大学へ、会社へと送り届けていきましたと言うのです。

 

 

 

 

 

悲しいことですが、そんな母親は孤独になりがちで、ときとしてわが気を”製品”として見てしまい、クレームゼロを目指して子どもを叱咤激励していきます。

 

 

 

 

 

そして、心のどこかにこの日常の危険さを感じながらも、妻や母親という立場から解放されて一人の女性として自分の人生を歩みたいと願ううちに、しだいに”納期”のテンポを早めて”ノルマ”達成に母子で突き進んでしまいます。

 

 

 

 

 

「いい大学へ、いい会社へと子どもたちを入れることが専業主婦のわたしの仕事でした。だから早く”仕事”を終えて楽になりたいと思い続けてきました。

 

 

 

 

 

”失敗”しないようにとわたしはいつも夫の目を気にして緊張していました。夫はそのことにまったく気がついていませんでした」

 

 

 

 

 

夫の期待しているわが子の成長を、夫のために失敗しないように、自分自身を追い込んでしまう妻の姿がそこにありました。

 

 

 

 

 

ある日、関東自立就労支援センターの面接室にこられた母親は、とても悲しげでした。

 

 

 

 

 

「忙しいことはよくわかっています。でも、2人の親がそろって子どもがいて、はじめて家庭になるのに、あの人は・・・・・。

 

 

 

 

今日は早く帰ってきてねと何度言っても連絡はなく、何度も裏切られてきたんです。いつのまにかうちの娘の親はわたし一人になってしまいました」

 

 

 

 

 

このように面接まもなく、語り始めたのです。父と母が対になって”親”となる・・・・・・といいます。

 

 

 

 

 

でも、この家庭には”親”は半分しかいないのです。

 

 

 

 

 

家庭で、子どもと向き合って生活している母親にしてみれば、父親の存在が家庭から消えつつあることにいい知れぬ不安を抱いたのかもしれません。

 

 

 

 

 

「今日は早く帰ってきてね」とは、実は母親からのSOSでもあったのですが、夫はそれに気づくことはありませんでした。

 

 

 

 

 

妻の心細さが「早く帰ってきてね」のサインになっていたのです。

 



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