不登校から始まるひきこもりを防ぐために
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不登校から始まるひきこもりを防ぐために

2019年07月08日(月)2:44 PM

ひきこもりが、もともとなにから始まりがちかを見ると、そのおそらく7割以上は不登校の尾を引いたものというか、学校に行けずじまいでそのまま家に閉じこもりっきりになっている場合が多いと思います。

 

 

 

 

 

小学校低学年から、ともずれば登校しづらくて休みがちになり、結局5、6年生のころから不登校になってしまっていて、中学校へは顔を出したこともなし、という事例が関東自立就労支援センターの相談例の中に多いのが現状です。

 

 

 

 

 

そのような幼いころからの学校不適応を見てみると、なぜそうなったのかの原因とか理由は大きく3つに分けられます。

 

 

 

 

 

まずひとつは、身体的生理的不調が大きく災いして集団生活への参加に支障をきたしがちであるというものです。

 

 

 

 

 

往々にして、親や先生などまわりの人が、問題の状況がつかめないままに、本人の性格の弱さだからこれを許していてはならないとばかりに学校に無理にも行かせようと力んでがんばる結果、もともとのハンディのうえにさらに心理上のゆがみを引き起こし、そのこじれから何年もあるいは十何年もひきこもりの状況を続けている残念なケースが多々あります。

 

 

 

 

 

股関節脱臼や軽い小児麻痺性の手の指などの動きの不自然さ、あるいは視力、聴力に難があることとか色盲とかによって、他の子とは違う反応や行動様式の違いがこじれのもとである場合、生まれつきのハンディなら他人と比べようがないために、本人はそれに気づかないのがむしろ自然です。

 

 

 

 

 

親たちもそれに気がつかないまま、人にも遅れをとったり、違ったズレを起こすのを当人の心がけの悪さのせいだとかと強く子どもを責め、ひいては親自身の育て方の悪さのせいだと自己を責めてしまいがちになります。

 

 

 

 

 

親の育て方がどうだという前に、気づかないままの問題があったということが長い間、理由の不明な不登校の原因であることも珍しくありません。

 

 

 

 

 

幼年期からの学校の不適応の原因や理由のうち、2つ目は、家族関係の不調や親の不在などから生じる生育環境の心理的経済的不備がもとになっている場合です。

 

 

 

 

 

親の離婚や再婚や、あるいは婚外の出生であったりというケースに発生する、安定の欠けた生育歴で、対人関係への自信のなさや拒否とか恐怖、あるいは逆に固定した誰かへの密着とかが常態になっていて、年齢なりの社会適応の慣れが身についていないということです。

 

 

 

 

 

まわりの人たちの工夫や努力では、子どものそういう不安定を支えきるわけにはいかず、学校のクラスの担任はもとより、教育相談の機関などの援助を求めたものの、決め手となる方策のないまま歳月を過ごして子どもは長年のひきこもりに至っているという例です。

 

 

 

 

 

3つ目は、まだ幼いころから外に出て仲間とうまくやっていく社会性が身についていないという当人の気後れを、干渉のし過ぎか放任のし過ぎのために、学校拒否や集団恐怖というみんなの空気に乗れなくしてしまうというケースです。

 

 

 

 

 

次にもっと大きくなって中学校の1、2年ころから子どもの機嫌が悪くて親がしだいに対応しにくくなり、学校に行くことが急に本人の重荷になっていく様子が気になるのに、まわりの配慮や努力ではどうしようもなく、結局重い落ち込みが不登校状況へというような思春期の難しさがこじれの発端になっているケースです。

 

 

 

 

 

これがもともと不登校といわれたものです。

 

 

 

 

 

級友とのトラブルや集団の空気から外れるとか、さまざまのいじめにあうといった友達との関係、または教師とのこじれや反発や不信など、あるいは学校というシステムや学業のあり方や、いわゆる勉強に対する不和感、ひいてはこの世の大人社会への疑念や人生自体へのこだわりや悩みなどから発した不登校を、ずるずると進学拒否や就職拒否に持ち越し、当人が社会参加の意欲を徹底的に失ってしまうというケースもあります。

 

 

 

 

 

それが高校からはじまるものもあれば、大学からはじまるというケースもあります。

 

 

 

 

 

大学終了までは学校生活にごく快活に過ごして、スポーツにも興じ、友だちとも生き生きと交わり、学業にも真面目に取り組んでいたのに、就職後はトラブルが重なってそれまでの自信の裏返しで落ち込みが激しくパニックに陥るという例もあります。

 

 

 

 

 

そのころからほとんど人格崩壊というべきほどの自信喪失からくる社会恐怖の観念に襲われて、ひきこもりに入ったまま長年どうしようもないという例に接した経験がわたしにはいくつかあります。

 

 

 

 

 

またある例は、小さいうちから情緒も知性も正しく育てられて、社会の一切のゆがみが許せないという感性にとらわれてしまい、世の中には自分の欲するものが何も見つからないと、社会参加を拒む大学生のいわゆるスチューデント・アパシーなども親たちの了解範囲を超えるものであったりします。

 

 

 

 

 

ひきこもりという行為は過ごし方によってはけっして無意味ではありません。さらに、最後の一番大切な課題を無視してはいけないと思います。

 

 

 

 

 

ひきこもりを、それに陥っている個人の問題とするだけにとどまり、そのはなはだ消極的な世の中への対し方を非難して個人がそれぞれもっと強くなれという論法で終えてしまってはならないのです。

 

 

 

 

 

ひきこもりにならない工夫という、個人の対応と同時に、ひきこもりをこれ以上増やさない社会の対応ということをもうひとつの基本の課題としなくてはならないのです。

 

 

 

 

 

学校というものが、年々整備され、充実した制度や整った施設になっていくにつれて、教育する側の技術的なミスを起こしようのない形でのマニュアルでの管理化が進んでしまい、人間本来の生き物としての原初的な生の息吹が自然なままに大切にはされ難い体制になってしまっているのだろうと思います。

 

 

 



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